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英雄を狩る少女  作者: ジャクロの精霊


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冒険者の都

馬車は石畳の道をゆっくりと進んだ。


夜明けとともに、地平線上に巨大な壁が姿を現し始めた。


ただの街ではなかった。


アルゲストの都。


冒険者ギルドの本部。


ここでは、免許証が発行され、


モンスターが分類され、


英雄が登録され、


報酬が支給される。


そして、噂によれば…


真実もまた消え去るという。


レナは顔を上げた。


「…巨大…」


何千もの冒険者が通りを歩いていた。


剣士。


魔道士。


商人。


僧侶。


様々な地域から来た英雄たちも、巨大なギルドの建物に出入りしていた。


そこは、誰もが群衆に紛れ込める場所だった。


まさにその理由から…


秘密を隠すには最高の場所だった。


セツナは黙って全てを観察していた。


彼女は人々を見ていなかった。


彼女は入り口を見ていた。


窓を。


脱出経路を。


衛兵の交代を。


あらゆる細部を。


ミラは微笑んだ。


「もう始まっているのね?」


セツナは頷いた。


「任務は10分前に始まった。」


レナは驚いた。


「10分前?」


セツナはさりげなく目で示した。


「屋上には3人の見張りがいる。


商人に扮した衛兵が2人。


北の塔からは魔術師が監視している。


そして、私たちが街に入ってからずっと新聞を読んでいるふりをしている男がいる。」


レナは目を見開いた。


彼女は何も見ていなかった。


セツナは歩き続けた。


「敵は到着した瞬間から監視を始めるものだと決して思い込まないで。」


「ずっと前から始まっていたのよ。」


レナは背筋が凍るのを感じた。


そんなレベルの観察力はあり得ないと思った。


ギルドの本館の前に着いた。


それは巨大だった。


5階建て。


大理石の柱。


黄金の盾。


ギルドの紋章が描かれた旗がはためいていた。


数十人の冒険者が列をなしていた。


誰も小さな女性たちのグループに目を向けなかった。


それこそがセツナの狙いだった。


「見て。」


「はい。」


「図書館を探して。」


「了解。」


「レナ。」


「何?」


「建物の完全な地図が欲しいの。」


「でも…どうやって?」


セツナはかすかに微笑んだ。


「建物は語るのよ。」


レナは首を傾げた。


「人々はいつも同じ場所から出入りする。


荷物の輸送はスケジュール通りに行われる。


料理人は別の扉を使う。


清掃員は誰も見ない通路を知っている。」


使者は決して待たない。


じっくり観察すれば…


建物はやがてその物語を語り始める。」


レナはすっかり魅了されていた。


これは戦闘とは全く違う。


これは思考だ。


これは理解だ。


これは予見だ。


セツナは巨大なギルドの紋章を見つめた。


彼女の目は鋭くなった。


「すべてはここから始まった。」


数分後、ミラが戻ってきた。


「セツナ様…」


「何か見つけたの?」


ミラは静かに尋ねた。


「地下に保管庫があります。」


沈黙。


「どの地図にも載っていません。」


セツナは微動だにしなかった。


「誰がそこに入るの?」


「ごくわずかです。」


「ギルドマスター。」


「記録係が二人。」


「それから、三日前に来た教会の枢機卿が一人。」


刹那の瞳の色が変わった。


捜索が始まって以来初めて…


彼女には明確な方向性ができた。


彼女は英雄を探していたのではない。


彼女が探していたのは真実だった。


そして、彼女は真実が…


あの建物の地下にあると確信していた。

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― 新着の感想 ―
 アルゲストの都で光るセツナさんとミラさんの観察眼……追跡者が焦りで新聞紙にシワを作ってしまいそうですね。
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