第28話 豚バラ肉の冥界煮込み
冥界に散らばった仲間を探すミドリと、最強の助っ人チンパン。
次なる仲間、豚のオゥクが発見されたのは……なんと巨大な「五右衛門風呂(鍋)」の中でした!
しかも、本人は極楽気分で「追い昆布」まで要求している始末!?
山天狗たちのメインディッシュになる前に、ミドリたちはこの「最高に話がわかる具材」を救い出すことができるのでしょうか。
命がけの「豚バラ救出作戦」、スタートです!
「……いた。あそこよ」
チンパンがスカウターのレンズをスライドさせ、岩陰から指をさす。そこには、巨大な岩をくり抜いたような「五右衛門風呂」が鎮座していた。
モクモクと立ち上がる湯気。そして、そこから聞こえてくるのは……。
「ふい〜〜……。冥界って寒いと思ったけど、いいお湯があるモニュねぇ……。極楽〜。ごっつあっんです!!……」
極楽なのはお前の頭だよ!とミドリが突っ込む間もなく、その「風呂」の周りを取り囲む影があった。
姿が山伏の服を纏ている背中には漆黒の翼。鼻が高く突き出した、冥界の怪物――モンスター「マンテンデビル(山天狗)」**の群れだ。
彼らは大きな団扇で火力を調整しながら、熱心に鍋の様子を伺っている。
「……なぁ、そろそろ『出汁』出たか?」
「おう、いい感じに脂が浮いてきたぞ。この豚、自分で飛び込んできて『追い昆布』まで要求してきやがった。最高に話がわかる具材だぜ」
山天狗たちは、もはやオゥクを「客」ではなく「極上のメインディッシュ」として、愛おしそうに見つめていた。
「オ、オゥクのやつ……! 自分から煮込まれに行ってるモゥ!しかもセルフで出汁取ってる場合じゃないよ!」
ミドリが蹄を震わせて叫ぶ。
「……ねぇミドリ。あいつ、本当に仲間? ただのイカれポンチなチャーシューじゃないの?」
チンパンが引きつった顔で杖を構える。
「済まない。チンパンさん。あいつ、食い意地が張りすぎて自分が食われる側に回ってることに気づいてないんだ!」
「ちっ、手間のかかる具材ね……。一気にいくわよ!」
詠唱「…ベロニカノカミヨヘドロヲハキダセ…」
『ポイズンブレス』!!」
チンパンが杖を振ると、彼女の口から(!)紫色の煙が勢いよく吐き出された。
「ゲホッ!? なんだこの煙は!」「目が、目がぁぁ!」
慌てふためく山天狗たち。
その混乱の中、オゥクだけは呑気に首までお湯に浸かったまま、
「おやぁ? なんかお湯の色が紫になってきたモニュ。バスクリンかな? お洒落モニュねぇ」
「お洒落じゃなねぇーよ!バカ豚がぁぁぁーっ!!」
ミドリは、大量のコンクリートをぶつけ、マンテンデビル(山天狗)諸共吹き飛ばした。
ドッゴッッンン!!
五右衛門風呂を破壊した。
すると大量のお湯が溢れ出し、中に豚がいた。
「お前?なにやってんだ!豚汁鍋で食われるとこだったんだぞ!」
「なんだミドリくんじゃないか、あれ?」
チンパン「これは、奴らの催眠にかっかってたらしいわね!」
ヤフー「ここは、僕に任せて!
催眠?そうか!?いつものオゥク下りだったから、勘違いしちゃった、俺が今助けてやる!」
ヤフーが素早くオゥク元へ、足場の悪い石垣をヒョイヒョイ動きオゥクの近くまでいくと頭の額にくちばしをブッ刺した。
プシュー。血が噴き出す。
「むおおお〜」怒れるオゥク。ヤフーを掴み投げ飛ばす!
ヤフーは(【スキル】風を読む)を使い、風を纏わせ衝撃を逃がして、ダメージを防いだ。
オゥク「……頭の痛っ、ごっつあんです!あれ?俺はいったい?美味しい食べ物に釣られて歩いていたら、眠くなって?覚えてないやブゥ〜。」
ミドリ「良かった!催眠が解けたみたいだ。」
チンパン「もう、問題児ねぇ。」
こうして、ミドリの子竜と古竜を勘違いした、チンパンは最悪の状況を引き起こす事はこの時、予測できなかった。
その時、チンパンの【スキル】予感が、起こった。
「あれ?頭の中に」目を瞑るすると「わぁぁ!!」
騒然とするチンパン。
するとミドリの前に、謎のアイテムが出現した。
ボン!白煙が爆発した。
ミドリはアイテム【逆鱗】を手に入れた。
「チンパンこれ、何?」
「さぁ?予感が当たらなければ、大丈夫じゃない!」満面の笑みを浮かべた。
こうして悪い予感を感じながら、一行は、次の子竜探しに向け、旅立ました。
第27話をお読みいただきありがとうございました。
オゥク、無事で……いや、少し血は出ましたが、なんとか正気を取り戻しました。
催眠のせいなのか、素の食い意地のせいなのか判別不能なところが彼らしいですね。ヤフーの「くちばし刺し」も、もはや愛情表現(?)に見えてくるから不思議です。
そしてラスト、チンパンのスキル『予感』が発動しました。
「小竜」と「古竜」を勘違いしたまま進む一行に、一体どんな「最悪の状況」が待ち受けているのか……。
次回、第28話。物語が大きく動き出します。お楽しみに




