屋外演習
半月と言うのは、一瞬だった。
座学が終わったという担任の話を聞いたとき、これから外ではいったいどんなことをするのだろうかという恐怖があった。
「これからどうするんだろうね」
川西が俺に話しかけてくる。
「さあな。何がきても不思議じゃ無いと思うけども、実際何がくるかさっぱりだ」
俺は正直に川西に言った。
その時、担任が他の班員とともに俺たちをグラウンドに集めた。
「これから2週間、君たち全員に山に入ってもらう。全員の足首と手首にGPSの発信装置をつけるから、遭難する危険性は無い。これから、各班に1冊づつ本を配る。その本に書かれた事を全て実行せよ。そして、その証拠をここに持って帰ってこい。2週間以上経っても帰って来なかった者については、こちらからヘリを出して救助する。以上だ。出発に先立って、みんなにこれまでの座学が無事に終わった事を祝して、コップ一杯ずつのジュースを配る。まずはお疲れ様だ」
100均で売っていそうななんの変哲もない紙コップが全員に一つずつ配られて、そこに8分目ぐらいまで、透明な水が注がれる。
「では、乾杯!」
同時にその場にいた生徒全員が飲み干した。
それからしばらくの間は待機ということになり、それぞれの部屋に戻って、片手首、片足首にそれぞれ防水加工がされたGPS装置をつけていた。
「山ごもりでもするのかな」
騨雀がつけながらつぶやいた。
「たしか、裏山全部がここの所有地になってるはずだから、そこでするのかもね」
妙にあくびがよく出る。
東雪がいいながらも、とても眠そうにしていた。
「なんか眠いや…」
GPSをつけ終わって壁に座ってもたれていた井崎が急に眠り始めた。
俺がそばに寄って、肩を揺する。
「だめだ、完全に寝てる」
俺が井崎に気を取られている間に、うしろでバタバタと倒れる音がした。
振り返ると全員が床に倒れて寝息を立てていた。
「どう…いう…」
言い終わる前に、俺も意識をなくしてしまった。




