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まあ、後々生まれてくる曾孫がまさかそれに苦しめられるなんてことがあるなんて誰も思わなかっただろう。
「私が行くことはないとは思うのですが、他にも勇者の像があるのですか。」
「ありますよ。王都内に限らず他国でも活躍をされているのは存じてるとは思います。
フォルトレス帝国の王国に近いケルヴァ地方に一箇所。
ウェナス国の首都にも一箇所。
この両国とは以前戦争をし敵対していましたが、勇者様の魔王討伐により、和平会談を行い、現在は同盟国となりました。勇者様の銅像はその象徴ですね。
王国内には先ほど申し上げた二箇所とウノテー地方に一箇所。
王都には7箇所ほどあり、その一つはこちら王都立歴史図書館の前にあります。」
「……本当に記憶力が良いのですね。」
「お祖父様の影響で、勇者様関連の知識は全て頭にあります。」
「へぇ、私のお祖父様もひいお祖父様の話ばかりするので、絵本とかならソラで読めるようになりましたよ。
お互い大変ですね。」
「大変というほどではございませんよ。
自分の興味ある分野にはとことん追求したいので、逆に感謝しかありません。」
忘れていた、勇者の家系の信者だった。
女神だのなんだの言われたのを思い出し、うげーとなる。
助けてくれた恩はあるし、今も博識ぶりに感嘆していたが、それとこれとは別である。
「仲良くしてるとこ悪いんだけど、持ってきたわよ。」
「アンドレア様……、そちらが貸出記録ですか?」
「ええ、事前に名前を見つけてあるわ。
これ。」
「……フランナ・カナリム。
カナリム家……?
他国の貴族の方でしょうか。記憶にございません。」
「フランナは、先ほど申し上げたフォルトレス帝国出身ですね。亡命という形でこの国にいます。」
アストラが後ろから補足をしてくれる。
アンドレア様と一緒にアストラに目線を向ける。
貸出を担当したにしても、そんな情報をなぜ持っているんだろうか。
「……貴方、まさかフランナに聞いたわけじゃないわよね。」
「そのまさかです。お友達、なので。」
「お友達…………。
…………ああっ……!?」
『そうだね、君にもお友達いるのかな?』
聞き流していたお友達の名前を思い出す。
『うん、いるよぉ。』
「クランツと、ネルソン、テトラ……。
あと……アストラ……。
貴方だったのですね。同名の子供かと。」
「そういえば、子供にやけに好かれてたわね貴方……。」
アストラはニコニコとしている。
わざわざ持ってきてもらった貸出記録がなんの意味もなさなくなった。
「——あれ、待ってください。
今亡命と言いました?」
お友達発覚とともに強烈なフレーズが聞こえてきた.
「ええ、なんでもフォルトレス帝国の方で政治的革命が行われるだとかで国内戦争が起こるかもしれないとかで。」
「…………」
呆然とする。どうしてそんな大事な情報を歴史図書館職員の1人が持っているのか。




