episode18.鳥と狐、時々密猟者
ようこそ!えけて。と申します!
初めての小説なので、温かい心で楽しんでいってください!
ケットはなぜ自分の頭にいるのかわからないが、手触りが良いためずっと撫でていた。
それはこの村の近くの保護区に住んでいる
クリスタルの羽をもつ“ストーンラバド”だった。
(気持ちいい手触りだな…初めて触ったや)
ぱさり、となにかが落ちた音がした。
それは店主の新聞だった。
「……おい」
「動くなよ」
「え?」
「絶対に動くな」
ケットは頭にいる生物が落ちないように軽く頷いた。
店主は席を立ちカウンターへと急ぎ、ケットはそれを訳もわからず眺めていたが、これからどうなるんだろうと少し不安で冷や汗をかいていた。
その時周囲から
ガチャ。
ジリ。
シュッ。
銃を構える音。
革靴が石畳を擦る音。
何かを抜く音。
気付けば、
何人もの男たちがケットを囲んでいた。
「……あれ?なんか俺、人気者?」
困っちゃうなぁ〜と少し呑気な言葉を吐いた。
だが、実際はどうしようと少し不安だった。
「狐の坊主」
カウンターに物を取りにいっていたらしく
手には銃が握られていた。
「わぁお、物騒」
「そんなのはどうでも良い、逃げるのは得意か?」
「うん」
「説明してる時間はねぇ、保護区まで走れ」
「え!?」
「いいから走れ!」
「お、おっす…!!」
ケットはそれを聞いてすぐさま頭に乗っていた鳥をマントへと隠し、抱き抱えながら走り出した。
そして、それと同時に後ろからは
パァンッ!と発砲音や、金属がぶつかり合う音、魔法で作り出された風の音、
たくさんの音が聞こえてくるのと、
後ろから自分を追ってくる足音もたくさん聞こえた。
(えぇぇぇ、やばいじゃん…!!おっちゃん、巻き込んでごめんよぉぉぉ、怪我しないでね…!!)
咄嗟にマントに隠してしまい、息苦しくないか確認しようと見たら、鳥は楽しそうにケットのカバンを突いていた。
「おまえ、呑気…だね!」
ケットはできる限り身を屈める全速力で走った。
割と重い手元にいる子を落ちないように抱えながら、後ろからの追手を巻く方法を考えながら、魔法や銃を避けるのに必死だった。
「てか、保護区ってどう入るの!?!?!?」
当たり前だが、保護区の場所は知っていても、入り方など知らないのだった。
「まてぇぇぇぇ!」
「てめぇのその毛も刈り取ってやる!」
「最悪、狐は殺しても構わない捕まえろーーーー!!!」
走りながら、後ろの方で聞こえてくる声に少し身震いしながらもとりあえず保護区のある森まで走った。
チルジャバナの近くの村自体はでかくないが、保護区のある森はとてもでかい。
(逃げ足には自信あったけど、銃乱射は危ないんじゃないですかねぇ!?!?!)
狐の獣人で動体視力などは普通の人間よりは優れているものの、魔法の連発、文明の力など相手には不安が残る。
「ちょっと…!!!みんな仲良くしようよ!!!!!俺、みんなの笑顔の!!!似顔絵描くから…さ…!!!!!」
そんなことを言いながら後ろではだまれ、シネなど罵倒が聞こえ悲しくなりながらもただただ走る。
「ペェア…」
下からは小さな声でこちらをみてくる綺麗な鳥。
先ほどまでは楽しそうにしていたが、この子にも不安が移ったのだろうか、心配そうにこちらを見ていた。
「大丈夫!おうちに帰ろうな!…ちなみにお前の家どこ?!」
「ペェェア!!」
そう安心させるように伝えると、
鳥は首をビシッと前に突き出した。
「ありがとう!あっちに、行けばいいんだな!!!」
————————————
「よぉ、待ってたぜェ…狐チャァン」
森まではいり、木に登りやり過ごしたり、クネクネと走り回り追ってくる悪い人たちを翻弄し、後少しで保護区の柵の前というところで待ち伏せをされていた。
「待ってくれてなくてもいいよ!疲れたでしょ!いい温泉知ってるから紹介するよ?」
距離を保ちつつ、逃げ場の確保をしたかったが、囲まれてしまっていた。
(どーしよかなぁ、まず入り方知らないし…これは詰んだ…?)
現実逃避をしたくなりながらも、
相手が攻撃してこないことに不思議に思い、逃げる隙を稼げたらと考えていた。
「俺らはその鳥が欲しいだけなんだ
そいつだけ置いていけば、お前の命は助けてやるよ」
「あー、よくありがちなテンプレどうも!」
「クソ生意気なガキが!今すぐ殺してその鳥とテメーの毛刈り取ってもいいんだぞ!!早くよこせ!!!」
「えぇ、やだなぁ、渡さないとは言ってないよね?」
物騒〜と呑気に周りを警戒しながら会話をしながら鳥を見た。
(どうにかしてこの子だけでも保護区に入れないかな…
てか、そもそも、この子はどこからきたの…?いや、飛んできたのか、飛べるなら……)
計画を考えている時、
「兄貴、こいつごと攫った方がいいのでは?人になつかねぇって言われてる鳥が自分から寄ってきた人物ですよ?」
「何バカなこと言ってんだよ、こんな金になるチャンス逃すわけねぇだろ
こいつごと捕まえるんだよ」
「さすがっす」
にやにや、ぺちゃぺちゃと小声で話してるつもりでも、ケットにはよく聞こえる耳がついているため内容が筒抜けであった。
(聞こえてんだよ、よし…)
「ペェェ…」
不安そうに見てくるこの子を安心させるようによりつよくだきしめた。
「大丈夫。ちゃんと飛ぶんだよ?」
「ペェ?」
ケットは深く息を吸い、鳥を包んでいたマントを解き鳥を掲げた。
「(スゥ…)この子が欲しいかぁぁぁぁ!!!!」
大きな声と同時にクリスタルのような羽を太陽に当て、光の反射で目潰しをした
「ほら!帰りな!!」
ケットは鳥を力一杯上へ投げた。
そして、ケットは同時に眩しそうにしている人の合間を抜けてその場から逃げた。
「……くっそやりやがったな!!殺せぇ!!!!」
(あーー、本当に!諦めてくれないかな…!)
近くの木に瞬時に登り
その子が保護区に入っていくのを確認し
自分はどう逃げるか考えていた。
まだ幸い誰も木の上にいることは気づいていない。
息一つ、動き一つでバレてしまうくらいの位置にいるため身動きは取れない
(どうしよう…諦めるまで待つしかないかな、)
カバンに使えそうなものがないか思い出してみても、戦闘なんてしたくないケットには、役に立ちそうなものは何も入っていなかった。
その時____
パァンッ
ケットは自分が木から落ちかけている事で腕を打たれたことに気がついた。
「……いってぇ…」
腕をうたれ、血が手のひらまで垂れてきていた。
体勢を立て直し、別の木に飛び移り
逃げることにしたが相手にも獣人族がいたようで同じように木から木へと飛び移り距離を詰めてきていた。
逃げることに神経を使い、疲労を感じて視野が狭くなっていたが木々がざわめくのを感じた。
近づいてくる鳥の鳴き声
密猟者たちも一瞬だけ顔を上げる。
「……なんだ?」
その次の瞬間——
「ペェェェェェェアァァァァァ」
聞き馴染みの声と共にあまりにも大きな声で耳がやられたが、それは追ってきていた獣人族も同じだったようでその場で立ち止まっていた。
「…てぇ、おま、お前帰れって、言ったじゃん…!」
その声の主はケットの近くまできており、必死にケットのマントを引っ張り持ち上げようとしてくれていた。
声が聞こえて盗賊など密輸業者が木の下に集まってきた
「無理だって!危ないから!!それより早く逃げてよ!!」
それでも諦めていない様子にケットは諦めてそこのをまた抱えて、別の木へと移動をした。
_____ペェェェェア”ア”ア”ア”!!!!!
至近距離でさっきとは比にならないくらいの声。耳にダイレクトに届き目がチカチカした。
それは下の悪人、木の上の獣人族も同じく耳を塞いでいた。
この鳥は綺麗なだけではないんだなと、ケットは呑気に思った
耳がやられ脳が揺れるような痛み。
動けないや、と諦めていたとき、木漏れ日からキラキラと虹色の光が差した。
_____そしてケットは空を飛んでいた。
お読み頂きありがとうございます!
更新も頑張っていきますので、よければ次も読んでいただけると嬉しいです




