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転生したら牛だった!モゥ〜異世界で家畜になる件  作者: 昼間 ネル
第2章 クエスト 編

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17/32

第17話:ネテロ火山

灼熱の地「ネテロ火山」を舞台に、一行のモチベーションは開始早々マイナス(氷点下)!?

そんな絶望的な空気の中、アニーの弟・バニィとの再会が物語を意外な方向へと加速させます。

ミドリが10000回の咀嚼の果てに辿り着いた「新境地」とは……?

ギャグと熱気が入り混じる、爆走の第16話をお楽しみください!

「ネテロ火山」のふもと。

じりじりと照りつける太陽と、足裏から伝わる暴力的な地熱。

これから標高2000メートルの活火山を登らなければならないという現実に、一行のモチベーションは「0」を突き抜け、マイナスに突入していた。


そんな折、山道の脇で一匹のデビルホースが草を食んでいるのを発見した。

アニー「……あれ? デビルホースがいるぞ。俺より馬体がガッシリしてやがる。いい脚色だ、草原なら風になれそうだな」


ミドリ「モウ〜(……ん? アニーが言ってた弟じゃないか?)」


アニー「おお! 弟のバニィじゃないか! こんな地獄の入り口みたいな所で会えるとは!」


デビルホース族は「速く走る」ことに異様なプライドを持っており、このバニィもかなりの天狗気味だった。


バニィ「あ、兄ちゃん! ごめん、ぼく走るの速すぎて、兄ちゃんを振り切っちゃったよ!」


アニー(…久々に会って、秒でイラッ。我が弟よ…)

「それより、こんな熱い所で何してる?」


バニィ「この山には『大疾草だいしっそう』っていう、食べると加速する草が生えてるんだ。兄ちゃんたちも食べにきたの?」


ミドリ「モウ〜(速く動けそうな草か……。腹減ったし、ちょっと興味あるな)」


アニー「いや、俺たちは『ファイヤポテト』を採りにきたんだ」


その瞬間、バニィの顔から余裕が消え、眉間に深いシワが刻まれた。


バニィ「正気!? ポテトは火山口にあるけど、そこは『ファイヤタイガー』の縄張りだよ! 兄ちゃんたち、ジャガイモを採る前に、自分がエサになっちゃうよ!」


オゥク(涎を垂らしながら)「ブゥ〜(食べたい……焼きたてのファイヤポテト……)」


ヤフー「ヤフー(この豚、食欲のためなら死も恐れないな)」


アニー「大丈夫だ。俺たちにはミドリくんがいる! この牛からは、ただの家畜じゃない不思議な『神気』を感じるんだ。俺たちはミドリくんを信じてる!」


ミドリ「モウ〜!(……おい、俺を買いかぶりすぎだ。元は畜産農家の牛だぞ。お前らと同じ家畜だよぉ〜!)」

ミドリの瞳から、情けなさと感動が入り混じった涙が滴る。


その時、牛の本能が目覚めた。垂れた首の先に、光り輝く草があったのだ。

バリバリ、むしゃむしゃ……(……この草、うめぇ!)

【生活ログ】

ミドリは「草」を10000回咀嚼した!


直後、ミドリの身体が神々しい黄金の光に包まれ、肉体がひと回り巨大化していく!


バニィ「わわわっ! それ『ピカ草』だよ! 食べるとすごい力が出るけど、エンカウント率が3倍になる呪いの草だ! 僕、逃げるね! バイバ〜イ!!」


アニー「くそっ! 逃げ足だけは速い弟め! 恩を仇で返しやがって……アイツの方がよっぽどモンスターだぜ!」


一方、覚醒したミドリは止まらない。


ヤフーと「ほね」を顎で使い、サンダーの村からこっそり拝借していた「ゴム壁の破片」と「自分の強力な粘液」を合成し始めた。


はり、はり、カンカン、ドゴォォォン!!


【ログ】

ミドリ:新スキル『コンクリート』を習得!

ヤフー&ほね:コンビスキル『DIY』を習得!

「爆走・耐熱牛車」が完成した!


アニー「ま、眩しい……! ミドリくん、一体何を作ったんだ!?」

ミドリ「モウー!!(全員乗りな! このパワー、抑えきれねぇ! 行くぜぇ!!)」


一行を乗せた牛車が、前傾姿勢になったミドリの爆発的な脚力で射出される。


「ドドドドド!!」


猛スピードで急勾配を駆け上がる! 景色が線になり、摩擦熱で牛車のタイヤ(コンクリート製)が火花を散らす。


「ハァ……ハァ……よし! 着いたぞ!」

オゥグ「ブゥ〜(死ぬ……三途の川でポテト焼いてるのが見えた……)」

ヤフー「ヤブぁい……衝撃で『ほね』がバラバラになっちゃったよぉ……」

ガラガラ、カチッ!

ほね「ホネ〜(セーフ! 組み立て完了!)」

アニー「着いたな! さあ、ミドリくんはどこだ!?」


ミドリは勢い余って、ファイヤタイガーの縄張りのド真中へ来てしまったみたいだ。


さぁ、ミドリたちの運命は如何に!


ミドリ「モウ〜!!(……やべぇ。これ、完全なデリバリーお届けしました!じゃない!?)」


火山口に響き渡る、肉食獣の低い唸り声。

ミドリたちの運命は、いかに!

感動の(?)兄弟再会から一転、ミドリくんの「コンクリート」習得、そしてDIYによる強引な登山突破と、情報量の多い回となりました。

しかし、着いた先は「ファイヤタイガー」のディナー会場(縄張り)のど真ん中……。

エンカウント率3倍の呪い(ピカ草)が牙を剥く中、果たしてミドリたちは無事にファイヤポテトをゲットできるのか!?

次回、絶体絶命の火口バトルにご期待ください!

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