表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
英雄を狩る少女  作者: ジャクロの精霊


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

18/38

守護者の誘い

あの出会いはすぐに繰り返された。


しかし今度は…彼の方から近づいてきた。


刹那とミラが村の脇道を歩いていると、再び異変を感じた。物音でもなければ、突然の動きでもなかった。


それは、注意の気配だった。


同じ静かな緊張感。


しかし今回は、二人に向けられていた。


「彼が来るわ」刹那は静かに呟いた。


「はい、刹那様」


二人は歩調を速めなかった。


立ち止まらなかった。


ただ歩き続けた。


そして、男の声が空気を破った。


「君たちを見たのは初めてだ」


刹那は立ち止まった。


静かに振り返った。


ガレス・ソルレンはほんの数歩先に立っていた。


間近で見ると、彼はさらに不気味だった。


力で威圧しているわけではなかった。


彼は体格で威圧感を与えるタイプではなかった。


しかし、その視線は…鋭く、人をじっと見つめていた。


常にそうだった。


「昨日到着しました」とセツナは淡々と答えた。


ガレスは軽く首を傾げた。


「なるほど」


彼の視線はセツナからミラへと移った。


必要以上に長く、その視線はミラに留まった。


露骨ではない。


しかし、興味深そうだった。


「訪問者を受け入れるのは珍しい」と彼は続けた。「特に今は」


セツナは落ち着いた表情を保った。


「私たちはただ通り過ぎただけです」


ガレスはかすかに微笑んだ。


「こんな村で『ただ通り過ぎただけ』なんてことはない」


沈黙が流れた。


ミラは後ろに立ち、姿勢を正し、視線を落としていた…しかし、すべてに耳を傾けていた。


セツナは声のトーンを変えずに答えた。


「では、私たちは例外なのでしょうね」


ギャレスは彼女をもう一瞬観察した。


様子を伺っている。


「そうかもしれない」と彼は言った。


短い沈黙があった。


それから彼は視線を移した。


「あまり長居しない方がいい」


同じ言葉。


しかし、意図は違っていた。


セツナは首を少し傾げた。


「気になります」


「もう聞きました」


今度はギャレスは笑わなかった。


「ならば、聞くべきだ」


沈黙。


セツナは彼の方へ一歩近づいた。


「それは警告…それとも勧告?」


ギャレスは彼女の視線を受け止めた。


「両方だ」


二人の間に風が吹き抜けた。


緊張感は露骨ではなかった。


しかし、確かにそこにあった。


はっきりと。


計算された。


そして…


ギャレスは口調を変えた。


「とはいえ…」彼は落ち着いた口調で言った。「もしかしたら例外を設けてもいいかもしれない。」


刹那は何も答えなかった。


ガレスは続けた。


「人手は常に必要だ。」


「特に…こんな時こそ。」


彼の視線はミラに戻った。


そして刹那へ。


「仕事を提供しようか。」


ミラは静かに言った。


「仕事ですか?」


ガレスは今度は彼女をまっすぐに見つめた。


「ああ。」


彼女の声は落ち着いていた。


自信に満ちていた。


「住む場所を。」


「食事。」


「身の安全。」


その言葉が宙に漂った。


身の安全。


刹那はそれに気づいた。


「その見返りに?」彼女は尋ねた。


ガレスはかすかに微笑んだ。


「いつものことだ。」


「手助けを。」


「秩序を。」


「敬意を。」


沈黙。


セツナは彼を見つめていた。


彼女は彼が何を提案しているのかを正確に理解していた。


それは援助ではなかった。


それは、この社会への統合だった。


「受け入れます」と彼女は言った。


ミラはちらりと顔を上げ、


ギャレスも少し驚いた様子を見せた。


「もう?」


セツナはためらうことなく答えた。


「みんなが私たちに出て行ってほしいと思っているような場所で寝泊まりするよりはましです。」


ギャレスは彼女を数秒間見つめた。


そして頷いた。


「ついて来い。」


家は外から見た通りだった。


しかし中は…


全く違っていた。


秩序。


清潔さ。


広々とした空間。


そして、それ以上のものがあった。


数人の若い女性が家の中を動き回っていた。


召使いのような服装をしていた。


仕立ての良い服だったが、このような村には不必要に派手だった。短いスカート、細部にまでこだわった仕立ての生地、その美意識は、周囲の貧困とは不釣り合いだった。


しかし、最も重要なことは…


服ではなかった。


それは彼女たちの態度だった。


無言で。


統一感があり。


目を合わせようとしない。


刹那はすべてをじっと見つめていた。


彼女もまた、見つめた。


「ここは私の家だ」とガレスは言った。


誇りではなく。


所有欲を漂わせながら。


「ここは私が秩序を保つ場所だ」


少女の一人が通り過ぎた。


彼女は頭を下げた。


「はい」


ガレスは彼女をじっと見つめることなく頷いた。


「彼女たちは役に立つ」と彼は言った。「彼女たちのおかげで全てが成り立っている」


刹那は何も言わなかった。


しかし、彼女は理解していた。


説明は必要なかった。


ガレスは部屋の中央へと歩み寄った。


「もしここに残ることに同意するなら」と彼は続けた。「ここで働くことになる。」


彼は刹那をまっすぐに見つめた。


「難しいことは何もない。」


次にミラを見た。


「でも、規律が必要なんです。」


ミラは優しく答えた。


「私たちにはあります。」


ガレスはかすかに微笑んだ。


「そうだといいが。」


沈黙。


刹那は一歩前に出た。


「もし私たちが従わなかったら?」


ガレスは彼女をじっと見つめた。


初めて…


彼の表情に冷たさが宿った。


「普段はそんなことは起こらない。」


答えは単純だった。


しかし、それで十分だった。


刹那は数秒間、彼の視線を受け止めた。


そして頷いた。


「では、仕事に取り掛かりましょう。」


ガレスは肩の力を少し抜いた。


「よし。」


彼は少女の一人の方を向いた。


「彼女たちの面倒を見てくれ。」若い女性は彼を直接見ることなく頷いた。


「はい、承知いたしました。」


ギャレスは刹那の方を振り返った。


「今日は休め。」


「明日から始めろ。」


刹那は軽く頭を下げた。


「承知いたしました。」


ギャレスは踵を返した。


そして去っていった。


急ぐことなく。


その瞬間、何も制御する必要はなかった。


なぜなら、必要なかったからだ。


すべては既に彼女の支配下にあった。


静寂が戻った。


しかし今…


内側から。


ミラが静かに言った。


「確認いたしました、刹那様。」


「ああ。」


刹那は部屋を見渡した。


「完全な制御。」


ミラが付け加えた。


「そして、以前よりも洗練されている。」


刹那はかすかに微笑んだ。

エナス。


「まだまだだ。」


彼女はガレスが消えた方向へ少し向きを変えた。


「さあ、中に入ったわ。」


ミラは頭を下げた。


「はい、せつな様。」


せつなは目を細めた。


「完璧だ。」

この章を読んでいただき、本当にありがとうございます。


ガレスとの最初の直接対決、そしてセツナが彼の縄張りに潜入する様子を楽しんでいただけたなら、お気に入り登録、ポイント、コメントなどで物語を応援していただけると大変嬉しいです。


これからが本当に面白くなりますよ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
 来るものは拒まず、しかし去るものは……言葉は穏やかながら、逆らう余地が見えにくいガレスさんを相手にした、物理的な武器や攻撃が飛ばぬ駆け引き、いつしか夢中になりそうです。  私は書き物に関してはアマ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ