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走り出した京介
(蒼月は部屋を出た。そしてノートンはどうやら意識がない。……脱出するなら、今!)
ノートンに盛られた薬はあまり効かなかったらしい。京介はすぐに意識を取り戻していた。先程まで手足が痺れていたが、それも収まったようだ。
「ここ最近何度も気絶させられてるせいかな? にしても一体何度人の意識を奪う気だ、この人たち。人権侵害にもほどがあるぞ…。訴えてやる!」
「そうですよ~。私はこしあん派なんです。これ、粒あんじゃないですか~。訴えますよ~」
「―――――――!!」
(ヤベッ! 起きたか!?)
恐る恐る視線を向けるも、依然ノートンはむにゃむにゃと幸せそうに眠っている。
「……ふぅ」
どうやら先ほどのは寝言だったようだ。
(どんな夢見てんだよ!?)
とにかく今はまさに脱出のチャンスだ。
幸せそうに眠っているノートン先生を起こさないように、京介は静かに保健室を後にした。
「……風見川」
京介は口に出し、頭の中でその場所を確認した。
二人の話では、朔はそこに向かったらしい。朔がエマに辿り着くより先に、あいつに会わなければ。
京介は力強くドアを開け、保健室をでた。




