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襲撃 その1

こんなに早く投稿できるとは思っていなかったです。

 

  バーン


 一発の銃声が教室に鳴り響いた。騒がしかった教室がそれを気に静寂とかした。

 

 つい数秒前、覆面を被った細身の男と太身の男の2人組が教室に現れた。その異質な2人組を不審に思った教師が説明を求めようとすると1人が懐から銃を取り出し、天井に向かって発砲した。


「この学校は我々が占拠した。大人しくしておけ、でないと命はない」

「携帯で外に連絡しようとしても無駄だからな。電波はジャック済み。ということでこいつの言う通り大人しくしとけ」


 同様なことは全ての教室で行われていた。授業で教室外にいた生徒は全員体育館に移動させられ、拉致されていた。


 これを指示、そして計画した者達はテロリスト。それも世界でも5本の指に入る勢力を持つ組織だ。


「お前達に危害を加えることは今のところない。だが・・・」

「どうした?おぉ!」


 男達の視線がある生徒に釘付けになった。


 ゆるふわな金髪をなびかせ、この状況にもかかわらず眠たそうに窓の外を眺める、絶世の美女だった。


 男達の視線に気がついた美女は男達に目を向けた。男達は自身の体温が上がるのを感じた。見る者全てを虜にする妖艶さが彼女にはあるのだ。


 男達は羽虫が街頭に誘われるように、彼女に近づいていく。


 が正気に戻ったのか。細身の男は動きを止めた。しかし太身の男はそのまま彼女の前まで行く。


「お前みたいな絶世の美女は俺の人生で初めてだ。俺と遊ばないか?」

「おい!今は作戦遂行中だ!そんな勝って許されるわけないだろ!」

「うるせぇ!俺に指図するな。で、どうなんだ?」

「そんなの嫌に決まっています」


 女は辟易とした顔で答える。そんな彼女に男はイラついた様子。


「状況がわかっていないようだな。もう一度言うぞ、俺と遊ばないか?拒否すればこの中の誰かを殺す」


 その発言に教室に居るものは彼女以外全員身を強張らせた。

 そして彼女は顔を少しうつむかせた。それを見た男はいやらしい顔を浮かべた。


「お前が拒めばどうなるかわかっただろ?だから俺についてこい。そこでたっぷり可愛がってやる」

「おい!お前が抜けたら---」

「お前1人で何とかなるだろ!そんなこともできないのか!」

「怒鳴っている中失礼しますが、私はあなたみたいな男に犯されるつもりはありませんよ」

「本当に状況がわかっていないのか?ならーーー」


 太身の男は女の腕を強引に掴もうとするが、するりと躱される。


「てめぇ!!」


 男は銃を女に向け、そのまま引き金を引いた。バリーンッ!女の後ろの窓ガラスが派手に割れる。


「最後の警告だ。次は当てるぞ。それかお前以外の奴の命が失うかもな」


 そんな脅しをした男だが女を殺すつもりなんて毛頭ない。こんな美女はこれから先会えるかどうかわからない。そんな女を殺すわけがない。


 男は女を犯す想像で笑みを浮かべるが、女の何の感情も浮かべていない無機質な瞳が男に向けられる。その瞳で否応なく理解させられた。眼中にない、と瞳がそう語っている。


「くそがきが!」


 男は女の足に至近距離から銃を浴びせた。だが、銃弾は女の足には当たらず後方の割れた窓に消えていった。


 男は不可思議な状況に戸惑いを隠せない。それはもう1人の男も同様。太身な男の身勝手な行動は今に始まったことではないが、あの距離で外すほど太身の男は落ちぶれてはいない。


「それで終わりですか?」

「っっっっ!」


 男は何かに得体の知れない恐怖に無我夢中で引き金を引き続ける。それに合わせて細身の男も女に向けて発砲する。


 教室中から悲鳴が上がる。生徒、そして教師は頭を下げて伏せた。


 男達は何度も何度も引き金を引くが女には一発足りとも当たらない。不自然に銃弾が軌道を変えて良からぬ方向に飛んでいく。


 その連続した発砲音に他のクラスの制圧している仲間が集まって来る。


「お前ら何をしているんだ!出来るだけ発砲はするなと言われただろうが!」


 怒号がこだまする。その声に男達はビクリとし、銃撃をやめた。


 合流した男は驚いた。彼らの顔に恐怖が貼りついている。自分達は恐怖を振りかざす側の人間なはず、しかし彼らは恐怖を感じているのだ。


「ここに来たのは3人。合わせて5人ですか。確か襲撃して来たのは70人程でしたよね。ラプラシアンさん?」


 息を飲む。その確信めいた言葉に男達は驚きを隠せない。

 しかしこの中でリーダーと思われる男は驚きをすぐに隠す。


「はてラプラシアンとは何のことだろうか?」

「誤魔化してもいいのですが、結果は何も変わりませんよ?」

「・・・それはどう言う意味だ?」

「貴方達の目的は達成できないということです」


 リーダーと思われる男はその言葉に笑いそうになる。この計画が失敗に終わるはずがない。奥の手だってある、男はそう思う。


 だが、女は我々組織を知っているのだ。そんなことを知れる人間が普通なわけがない。

 そのことに男も恐怖が湧き上がって来た。絶対に組織のことを知れるわけがないのだ。それなのにこの女は簡単に言ってのけた。


「もうこれ以上貴方達に付き合っても得られるものはなさそうですね。下手なことをして申し訳ありません」


 女は綺麗なお辞儀をした。そのお辞儀に男達はチャンスだと思いながらも美しい所作に魅入ってしまった。


 しかしすぐに我に帰った男は彼女に向けて発砲しようとするが、強烈な目眩を感じて引き金を引けなくなった。

 同様な症状は仲間にも見られる。細身の男は立っていることも出来ず、頭から倒れて横になっている。


「い、一体どういうこと、だ」

「それは知らない方がいいです。では良い眠りを」


 男達は全員床に倒れた。白目を向けて。


(実力を知りたくて長引かせましたが全然でしたね。地球での初めての実戦でしたが問題なさそうです。ご主人様は何をしているんでしょうか?)


 絶世の美女、ユナはそんなことを思いながら教室を後にする。


「ユ、ユナさんあなたは一体何者ですか?」


 授業を担当していた教師が去ろうとしたユナを止める。

 ユナは振り向いて一言だけ


「ちょっとお花を摘みに行ってきます」


 そして、教室を去った。教師の問いに答えないままに。







 ユナがテロリストと対峙している同時刻、1年のある教室にて。


 ユナのクラスと同様にテロリスト達は教室を占拠した。ただし違うのは2人ではなく3人、そして1人の男が覆面をしていない。その男は先程まで普段通り授業をしていたのだが、テロリストの男の1人に何かを囁かれると顔を青ざめさせ全身から震えが現れた。


 そしてテロリストから銃を受け取り生徒へ向けたのだ。それからその教師がテロリストと同じように教室を監視している。


 彼らは発砲はしていないが銃を常に向けている。しかし銃声がどこからか聞こえ、その音に生徒達は身を強張らせている。しかし声は発せない。発せば撃つと言われている。女生徒のうち数名は制服の裾を噛んで悲鳴を抑えていた。


 その状況がしばらく続くと思われたのだが、連続した発砲音にテロリスト達が困惑する。


「何故、こんなにも発砲する必要があるのだ?」

「わかんねぇ、が予期せぬ事態があったってことだろ」

「それしか考えられないか。様子を見てくる。お前はここにいろ」

「へいへい」


 テロリストの1人は教室を後にし、発砲音がした方に向かった。


「通信した方が場所の特定が早いだろ。なんのための

 通信機だっての」


 呆れたのか、男は可哀想な目を教室の外へ向けた。その様子に教師はどうしたら良いのか分からず、テロリストの男に視線を向ける。


「ああっと、そのまま監視してくれればいいよ」

「・・・わかりました。だから---」

「わかってるって、手は出さない」


 その言葉に教師は心底ホッとした。彼はテロリスト達に家族を人質に取られている。その事を教えられた彼は素直にテロリストの言う事を聞くしかなかったのだ。


 そんな教師に目を向けた後、男はずっと気になっていたある生徒の元へ向かった。


「おい、そろそろ起きてもいいんじゃないか?」

「zzz」


 その生徒はこのテロが起きてからずっと眠っているのだ。それも上手い具合にテロリストの死角になるような場所で眠っていた。なので教室を出て行った男は気づいていなかった。がもう1人は気づいていた。


「お前みたいな図太い奴は初めて見た。だから面を見せてくれ」


 男は眠っている女生徒の頭を無理矢理掴み起こそうとしたのだが、彼女の頭が目にも止まらぬ速さで横に動き男の手から逃れた。


 そのおかしな光景に男だけでなく周りの生徒達も唖然とした。しかし生徒と男では驚きの度合いが違う。なぜなら男だけは見えていた。ほんの一瞬、視線が男を貫いたときに彼女の整った美しい顔を見た。先の寝ている姿からは想像のできないほどの美少女だ。白髪でただでさえ目立つのに彼女自身が絶世とつく美少女。


 男は下半身を大きくし興奮を抑えきれない。自分は高校生のような子供には興味がないと思っていたが彼女は別だ。こんな少女を前にしたら誰だって興奮を抑えきれないはずとそう自分に言い聞かせる。俺はロリじゃないと。


「ちょっと俺に付き合え」


 男は先のようなミスを犯さないよう警戒して女の腕を掴もうとするが、また躱された。


 男はすかさずまた腕を取ろうとするが、すべてかわされてしまった。男はいらついてきたのか、こめかみにシワが寄っている。


「・・・さっきから、何?」


 うつむせになっていた女がむくりと起き上がる。男は再度認識した。超絶美少女と。


「俺についてこいって言ってるんだ」

「断る!」

「お前はこの状況がわかっていないのか?俺の手にあるものが何かはわかるだろ?」



 男は銃を女に向ける。その光景に生徒達が息を飲む。

 そんなことはお構いなしなのか、女は少し考える素振りをする。うーんとうなり、答えをひねりだした。


「麦茶?」

「何で銃が麦茶に見えんだよ!まず液体と固体の時点で大きく違うだろうが!」

「日本の言葉は難しい」

「そういうレベルの間違いじゃねぇよ!」


 男はこのやり取りのアホらしさに気づいて、げんなりする。


「もういい、とりあえず死にたくなかったら大人しくついてこい。おい、そこの教師」

「っはい!」

「このまま監視を続けておいてくれ。俺はちょっとばかり楽しんでくるから。わかっていると思うが変なことは考えるなよ」


 教師は首をすごい勢いで上下させた。テロリストの男はその様子に笑みを浮かべる。そして女の腕を乱暴に掴む。女は教師の悲しく、そして悔しそうな姿を見ていたため反応が遅れてしまった。


「早く立て。保健室でも行こうか」

「私の腕を掴んだ。有罪ギルティ。」

「は、お前は何を言ってーーーはふ」


 男は奇妙な声を上げて床に突っ伏す。

 女は男に刺した棘を抜き、刺した時と同じくまわりに気づかれないようポケットにしまう。


「先生」

「っ、は、はい」


 突然倒れた男に状況がわからず、教師は困惑している。それは周りの生徒も同じ。昨日会ったばかりの転校生がテロリストに連れて行かれそうになり、自分たちは何もできないと心で嘆いていたのだが、テロリストの男が突然倒れて、「一体どういうこと」とみんなの頭の中にははてなマークが浮かんでいた。


「クロがあなたの大切な人を助けてくれるから、必ず」

「え」

「だからこれは預かっておく」


 そういうと少女は教師の前に瞬間移動もかくやのスピードで近づき、彼の持っている銃を奪った。


「それでは私はこれで。さらば」


 そういうと少女、シロは銃を片手に教室を出て行った。


 教室には生徒と教師がポカーンとした表情で固まっていた。





次回も2日後とかに投稿したいですが、土日は忙しいためおそらく月曜日ぐらいになると思います。


それとブックマーク、評価お願いします。してくれるとやる気マンゴスチンです。

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