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英雄を狩る少女  作者: ジャクロの精霊


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13/38

道と首飾りの声

正午前に都を後にした。


遠くには、リドリアの城壁がまるで最後の石の嘘のようにそびえ立っていた。高く、威厳に満ち、堂々とした姿は、まるで名誉と正義が今もなおその中に宿っているかのようだった。遠くから見ると、街は美しく見えた。


セツナは振り返らなかった。


彼女は東の道をしっかりとした足取りで歩いた。風を遮り、シルエットの一部を隠す黒い旅装束を身にまとっていた。彼女の後ろを、ミラがぴったりと歩調を合わせてついて行った。食料、包帯、数本の便利な水筒、そしてその日の朝に集めた硬貨が入った小さな袋を携えていた。


空は薄い雲に覆われていた。


空気は清々しかった。


道は開けた野原、低い丘、そして風にざわめく乾燥した低木地帯を横切っていた。


長い間、二人は言葉を交わさなかった。


不快な道のりではなかった。


それは正確な足取りだった。


セツナは村のことを考えていた。ガレス・ソルレンのことを。


村の守護者としての彼の姿を。


彼が村に入り、観察し、真実と恐怖を区別し…そして処刑する様を。


振り返ると、彼女は従順に沈黙を守っていた。


短く、以前ほどはっきりとした印象のない茶色の新しい髪は、かつてのセラフィーヌの面影をもはや鮮明に思い出させなかった。簡素な旅装は、名高い英雄に仕えた巫女のイメージを完全に消し去っていた。首元は相変わらず黒い布で覆われ、ネックレスは人目を引かないように隠されていた。


それはふさわしい変化だった。


しかし、セツナにとって、隠すだけでは十分ではなかった。


彼女は理解する必要があった。


あの夜、彼女が手に入れたものの中で、ネックレスは最も興味深いものだった。


それはただ服従を強要するだけではなかった。


ただ抵抗を罰するだけではなかった。


ただ服従させるだけではなかった。


それ以上の何かがあった。


そしてセツナはそれを知りたかった。


数時間旅した後、二人は幹線道路から外れ、澄んだ小川が流れる小さな木立に入った。人里離れた静かな場所で、安全に立ち止まるには十分な距離があった。


刹那は岩のそばに鞄を置いた。


「座りなさい。」


「はい…様。」


刹那はすぐに顔を上げた。


ミラもそれに気づいたようだった。


彼女は足を片側に折り曲げ、背筋を伸ばし、両手を膝の上に置いて座ったが、その瞳にはわずかなためらいが浮かんでいた。


刹那は数秒間、何も言わずに彼女を見つめた。


そして、こう言った。


「もう一度言って。」


ミラは少し頭を下げた。


「はい…様。」


その言葉は自然に、静かに口から出た。


「あま」よりも流れるような響きだった。


深く頭を下げる仕草に近く、


より親密な服従の表現だった。


刹那の表情は変わらなかった。


しかし、彼女はそれに気づいた。


彼女は直接その調整を命じたわけではなかった。


それでも、首輪は勝手に形を変え始めた。


彼女は近づき、ミラの前にしゃがみ込んだ。


「なぜ変わったの?」


ミラは即座に答えた。


「分かりません…様。」


セツナは首輪の縁に指を二本沿わせ、金属に刻まれたルーンの微かな振動を感じ取った。その装具は、まるで表面の下に控えめで規律正しい生命が宿っているかのように、穏やかでありながらも絶え間ない存在感を放っていた。


ミラはわずかに緊張した。


「セツナ様…?」


今度はさらに明確だった。


セツナは首輪に手を置いたままだった。


興味深い。


服従の法則が生まれつつあるだけでなく、彼女との具体的な関係性も形成されつつあった。


「私を見て。」


「はい、セツナ様。」


ミラは従った。


彼女の目は、かつてセラフィーヌとして持っていた道徳的な硬直さを失って、清らかな従順さを湛えてミラを見上げた。彼女は空っぽではなかった。それは驚くべきことだった。そこにはまだ意識があった。


しかし、その意識は今、整っていた。


セツナは親指で側面の碑文の一つをなぞった。


ネックレスは一瞬閃光を放った。


ミラはかすかに身震いしながら息を吸い込んだ。


「痛みは?」セツナは尋ねた。


「いいえ、セツナ様。ただ圧迫感があるだけです。」


セツナは一瞬手を引っ込めた。


小川は石の間をせせらぎ続けていた。風が乾いた遠い音楽を奏でながら、高い枝を揺らしていた。


「話しなさい」と彼女は命じた。


ミラはためらうことなく従った。


「何を話せばよいのですか、セツナ様?」


「あなたの気持ちについて。」


その問いに、ミラは一瞬言葉を詰まらせた。


それは、ありふれた、機能的な命令ではなかった。


戦術的な指示でもなかった。


首輪が予期していたものでもなかった。


しかし、首輪は反応した。


「…少しすっきりした」と、首輪はついに言った。「思考が消えたわけではない。でも、あなたが話しかけてくれると、すべてが自然と収まる」


刹那は黙っていた。


「以前は、私の中にはたくさんのものが同時に存在していた」と、ミラは続けた。「罪悪感。疑念。恐怖。記憶。それらは今も存在しているけれど、以前のように私を打ち砕くことはない。刹那様が最優先です」


その答えは的確だった。


あまりにも的確すぎて、何気ないものではない。


刹那は再び首輪を見た。


そうだ。それは単なる精神的な束縛ではなかった。


もっと洗練されたものだった。


人格を完全に破壊するのではなく、


再構築し、


濾過し、


そして、役に立つ存在へと変えたのだ。 「じゃあ、『あま』は?」と刹那が尋ねた。


ミラはしばらく俯いた。


「はい、刹那様。でも、『様』の方が…しっくりくる気がします。」

説明して。


ミラは同じように正確に従った。


「アマ」は支配的な響きがある。


「サマ」は完全な階級制のように感じられる。


セツナは瞬きもしなかった。


ミラは奇妙な真剣さで言葉を探しながら続けた。


「ただの服従じゃない。指示も。優先順位も。中心も。」


セツナはすぐに理解した。


ネックレスは単に行動を命じるだけではなかった。


それは関係性を定義づけていた。


そして、そのことが、この遺物を彼女が最初に考えていたよりもはるかに価値のあるものにしていた。


彼女は立ち上がり、鞄から小さく精巧に作られた金属製の針を取り出した。そして戻ってきて、ミラの後ろに立った。


「これを改造するわ。」


ミラは恐れを表に出さずに頭を下げた。


「はい、セツナ様。」


セツナはミラの茶色の髪をそっと首筋から払い除け、ネックレスに刻まれたルーン文字を露わにした。


それは普通の魔法ではなかった。


その刻印は、あまりにも精密に設計されていた。幾重にも重なり、内部には線が引かれ、階層構造が絡み合っていた。罰を与えるためだけでなく、徐々に飼い慣らしていくための導管でもあった。


彼女はそれが気に入らなかった。


それでも、彼女はそれを使うつもりだった。


彼女は針先を外側の線の一つに当て、ごくわずかなエネルギーを流した。


首輪が光った。


ミラは肩を少し緊張させた。


「痛み?」


「いいえ、セツナ様。ただ、もっと深い感覚です。」


セツナは二度目の調整を行った。


そして三度目。


ほんの少し。


彼女はバランスを崩そうとしていたわけではない。


ただ、少しずらすだけだ。


より柔軟な服従を可能にするため。


より表現豊かに。


より会話に適応できるようにするため。


潜入や長期的な交流に、より役立つように。


調整が終わると、ルーンは安定した。


光は消えた。せつなはミラの周りを回り、再び彼女の前に立った。


「話しなさい。」


ミラはすぐに顔を上げた。


そして、何かが変わっていた。


彼女は依然として従順だった。


彼女は依然として服従的だった。


しかし、今、彼女の声には以前よりも深みが増していた。より繊細なニュアンスが。従順さの中に、より人間味が感じられた。


「何か特別なことをおっしゃりたいのですか、せつな様?」


「はい。」


それだ。


より自然になった。


より機械的ではなくなった。


せつなは彼女の前の岩に腰を下ろした。


「名前を言いなさい。」


ミラは静かに頭を下げた。


「ミラと申します。せつな様の召使い、付き添い、どこへでもお供いたします。」


せつなの表情は穏やかだった。


うまくいった。


この変化は支配力を弱めることはなかった。


亀裂を生じさせることもなかった。


自由を取り戻したわけではなかった。


ただ、形を洗練させただけだった。


「服従心は薄れた?」刹那は尋ねた。


ミラは首を横に振った。


「いいえ、刹那様。」


「ただ…より自然に感じます。」


刹那はミラの視線を捉えた。


「あなたの任務を列挙しなさい。」


ミラは即座に流暢に答えた。


「あなたに従うこと。」


「あなたに仕えること。」


「あなたの命令に従うこと。」


「腐敗した英雄の調査を手伝うこと。」


「あなたが負傷した際には治療すること。」


「罠や嘘、危険を警告すること。」


「私の過去の正体を隠すこと。」


「刹那様が必要とするあらゆることを学ぶこと。」


刹那は軽く頷いた。


「では、もし私が誰かの信頼を得るために微笑むように命じたら?」


「微笑みます、刹那様。」


「もし私が、たとえ彼らがあなたを辱めようとしても黙っていろと命じたら?」


「黙っていられます、せつな様。」


「もし私が、別の勇者を殺すのを手伝えと命じたら?」


ミラはかろうじて頭を下げた。


「手伝います、せつな様。」


震えはなかった。


抵抗する様子もなかった。


せつなはしばしの沈黙を待った。


そして、重要な質問をした。


「もし、あなたの心の一部が抵抗しようとしたら?」


ミラは視線をそらさなかった。


「その部分もまた、従います、せつな様。」


その答えで十分だった。


せつなは針を袋に戻し、ミラの首を再び黒い布で覆った。


そうだ。


これで何とかなる。


彼女はただ新たな目標に向かって進んでいるだけではない。


同時に、道具を磨き上げているのだ。


そして、道具よりも危険な何かが潜んでいるのかもしれない。


「立ちなさい」と彼女は命じた。


「はい、せつな様」


ミラは優雅で静かな動作で従った。


せつなは旅行鞄を手に取り、ミラに手渡した。ミラは両手でそれを受け取った。


「ありがとうございます、せつな様」


せつなはしばらくミラを観察した。


その新しい人格は自由ではなかった。


単なる虚無でもなかった。


それは独自の特質を持つ服従の形だった。


鍛え上げられた忠誠心。


鎖から生まれた新しい声。


「道中、村のことを話し続けなさい」とせつなは言った。


「はい、せつな様」


「それから、ガレス・ソルレンのことも」


「はい、せつな様」


二人は旅を再開した。


道は北東へと続き、次第に開けた野原、古い柵、そして人通りの少ない道を抜けていった。空は少し晴れたものの、風はまだ肌を刺すように冷たかった。遠くの空を数羽の鳥が横切っていった。


ミラは、いつものように一歩後ろを歩いていた。


しかし今、彼女が話すたびに、その声には何かが違っていた。


平等ではない。


真の愛情ではない。


自由な親密さではない。


代わりに、それは洗練された服従であり、その本質によって形作られた、より柔らかく、より深いものだった。


そして、二人が次の英雄が待つ村へと歩みを進めるにつれ……


セツナは、首輪が単なる支配のためだけのものではないことを理解した。


それは、形作るためでもあった。


そして、このままでは、ミラは単なる従順な奴隷ではなく、はるかに有用で、より不穏な存在へと変貌してしまうだろうと悟った。

多くの方に読んでいただき、本当に光栄です。


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― 新着の感想 ―
 奥様からご主人様、そしてセツナ様などに変わると共に従順の形も少々変わるミラさん。  指示する側の想定する以上の効力が首輪にあるようですが、清濁織り混ぜて引き続き使うようですね。  何気に初かもしれ…
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