道が交差する時
岩の間を風が吹き抜けた。
乾いた。
一定の。
不気味な。
セツナは立ち止まった。
ミラも同じように立ち止まった。
レナと彼女の友人も…
「ここよ」とセツナは言った。
沈黙。
「これ以上進むな」
ミラは目を細めた。
「もうすぐだ」
「ああ」
一歩。
そしてもう一歩。
道の向こう側から…
彼が現れた。
アーヴェン・ハルクロス。
慌てることなく。
緊張した様子もなく。
しかし、完全に警戒していた。
彼は数メートル離れたところで立ち止まった。
彼は観察した。
まずセツナ。
次にミラ。
そしてレナ。
「三人いたのか」
沈黙。
セツナは何も答えなかった。
彼女はただ彼を見つめていた。
彼を品定めするように。
「驚いていないようだな」とアーヴェンは言った。
「驚いていない」
沈黙。
「よくついてきたな」
アーヴェンはかすかに微笑んだ。
「君もだ」
風がさらに強くなった。
ミラが一歩前に出た。
「攻撃するつもり?」
アーヴェンは首を横に振った。
「まだだ」
沈黙。
「まず理解したい」
レナは眉をひそめた。
「何を?」
アーヴェンは彼女を見た。
「なぜ彼らは英雄を殺す者に従うのか」
沈黙。
セツナが口を開いた。
「誰かがやらなければならないから」
アーヴェンは彼女を見た。
「すべての英雄があなたが殺したような者ではない」
「そうだ」
沈黙。
沈黙。
「だが、そういう者も少なくない」
沈黙。
「そんな権利はあなたにはないわ。」
セツナは首を傾げた。
「そうでしょ?」
沈黙。
「彼らにもそんな権利はない。」
空気が張り詰めた。
ミラは動かなかった。
しかし、彼女は覚悟を決めていた。
アーヴェンはそれに気づいた。
「俺は戦いに来たんじゃない」と彼は言った。
沈黙。
「まだね。」
セツナは彼の目をまっすぐに見つめた。
「なら、出て行って。」
アーヴェンは首を横に振った。
「できない。」
沈黙。
「このまま続けるなら…罪のない人を殺すことになる。」
沈黙。
セツナは一歩前に踏み出した。
「なら、私を止めて。」
二人の間に風が吹き抜けた。
距離が…
重くのしかかる。
レナは息を呑んだ。
以前とは違った。
これは異質だった。
アーヴェンは最後に一言言った。
「お前を殺したくはない。」
刹那は感情を込めずに答えた。
「なら、やめておけ。」
沈黙。
長い。
重苦しい。
そしてその瞬間…
二人は理解した。
次の出会いは…
こんな風にはならないだろう。
アーヴェンは一歩後ずさった。
「次は…」
沈黙。
「もう何も言わない。」
彼は踵を返した。
そして去っていった。
刹那は彼を追わなかった。
ミラは息を吐いた。
「…彼は強い。」
「ああ。」
レナは静かに言った。
「彼を殺すつもりなの?」
沈黙。
刹那は地平線を見つめた。
「必要なら。」
風が吹いた。
そして今…
追跡は二つの方向へと進んだ。
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