↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
16/17

16.嵐が丘のカメ子

 今日もまた冷たい風が吹きすさぶ。

 私たちのウォールナット・ジャコビアン領はとても日当たりが良いけれども、冷たい風が通り抜けて行くの。


 この前も、アンドリューがローズゼラニウムの葉の裏にしがみついて、必死に吹きすさぶ風から身を守ろうと堪えていた時に、私は同じように隣のローズマリーの枝から落ちた葉の下にオ・カメと一緒に隠れていたのでアンドリューを助けに行けなかったの。


 私がアンドリューの居るウォールナット・ジャコビアン領に戻ろうとした時、オ・カメが言ったわ。


 「お母さん、お父さんは強くて賢いからきっと大丈夫。今ウォールナット・ジャコビアン領に戻ろうとしたらお母さんは飛ばされてしまうよ。だから少しの間、ここで我慢して。今日はもう悪魔はやってこないよ」


 私はあれほど無口だったオ・カメがしっかりと意志を伝えてきたので驚いてしまったの。

 やっぱりアンドリューの息子ね。

 そして、私のかわいいオ・カメ。

 うふふふふふっ、うふふふふふっ。

 つい高貴な笑いがこぼれてしまったわ。


 オ・カメが私の誉め言葉と視線を受けて感動にむせび泣いているようだわ。

 少し震えているみたい。


 オ・カメが言ったわ。

 「ほら見て。緑の者たちが吹き飛ばされているよ。あの実(ミ)の味が忘れられなくてやって来たのだろうけど、こんな風の時にどうして移動したんだろう」


 私はこう答えたの。

 別のあの者たちを蔑むつもりはないけれど、オ・カメに教えたかったのですもの。


 「オ・カメ、緑の者たちはあの実が自分達のものだと思ったら、絶対に他の者たちには譲らないの。だから、あの実の近くに行かないと不安でしょうがないのではないかしら。でもオ・カメ、ああやって沢山の仲間で固まっていると悪魔たちに見つけられやすいのよ。だから決してあそこに近づいてはいけないのよ」


 「お母さん、たとえお腹が空いても、こういう時は我慢しないといけないんだね。あの者たちを見て、僕はそれがわかったんだ。絶対にあれには近づかないよ。こういう時はお腹がすいても我慢する」


 オ・カメったらなんて素晴らしい子なのでしょう!

 最近はどんどん賢さを発揮して、アンドリューと私を感動させてばかりなの。

 私は言ったわ。


 「オ・カメ、本当に素晴らしい子だわ。きっとお父さんのように素敵になるわ、間違いなくそうよ」


 「……」

 

 オ・カメはてれやさんだから、褒めると黙ってしまうの。

 まるで出会ったころのアンドリューを見ているようだわ。

 早くアンドリューとこの感動を語り合いたいのに、ウォールナット・ジャコビアン領に戻るのは難しそうだわ。


 ああああっ!アンドリューが!

 アンドリューがしがみついている葉が、葉ガーーーッ!

 今にも折れてしまいそう!

 ポキリと折れる音が聞こえてきそうで不安だわ。


 私は言ったわ。あのおまじないを。

 ―――ブブブブーブブブーブブッ、ブッ、アナヒロゲ

 ―――ブブブブーブブブーブブッ、ブッ、アナヒロゲ


 「……」

 オ・カメは恥ずかしがって唱えてはくれないけれど、素晴らしいことが起こったの!

 

 アンドリューがしがみついているローズゼラニウムの葉がついにポキリと折れてしまったのだけれど、それが風で飛ばされたの。

 そして、おまじないがきいたみたいなの。

 

 なんと!私たちの居るローズマリーの地にアンドリューと葉が降り立ったの!

 葉にしがみついたアンドリューが私たちのオ・カメの元に飛んできたの!

 

 なんて素敵なのかしら!

 

 「カメ子さん、オ・カメ、カメ子サンンーーーッ!やっと一緒にいられますね。カメ子さんの綺麗な声が聞こえないと悲しくてたまりません」


 「アンドリューーーッツ!良かったわ、心配でたまらなかったの。ここで一緒にこの風を堪えぬきましょう。一緒なら怖くないわ。そしてあの幸せのおまじないをとなえながら眠りにつきましょうね」


 ―――ブブブブーブブブーブブッ、ブッ、アナヒロゲ

 ―――ブブブブーブブブーブブッ、ブッ、アナヒロゲ


 すると、実のなる領地に風があたらないようにしようとして、隣の悪魔が出てきて言ったわ。

 「この野郎!またたかってやがる!くそっ、ガムテープ持ってこい!」


 ガムテープって何かしら?

 私はとても怖くなったの。

 でも葉の下から出るわけにはいかないの。

 そうしたら、緑の者たちのうめき声が聞こえてきたの。

 

 ――ヴフェ~ウゲェ~、ビャ~


 とても下品な声だったけど、急にその声がピタッと止んでしまったの。

 そして悪魔が言ったわ。


 「まとめて始末してやった!このキモス共めが!」


 恐ろしいことだわ。 

 きっと緑の者たちを一度に殺してしまったのね。

 うちの悪魔も恐ろしいけど、うちの悪魔はあそこまで酷いやり方をしてはこないわ。

 きっと、緑の者たちは欲張ったために、いるべき場所を間違えてしまったのね。


 私たちはこのウォールナット・ジャコビアン領を大切にして、優雅に穏やかに生きていくつもりなの。

 アンドリューーーッツとオ・カメと一緒ならきっと大丈夫よ。


 命の輝き、そして高貴な生きざまをね。

 今日も明日も。


   ◇◇◇◇◇


 台風で痛めつけられた緑の者たちを見つけました。


 ワタクシはカメ子と同じでどうも緑の者たちが好きになれないので、生きていて飛ばされているのか、それとも死んでしまった個体が吹き飛ばされたのかわかりませんでしたが、階段下にあおむけで転がっている緑の者たちを沢山見かけました。


 一匹、わずかにもがいているようでしたが、他の個体は全く動きませんでした。

 そのうち、飛ばされるか、あるいは自ら飛んでいくだろうと思っていたら、夕方見た時には既にそこから消えておりました。


 最近、カメ子たちが蜘蛛に捕らえられ、身動きが取れないようにがんじがらめにされた挙句に、バリバリと蜘蛛に食べられてしまう映像をみましたが、本当に残酷です。

 一気に瞬間で食べてくれよと思いますが、少しずつ少しずつ、捕食するのが恐ろしいですね。


 カマキリもそうですが、とんでもなく残酷です。

 

 ワタクシは我が家のカメコが蜘蛛に捕まってしまったら、もしかしたらあの糸を引きちぎって助け出してしまうやもしれません。

 ゴキブリをかわいそうと思うあのお方とは違いますよ?

 ウォールナット・ジャコビアン領で優雅に過ごすカメ子に限り、救命行動を起こそうかと思いました。

 残酷動画の威力は凄まじいですので。


 ――――――――――――――――――


 【今日のおすすめ情報】 

 残酷動画についてですが、カメ子の生態についての知識をYouTubeで得ようなどと思ったのが間違いでした。

 昆虫の(カメ子関連のみのつもりだった)動画を数種、多分その日3~4動画のみ見ただけなのですが、ふとYouTubeの最初のところ『ホーム画面』の所に戻ったら、なぜかおすすめみたいな感じでアレ(蝶のかつての姿)が、YouTubeのヘッダー画像で出てくるようになってしまい、今大変なことになっています。

 おすすめみたいにでてくるのですが、カマキリとかカブトムシのアレ(カブトムシのかつての姿)まで出てきてとんでもないことに!

 今必死でいくつかのジャンルを続けて視聴して、アレらを消そうと奮闘中です。


 おすすめの良情報がないのですが、一昨日、海ぶどうの育成動画を見て感動しました。

 それほど日数もかからず、物凄い量の海ぶどうを収穫できており、海ぶどう好きのワタクシは心が揺れています。

 キットも低価格で売っているようですね。

 多分、今はそれどころじゃないのでやらないでしょうが、あれは本当にすごかったです!

 サイト名を忘れたので記載できずすみません。

 もう夜中なのでテレビつけるのもあれですので、また機会があったら載せますが、色々と飼育したり、栽培したりとか、実験の経過をあげている動画で結構わくわくします。

 蜘蛛の捕食シーンと違って平和なので、最近好んで見ています。


 それではまた。




 


 お読みくださりありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。