サキュバスVSエルフ
高歩合制の導入で士気のあがる嬢たち。
エルフはエルフで、サキュバスはサキュバスで上位をねらうためしのぎをけずる
一方ホールでは。
「ヒロも普通に戻ってよかったでありんす。この仕組みなら、わっちの儲けはさらに増えるに違いないでありんす。」
「これで、タワマンが買えるのお。バスローブを着て最上階に住むのが楽しみじゃ。」
ビアンカは、タワマンを買った後の皮算用に余念がない。
「まあ、私のトップは変わらないけどね。サキュバスの本領発揮というところ。」
「サキュバスに負けるわっちではありんせん。エルフの本気を見るでありんす。」
バチバチと火花を散らせる、エルフVSサキュバスその他の亜人。ハーフエルフのビアンカはその他に分類されている。
翌日。フロアには現役の時のドレスを着たテレサの姿があった。大人の女性らしい、黒を基調としたレースのドレス。
ピンク色の長い髪は綺麗になでつけられていた。背中のスリットからは悪魔族特有の小さなコウモリのような羽が見える。
「ヒロおはよう。」
夜の世界の挨拶はいつの日もおはようだ。
「おはよう。懐かしいな、お前のドレス姿。俺は老けちまったがお前は変わらないな。」
「ほめても何も出ないよ。」
「本当にそう思ったんだよ。」
「えっそうなの」
俺とテレサが現役の時は今から6年位前だ。
その間俺は体系を崩し、白髪も増え、すっかりおっさん化していたが。彼女は今でも10代後半か二十歳くらいに見える。
それは彼女が亜人だからなのだからだ。けれど、彼女は付け回しになってからも、東京のジムに行ったりヨガをしたり、食事にも気を配っていた。
よく
「女は見た目が9割」
と自分に言い聞かせていた。当時の彼女は2位に大きく差をつけ、トップを独走していた。
テレサは相当稼いでいたが、ホストやブランド物に使うことはほとんどなく。ほとんどの金を・…。
「おはようございます。」
突然、サキュバスグループの何人かが入ってきた。
「今日は接客の基本を教えようと思ってね。」
「おはようごさいます。」
「じゃあさっそく始めようかしら。」
彼女はフロアの一角に亜人を集め、フロアボードに何か書きだした。
そして、そこに指名されるテクニック
「第一ステップから四のステップがあるわ。みんなしっかりメモしてね。」
コクリコクリとうなずく亜人たち。
「おはよう。もうはじまっとるのお」
ビアンカも参加するのか。まあてっぺん取るとか言ってたしな。
「ビアンカ、今日はいいけど、遅刻は厳禁だから、いい?」
「はい。」
あいつが大人しく言うことを聞くのを初めてみた。俺に対しては生返事なのに……。
「まず、女は愛嬌。皆さん笑顔を作ってみてください。お互いに見合って。」
サキュバスたちはお互いに笑顔を作る。だが、硬い。
「私たちサキュバスは何もしなくても男をたぶらかせるけど、それでは指名を貰えません。
大事なのは愛嬌。そして笑顔。」
「大好きな人を想像してその人のことを想像して。」
「テレサ質問なんじゃが?」
「何でしょう?」
「相手が加齢臭のするチビおっさんでも笑顔でいかないといかんのか?」
「大事なのは見た目ではないわ。ビアンカ……金を持っているかよ。」
その露骨すぎる返答に俺はちびりそうになった。小便ではない、でかいほうだ。
いくら何でも露骨すぎだろ。
「男はATMと思いなさい。あなたたちはそこから金を引き出すの。その方法を教えるわ。」
男はATM……。まあ、俺もどこかで女に夢見ていたのかもしれないな。
自国の沙汰も金次第ってか。
「おはようでありんす。」
驚いたことにティファニアが同伴なしで出勤してきた。
「ティファがこの時間とは珍しいな。さては同伴にすっぽかされたか?」
「これだから雇われ店長は困るでありんす。わっちの誘いを断る男などいるわけないでありんす。」
「じゃあなんで、早く来たんだよ。」
「そんなのエルフ族が他の亜人に勝てるように、するためでありんす。主は頭がわるいの。」
コイツ・…。まあ、俺はこれでもFラン大学の商学部を出たんだぞ。
やめよう、自分で言ってて悲しくなってきた。
エルフのスタッフが続々と入ってきた。フロアの端。ちょうどサキュバスたちとは反対のところでエルフ族の秘密のミーティングが始まった。
「今月の売り上げでエルフが勝つには、作戦が必要でありんす。」
「付け回しのババアより、現役のぬしたちエルフが優れていることをわからせてやるでありんす。」
サキュバスは、サービスを向上させる方向で。それを、迎え撃つエルフ族は他の亜人とは違う高級で高根の花を目指すようだ。
二つの真逆の価値観が激突するわけだ。
クレア
「ブックマークして、お客さんもキャバクラ・エデンを楽しんでいってくださいな。」




