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英雄を狩る少女  作者: ジャクロの精霊


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彼女が普段口にしないこと

エルナールの外の道は静まり返っていた。


乾いた土を踏みしめる足音だけが聞こえる。


風の音。


それ以外は何も聞こえない。


セツナは先を歩いていた。


いつものように。


彼女は後ろを振り返る。


絶えず。


レナと彼女の友人…数歩後ろを歩いていた。


まだ全てを整理している最中だった。


数分間、言葉は交わされなかった。


レナが沈黙を破るまで。


「ねえ…」


セツナは振り返らなかった。


「何?」


「いつもこうなの?」


沈黙。


ミラはかろうじて視線を上げた。


「どんな風に?」セツナは答えた。


レナはためらった。


「冷たい。」



直接的。


沈黙。


風が二人の間を吹き抜けた。


セツナはさらに数秒間歩き続けた。


「いいえ。」


レナは瞬きをした。


「違うの?」


「前はね。」


沈黙。


予想外だった。


ミラもそうだった。


「それで…何があったの?」レナが尋ねた。


セツナはすぐには答えなかった。


彼女は歩き続けた。


「空腹。」


その言葉は単純だった。


しかし、重苦しかった。


「寒さ。」


もう一歩。


「孤独。」


沈黙。


「そして…」彼女は付け加えた。「…誰も助けに来てくれないってことを。」


空気が変わった。


レナは視線を落とした。


「私…」


彼女は言葉を最後まで言い切らなかった。


セツナは続けた。


「最初は…待つの。」


間。


「それから…理解するの。」


沈黙。


「そして…決断するの。」


ミラは静かに言った。


「セツナ様は頼らないと決めたんです。」


セツナは小さく頷いた。


「ええ。」


沈黙。


「それに、『英雄』たちも信用してはいけません。」


その言葉にレナは顔を上げた。


「だから…彼らを追っているんですか?」


沈黙。


セツナは小さく首を横に振った。


「いいえ。」


「違うんですか?」


「私が彼らを追うのは…誰かがやらなければならないからです。」


断言した。


「誰もやらなければ…」「彼らは生き続ける。」


沈黙。


「そして、あの村であなたが見たものは…」「彼女は繰り返している。」


レナは拳を握りしめた。


「…ええ…」


セツナは言葉を止めた。


初めて。


彼女は振り返った。


彼女は三人を見た。


「私は救世主ではありません。」


沈黙。


「あなたが私を必要とする時、私はそばにいない。」


間。


「そして、あなたの決断の責任も取らない。」


メッセージは明白だった。


「もし私と一緒にいるなら…」

「あなたを守るためじゃない。」


レナは唾を飲み込んだ。


「じゃあ…何のために?」


沈黙。


セツナは答えた。


「守られる必要がないことを学ぶためよ。」


風がさらに強く吹いた。


ミラは一瞬目を閉じた。


レナは…理解した。


部分的に。


でも、十分だった。


「じゃあ、私たちに教えて。」


沈黙。


セツナは彼女を見つめた。


「私は教えない。」


間。


「私は生き延びる。」


レナはかすかに微笑んだ。


「じゃあ…私たちはあなたから生き延び続けるわ。」


沈黙。


ミラは視線を落とした。


刹那は答えなかった。


しかし、今度は…


彼女はすぐに立ち去らなかった。


彼女はもう一瞬立ち止まった。


「もしここに残ったら…私は戻ってこない。」


「分かってる。」


「もし躊躇したら…死ぬ。」


「分かってる。」


「もし間違えたら…二度とチャンスはない。」


沈黙。


「分かってる。」


刹那は二人を見た。


そして初めて…


かすかに…


「いいわ。」


彼女は振り返った。


そして歩き続けた。


ミラが彼女の後を追った。


レナと彼女の友人も…


同じように。


そしてその瞬間…


約束もなく。


美しい言葉もなく。


何かが本当に始まった。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

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次回も全力で書きます!

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― 新着の感想 ―
 空腹に寒気などなど、どれもシャレにならない脅威ですね。それが全て、英雄による弊害かどうかは私では断定できませんが、自分から立ち上がらなければ一向に改善されない課題かもしれません。  レナさん達が自衛…
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