第31 フェイクロード
絶叫と足音が反響する不気味な通路。一歩先も見えない暗闇が続く中、パーティの士気は限界に達しようとしていました。
しかし、そんな絶望的な状況こそ、リーダー・ミドリの「直感(という名の迷走)」が光る時!
バラバラに散らばった一行を待ち受けていたのは、恐ろしい罠か、それとも……?
レベルアップして「知性」と「野生」を兼ね備えた、あの小さな相棒との再会劇をお楽しみください!
絶叫と足音が反響する中、一行は広い通路の先にある「三本の分かれ道」へと辿り着いた。
「ここは、みんなバラバラで行こう! 何かあったら引き返す、わかったね!」
ミドリの号令に、各々が走り出す。
「左からいい匂いがする! 腹減ったーー!」と叫ぶオゥクと、それを追うヤフー。
「呪文がなくても、この杖でぶったたけば大丈夫っしょ!」と右へ消えるチンパン。
そしてミドリとアオは真中の道へ。
しかし――。
「……あれ?」
数分後。猛スピードで走っていた三組は、前方の広場で正面衝突した。
「「「「ぎゃふんっ!!」」」」
「ちょっと、なんであんたたちが右から来るのよ!?」
「いや、俺たちは左に行ったはず……」
アオが周囲を見渡し、呆れたようにため息をついた。
「……ミドリ殿。ここは三本の道に見えて、実は円を描いて戻ってくる一本道……ただの『フェイクロード』じゃ」
全員がガクッと膝をついた、その時だった。
暗がりの向こうから、一匹の小さな影がトコトコと歩み寄ってきた。
「キュイッ?」
それは、愛嬌たっぷりの瞳をした子竜――バックだった。
ミドリ「おお〜バック無事だったんだ〜!」
バック「ミドリさんご無事で!」
ミドリ「はっ?喋ってる!!」
バックはLevel32になり、賢さが爆上がり、喋れる用になっていた。
一同「おお〜すごい!!」
バック「キュイ〜ミドリ〜!!僕は空から落ちて、冥界のコモドドラゴンに襲われたんだけど、何とか倒して、共食いして回復してミドリ達を探していたら、地面に黒い渦が合って、吸い込まれちゃて、ここに来たんだキュイ!!」
バックは警戒する様子もなくミドリに近寄ると、あろうことかその立派な角を、愛情たっぷりにレロレロとなめ回し始めたのだ。
「モ、モウ~! こら、くすぐったいよぉ!」
絶望的なダンジョン攻略の最中、ミドリの角をめぐる、奇妙で平和な時間が流れ始めたのであった。
いかがでしたでしょうか。
三本の道が実は一本の円だったという「フェイクロード」。アオの冷静な分析がなければ、一行は今もダンジョンを無限に走り続けていたかもしれません。
そして何より、再会したバックの成長(?)には驚かされましたね。
「共食い」という壮絶なサバイバルを経て賢くなった彼が、最初にしたことが「ミドリの角をなめること」というあたり、どれだけミドリが大好きだったかが伝わってきます。
殺伐としたダンジョン攻略の合間に訪れた、レロレロと甘い(?)ひととき。この奇妙な絆が、今後の冒険にどう影響するのか……それはまた次のお話で。




