第17話:ネテロ火山
灼熱の地「ネテロ火山」を舞台に、一行のモチベーションは開始早々マイナス(氷点下)!?
そんな絶望的な空気の中、アニーの弟・バニィとの再会が物語を意外な方向へと加速させます。
ミドリが10000回の咀嚼の果てに辿り着いた「新境地」とは……?
ギャグと熱気が入り混じる、爆走の第16話をお楽しみください!
「ネテロ火山」のふもと。
じりじりと照りつける太陽と、足裏から伝わる暴力的な地熱。
これから標高2000メートルの活火山を登らなければならないという現実に、一行のモチベーションは「0」を突き抜け、マイナスに突入していた。
そんな折、山道の脇で一匹のデビルホースが草を食んでいるのを発見した。
アニー「……あれ? デビルホースがいるぞ。俺より馬体がガッシリしてやがる。いい脚色だ、草原なら風になれそうだな」
ミドリ「モウ〜(……ん? アニーが言ってた弟じゃないか?)」
アニー「おお! 弟のバニィじゃないか! こんな地獄の入り口みたいな所で会えるとは!」
デビルホース族は「速く走る」ことに異様なプライドを持っており、このバニィもかなりの天狗気味だった。
バニィ「あ、兄ちゃん! ごめん、ぼく走るの速すぎて、兄ちゃんを振り切っちゃったよ!」
アニー(…久々に会って、秒でイラッ。我が弟よ…)
「それより、こんな熱い所で何してる?」
バニィ「この山には『大疾草』っていう、食べると加速する草が生えてるんだ。兄ちゃんたちも食べにきたの?」
ミドリ「モウ〜(速く動けそうな草か……。腹減ったし、ちょっと興味あるな)」
アニー「いや、俺たちは『ファイヤポテト』を採りにきたんだ」
その瞬間、バニィの顔から余裕が消え、眉間に深いシワが刻まれた。
バニィ「正気!? ポテトは火山口にあるけど、そこは『ファイヤタイガー』の縄張りだよ! 兄ちゃんたち、ジャガイモを採る前に、自分がエサになっちゃうよ!」
オゥク(涎を垂らしながら)「ブゥ〜(食べたい……焼きたてのファイヤポテト……)」
ヤフー「ヤフー(この豚、食欲のためなら死も恐れないな)」
アニー「大丈夫だ。俺たちにはミドリくんがいる! この牛からは、ただの家畜じゃない不思議な『神気』を感じるんだ。俺たちはミドリくんを信じてる!」
ミドリ「モウ〜!(……おい、俺を買いかぶりすぎだ。元は畜産農家の牛だぞ。お前らと同じ家畜だよぉ〜!)」
ミドリの瞳から、情けなさと感動が入り混じった涙が滴る。
その時、牛の本能が目覚めた。垂れた首の先に、光り輝く草があったのだ。
バリバリ、むしゃむしゃ……(……この草、うめぇ!)
【生活ログ】
ミドリは「草」を10000回咀嚼した!
直後、ミドリの身体が神々しい黄金の光に包まれ、肉体がひと回り巨大化していく!
バニィ「わわわっ! それ『ピカ草』だよ! 食べるとすごい力が出るけど、エンカウント率が3倍になる呪いの草だ! 僕、逃げるね! バイバ〜イ!!」
アニー「くそっ! 逃げ足だけは速い弟め! 恩を仇で返しやがって……アイツの方がよっぽどモンスターだぜ!」
一方、覚醒したミドリは止まらない。
ヤフーと「ほね」を顎で使い、サンダーの村からこっそり拝借していた「ゴム壁の破片」と「自分の強力な粘液」を合成し始めた。
はり、はり、カンカン、ドゴォォォン!!
【ログ】
ミドリ:新スキル『コンクリート』を習得!
ヤフー&ほね:コンビスキル『DIY』を習得!
「爆走・耐熱牛車」が完成した!
アニー「ま、眩しい……! ミドリくん、一体何を作ったんだ!?」
ミドリ「モウー!!(全員乗りな! このパワー、抑えきれねぇ! 行くぜぇ!!)」
一行を乗せた牛車が、前傾姿勢になったミドリの爆発的な脚力で射出される。
「ドドドドド!!」
猛スピードで急勾配を駆け上がる! 景色が線になり、摩擦熱で牛車のタイヤ(コンクリート製)が火花を散らす。
「ハァ……ハァ……よし! 着いたぞ!」
オゥグ「ブゥ〜(死ぬ……三途の川でポテト焼いてるのが見えた……)」
ヤフー「ヤブぁい……衝撃で『ほね』がバラバラになっちゃったよぉ……」
ガラガラ、カチッ!
ほね「ホネ〜(セーフ! 組み立て完了!)」
アニー「着いたな! さあ、ミドリくんはどこだ!?」
ミドリは勢い余って、ファイヤタイガーの縄張りのド真中へ来てしまったみたいだ。
さぁ、ミドリたちの運命は如何に!
ミドリ「モウ〜!!(……やべぇ。これ、完全なデリバリーお届けしました!じゃない!?)」
火山口に響き渡る、肉食獣の低い唸り声。
ミドリたちの運命は、いかに!
感動の(?)兄弟再会から一転、ミドリくんの「コンクリート」習得、そしてDIYによる強引な登山突破と、情報量の多い回となりました。
しかし、着いた先は「ファイヤタイガー」のディナー会場(縄張り)のど真ん中……。
エンカウント率3倍の呪い(ピカ草)が牙を剥く中、果たしてミドリたちは無事にファイヤポテトをゲットできるのか!?
次回、絶体絶命の火口バトルにご期待ください!




