外に残されたもの
エルナールの夜は安らぎをもたらさなかった。
それはただ、切実な願いをもたらした。
中心部から最も遠い、家々が老朽化し、地面がでこぼこした通りで、使い古された松明の薄明かりの中、人影がゆっくりと歩いていた。
それは若い少女だった。
背が低く、か弱そうに見えるほど痩せている。薄茶色の髪は肩に無造作に垂れ下がり、手入れもされず、形も崩れていた。着ているのは簡素なワンピースで、擦り切れた継ぎ当てが目立ち、もはや寒さをしのぐには役に立たない生地だった。
彼女の手は緊張していた。
そして、その瞳には…
疲労が宿っていた。
彼女は立ち止まった。
彼女は道の方を見た。
彼女は待った。
誰もいない。
彼女は息を吐いた。
彼女は小さな財布に手を伸ばし、開けた。
数枚の硬貨。
それだけだった。
彼女はそれをしばらく握りしめた。
そして彼女は指をぎゅっと握りしめた。
――…今日はダメ…
彼女の声はかろうじて漏れた。
怒りはなかった。
ただ諦めだけがあった。
彼女は振り返った。
通りは静まり返っていた。
誰も立ち止まらなかった。
誰も声をかけなかった。
誰も気にも留めていなかった。
彼女はしばらく自分を抱きしめた。
それから歩き始めた。
家までの道のりは短かった。
しかし、重苦しかった。
一歩一歩に何かが宿っていた。
ただの疲労ではない。
思い出。
彼女は閉まった家の前を通り過ぎた。
そしてまた別の家の前を。
さらにまた別の家の前を。
すべてが静寂に包まれていた。
エルナールにはもう夜の生活はなかった。
ただ生き延びることだけがあった。
玄関に着くと、彼女は入る前に一瞬ためらった。
まるでその瞬間を避けたいかのように。
しかし、彼女には選択の余地はなかった。
彼女はドアを押し開けた。
そして中に入った。
室内は狭かった。
暗い。
寒い。
古いテーブル。
椅子。
毛布のかかった隅っこ。
それ以外何もなかった。
彼女はドアを閉めた。
ドアにもたれかかった。
床に崩れ落ちた。
そしてしばらくの間…
彼女は何もできなかった。
ただ息をしていた。
「どうすればいいの…」と彼女は囁いた。
沈黙は答えなかった。
彼女はよろめきながら立ち上がった。
テーブルまで歩いて行った。
コインを置いた。
それらを見つめた。
「明日の分さえも…」
彼女の声はかすかに震えた。
しかし、彼女は泣かなかった。
もう泣かない。
彼女は腰を下ろした。
そして…
彼女は思い出した。
笑い声。
柔らかな。
見覚えのある。
別の女の子。
黒い髪。
明るい笑顔。
「一緒に行こうよ。」
「どこへ?」
「彼のところへ。」
―いやだ。
―噂ほど悪くないよ。
―行きたくない。
―お腹が空いているだろう。
沈黙。
―私もだ。
そのイメージが崩れた。
テーブルに座っていた少女は歯を食いしばった。
―…馬鹿…
しかし、それは侮辱のようには聞こえなかった。
何か別のもののように聞こえた。
痛み。
彼女は立ち上がった。
小さな引き出しへ行った。
引き出しを開けた。
中には…
包まれたパンが。
彼女はそれを見つめた。
慎重に。
敬意を込めて。
彼女はそれを手に取った。
再び席に着いた。
そして、一口小さくかじった。
ゆっくりと。
まるで、その味を永遠に味わいたいかのように。 ―ありがとう…
彼女は囁いた。
しかし、そこにいる誰にも聞こえなかった。
彼女はそれがどこから来たのかを知っていた。
村からではない。
市場からでもない。
彼女自身からでもない。
彼女はこの家に属していた。
「英雄」に。
そこに留まった少女たちに。
受け入れてくれた人々に。
今、この屋根の下で暮らす人々に。
彼女の友人のように。
彼女は一瞬目を閉じた。
「…あなたは生きている…よね?」
沈黙。
「もう十分…」
しかし、彼女は確信が持てなかった。
彼女はもう一切れのパンを口に入れた。
今度は小さく。
ゆっくりと。
そして、一日で初めて…
彼女の体の震えが止まった。
ほんの少しだけ。
外では、風が家々の間を吹き抜けていた。
音を運び去る。
言葉を運び去る。
残されたものすべてを運び去る。
しかし、飢えだけは。
決して飢えだけは。
ガレスの家では…
すべてがまだ整っていた。
すべてが機能していた。
すべてが制御されていた。
しかし、外では…
現実は違っていた。
そして、セツナ…
私はすでに彼女に会っていた。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
この物語が少しでも面白いと感じていただけたら、
評価やブックマークで応援していただけると嬉しいです。
次回も全力で書きます!




