不穏
実習に悪戦苦闘するxクラスに対して、aクラスの面々は、皆あっさりとこなしており、中にはあくびをしている者もいた。その暇つぶしに連中はxクラスの惨状を見て、こんな簡単な事もできないのかと言わんばかりの表情で、ニヤニヤと嫌な笑みを浮かべている。
授業終了後、xクラスの皆は悲痛な面持ちで教室を後にしていった。
「あいつら、バカじゃね? あんな簡単なこともできねーのかよ?」
「だからバツクラスなんスよ」
aクラスの面々はxクラスの皆に聞こえるように囃し立て、盛り上がる。
「ちっ…。何だ、あいつら」
「私たちの結果が芳しくないのは事実でしてよ。今は無視なさいな」
険悪な雰囲気が漂う。しかし、aクラスの生徒の教室は近くだったため、連中はすぐに自分の教室に戻ったため、何事も起こらなかった。
「aだからって、僕たちを下に見ているよ」
「さすがに不愉快でござるな」
皆口々に不満を漏らしつつ、教室に戻る。憤慨しつつも皆aクラスへの対抗意識を燃やし、やる気になっている。
だが、対抗意識を燃やせるだけまだいい。京介は燃やすだけの火種すら持ち合わせてはいなかった。なにせ、あらゆる授業が未知の物であり、おまけに自分だけ、まったくハッキングが使えないのだ。表面上はハッキング出来ないことを笑いを取りにいくことで誤魔化していたが、その実焦りと劣等感だけが募り、押し潰されそうで。
道化を演じるために貼り付けた笑顔に徐々に、確実にヒビが入っていくのだった。




