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次章予告


 どうして、こうなったのだろう。


 誰もこんな事態は望んでいなかったはずだ。誰もこんな事件は予想していなかったはずだ。


 それなのに、どうしてこんなことになったのだろう?



「なあ、お前の望みって何だったんだ?」



 絶対であったはずの龍神は、時代から忘れた異物の敗北者となり。


 虐殺者であったはずの魔女は、一介の観測者となり。


 強さを求めていたはずの剣聖は、破壊のみを行い。


 正義を為していたはずの英雄は、最愛の少女を失い。


 戦争が始まってしまった。


『世界』と『世界の異分子』との戦争だ。




「臆するな! 所詮、相手はただのモンスターだ! 我々帝国軍の相手では……」


「おかしなことを言うな。お前らは、蟻の群れを怖いと思ったことがあるのか?」


 二世代目の逆魔に、人々は為す術がなかった。




「てめえが、てめえが赤いのを殺したのか!」


「ああ、そうだ。お前らも同じ場所に送ってやるよぉぉぉお!」


「許さない! 殺してやる!」


「やってみろ!」


 魔王となった少年と、竜王が激突する。




「何でだよ……」


「や、やめてください、白騎士様」


「何でタマモを殺したんだぁぁああぁアア!」


 現代に、『英雄』などいなかった。




「これはこれは。初めまして、『先輩』。早速ですが死んでくださいな」


「口の利き方に気をつけろよ、ガキ」


『原初』と『最強』が対決する。




「面白いことになってるなー」


 魔女だけが暢気に過ごしていた。




「助けて、白騎士!」


「もう魔女でも剣士でも英雄でも龍神でもいい! お願いだ! 俺を助けてくれ!」


「何で助けてくれないんだよ!」


「死にたくない!」


 世界はどこまでも他力本願だった。




「お前、何がしたいんだ?」


「え?」


「俺は狂っているから破壊したかった。兄弟は強欲だから創造がしたかった。竜神共は臆病で偽善者だから現状維持を望んでいた。竜王共もバカだからそれに従った。剣士は力を欲して、英雄は栄誉を求めて、魔女は愛を知りたがっていた。逆魔の小僧共は破壊を行っている。で、お前は何がしたいんだよ?」


「何がしたいか……」


「お前は、何になりたいんだ?」


「…………」


「なあ、お前は誰なんだ?」


 その言葉の意味を、彼は理解できずにいた。




「ま、魔女は残虐非道なんじゃ……」


「さあ? 助けたのはきまぐれだけど?」


 悪意が人を助けることもある。



「しろきしさまがねー、たすけてくれるの!」


「…………」


 少年は本物の『英雄』になる。



「そっか……。僕はいつの間にか、そんなことも忘れていたんだな……」


 魔王が思い出した『六道』の真理とは。



「くっはっはっはっは! やっと取り戻したぞ、俺の精神を! 肉体を! 能力を! 神に奪われた全てを!」


 龍神が完全に復活した。




「久し振りだな、我が兄弟。ウロボロスよ」


「何で生きてやがる、ファフニール!」


 追放されたはずの『大罪』と消滅したはずの『慈愛』。有り得ない再会が起こっていた。




「よお、クソ野郎」


「あれ? リョーマとえっと……」


「お久し振りッス、皆さん」


 四人の転生者は再会した。


 しかし。


「俺は、本当は……」


 何者でもない少年は、答えをまだ見つけられずにいた。





次回、最終章『戦争編』スタート



バイトと講義が忙しいので、今年はこれが最後の投稿になります。

来年は週一ペースが守れるといいけどなあ……。

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