episode4.朝を目にした2人
ようこそ!
初めての小説なので温かい心でお楽しみください
お昼寝をしていたからかケットは早く目を覚ました。
まだ家主は起きていない時間。
日が昇りはじめ、夜の名残を残した空が広がっている。
人の気配はなく、静かだった。
「……描こ…」
黒と光が混ざる空。
境目が曖昧で、色が滲んでいるその感じが、どうしようもなく好きだった。
窓の外には、街並みと昨日たどり着けなかったパン屋。
その奥に見える大きな建物も、静かに佇んでいる。
ケットは道具を取り出し
汚れない様にと布を引き、迷いなく筆を走らせた。
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ユーストマはいつもより早く起き、動かない頭で昨日のことを考えていた。
先ほどから聞こえる扉の奥から小さく物音
いつもと同じ朝ではなく、違和感を感じながらも、嫌ではなかった。
そっと扉をあけ、そこにいる彼に声をかけた
「……おはようございます、朝から描いているんですね」
「おはよ〜
綺麗だったから描いてたの」
汚れない様ようにしてると振り返りもせずにそう言うケットに、ユーストマは少しだけ目を細めた。
まだ乾ききっていない空の色。
混ざり合う光と影。
「……自分では気づかなかった景色です」
「ね!この時間しか描けないやつ」
ケットは楽しそうに笑った。
まだ早い時間ということもあり、ユーストマも時間には余裕があった。
いつもなら珈琲で済ますが、お客もいたため簡単なサンドを作り始めた。
その間もケットは絵を描いていた。
昨日話していた時は元気があり、少し騒がしい印象があったが、今のケットは静かだが楽しそうなそんな雰囲気だった。
そんなことを思いながらこちらも作業を進めていたが、出来上がったため声をかけた。
「朝食ができましたが食べられますか?」
ケットは手を止め、耳を立てこちら振り返り
「たべる!」
とてもいい笑顔だった。
2人は朝食を食べ始めた。
美味しそうに食べてくれる彼を見ていると作って良かったと思う。
いつも同じ日々をただ過ごすだけの自分には話す話題など、ないため静かな食事だった。
「ご馳走様!めっっちゃうまかった!やっぱり料理うまいな!ありがとう!」
いつのまにか食べ終わっており
お皿ここでいい?とお皿を片付けているケットに驚いていると
「お前仕事だろ?だから早く完成させたかったんだ、急いで食べちゃってごめんね」
そういい、また絵に戻っていった。
ここまで自分の時間や絵に対して意識を持っていることに驚き言葉が出なかったが、幸い気にしていない様だった。
食事をとりつつ様子を見ていると
ほぼ完成な様で今は手直しをしている様に見えた。
今日は時間に余裕があるためのんびり食事や支度ができるためゆっくりとしていた。
朝食も食べ終わり洗い物をしていると後ろから声が聞こえた。
「できたーーー」
ケットの絵が完成した様だった。
完成が気になっており絵を見せてもらいに行くと
そこには、見慣れているはずの街があった。
けれど、こんな風に見えたことは一度もない。
夜の色を残した空に、朝の光が静かに溶け込んでいる。
暗さは消えていない
それでも
なぜか、目を逸らせなかった。
ユーストマはしばらく言葉を失っていた。
視線は絵に落ちたまま、動かない。
「……綺麗ですね」
ぽつりと、零れるように言った。
「暗いはずなのに……暖かいです」
「へへ、……この場所でこの景色がすごく綺麗だったんだ!」
ケットは眉を下げながら笑っていた。
「目が覚めて見えた景色がすごいいいなって思ったんだよな」
「俺はそういうのを大事にして楽しく描きたいんだ」
少しだけ照れたような、真面目なような。
ケットはこの静かな暖かい絵を見ながら笑った。
「気に入ったなら、それやるよ」
「え?」
「昨日と今日のお礼!飯うまかったし、泊めてもらったし!」
当然のように言うケットに、ユーストマは一瞬言葉を失った。
「いいのですか?」
「気に入ってくれた人に見てもらえる方が絵も幸せだ!」
「そんな考え方もあるんですね、ではありがたく頂戴いたします」
はーい、照れくさく笑うケット。
お世話になったと意味も込めてだろうと思い素直に頂くことにした。
絵の具が完全ではないから飾るなら乾かしてからにしてと言われ、仕事終わりにでも飾ろと決めた。
その頃ケットは道具を片付けており、自分もそろそろ家を出る時間だったため、
ケットに伝えた。
家を出る時は一緒にでて、その際ケットは家と自分に向かってお世話になりました、ありがとう、とお辞儀をした。
その日は足取りが軽く図書館へ仕事をしに向かうことができた
お読み頂きありがとうございます!
更新も頑張っていきますのでよければまた読んでいただけると嬉しいです




