episode17.宝石の卵、チルジャバナ
ようこそ!えけて。と申します!
初めての小説なので、温かい心で楽しんでいってください!
ミストリアによって、目的地近くに出てくることができたケットは見たことがある場所だったため、迷うことなく進めた。
「温泉の効果なのか、体が軽いや」
少し整備された道、少し先には派手な門が見える。
鳥の鳴き声、涼しい風、怪しい人たち。
歩き進め、門の下へと辿り着いたケットは
改めてその門をみた。
「相変わらず、禍々しいな…」
そこには
“チルジャバナ”とデカデカと書いてあるが
その周りには銃の禁止マークや、泥棒を殴ってるようなマーク、鳥を袋に入れてるマークにバツがあるもの。
そして“害あるもの禁ず”など、“立ち去れ”など少し物騒な言葉も書いてある。
「今日はたくさんあるといいな〜」
そう、今回ケットが行きたかった場所は
チルジャバナと言うビエルーツェ国にある動物保護区の近くの村であった。
そこの動物とはキラキラとしたクリスタルのような羽を持ち、目が宝石のように輝き、人と同じくらいの大きさの
“ストーンラバド”という鳥である。
そして、その鳥が産む宝石のように硬く、輝きをもつ卵を買いに来たのだった。
卵自体は普通の味だが、
たまに黒くまるでオニキスのようなツヤッとしたキミが出ると伝説があり、それは大陸一の卵と言われていた。
「そして密猟者も多いなぁ…フード被っとかないと」
そういい、尻尾をマント、耳はフードで隠し門を潜って行った。
ここはあまり治安が良くなく、密猟者、盗賊、闇商人などが保護区の中へ入ろうとウロウロしている。
ケットは少し珍しい色の種族でもあるため、目的が鳥の人たちだとしても身を隠すようにはしている。
「えーと、エッグポーンは…っと」
ケットはよく行く店へと足を進めた。
宝石の卵は希少なため、信頼できる人へしか売らず
店主のほぼ気分で何個売るかまでも決められているため、1から信頼関係を築くより一度行ったことがある店の方がちゃんと買える。
(今日はやけに人が多いな…)
そんなことを考えながら店を探しながら歩いていると、すれ違った人達の声が聞こえた。
「今回は子供が産まれたらしいからな、子供なら捕まえやすいだろ」
「そうっすね〜!柵を越えられればこっちのもんっすよ」
「あぁ、他の奴らが入れそうな場所探してるから俺らはこの街で情報集めだ」
ケットは獣人族であり、耳もいいため密猟者のコソコソ話している声も聞こえてしまうのだった。
(あー、やだやだ
相変わらずここは動物に優しくないや)
(早くお店に行こ)
人に見られている気がするのを気付かないフリをしながら、少し足を早め記憶を辿りに街を歩いた。
ある店の前で足を止めた。
看板にはクリスタルの羽と、エッグポーンと書いてある。
ここの街の建物は少し変わっており、
どこも壁はなく、隣同士の建物は少し離れているか柵で区切られており扉などもない。
物を売る場所や、食べるところなどは外から丸見えの構造であり
奥にはしっかりと壁も扉もあるが、重々しい鉄でできていた。
「おっちゃん!久しぶり!」
ケットは少し顔が見えるようにフードを持ち上げ、相手に顔が見えるようにした。
そこには相変わらず無愛想な店主が新聞をよんでいた
店主は顔を見るなり
「…なんだ、狐坊主か」
「おっす!」
「今日は何のようだ」
「卵ほしい!」
「全員そう言って来る」
ケットはあはは〜と笑いながら店主に近づいていった。
「で!で!今日は卵あるの?」
ワクワクしながらケットは詰め寄った。
「今日はない」
「えぇぇ!そんなぁ〜〜」
耳を下げ体の力も抜けたように肩を下ろした。
がっくり、と気持ちを体で表しているも、店主は興味がないのか新聞から目を離さなかった。
「卵いつ頃なら買えるの?明日は?」
ケットは諦めずにいつ入荷か聞いた
「最近密猟者が増えているから数を減らしているんだ」
「確かに街に出入りしてる危ない人多いね、森の方もたくさんいたし」
「あぁ、馬鹿どもがいるせいで鳥たちが警戒しているし、卵も販売数を減らして人を来ないようにしてる」
「それにずっと黒キミなんて全然出ていない」
「確かに、俺も何回チャレンジしても全然ダメだもんなぁ」
「卵の出回りは長が管理しているからいつ頃出回るかもわからん」
「そっかぁ……」
ケットはそういい、先にご飯食べてくると言い残しお店を後にした。
エッグポーンの隣に前はお肉屋さんがあったはずだが、今はバーガーに変わっていた。
新しいお店になっているのに気になりそこでご飯を食べることにした。
「こんにちわー」
「いらっしゃい…おや?絵描きの子じゃないか!」
「あれ?お肉屋のおばさん!あれ?」
ケットはまさか、前のお肉屋さんの人が出てくるとは思わずびっくりしていた。
それに気づいたのか説明をしてくれた。
「売ってるものを変えたんだ
お肉だけじゃなくて、最近流行っていたバーガーを作って出したら肉単体よりよく売れてね、ちょっと趣旨を変えてみたんだ」
「へぇー、確かにバーガーって美味いもんな!けど前のお肉もめちゃくちゃ好きー」
「嬉しいこと言ってくれるじゃないか
メニューはこれだよ、サービスしてあげるから選びな」
お肉たくさん入れてあげると言われルンルンでメニューを見た。
お肉がたくさんのもの、野菜が入っているもの、チーズやソースにこだわりがあるものがたくさんあった。
全部美味しそうだか、ここで作られているソースはお肉屋さんだった頃から絶品だったため、それにすることにした。
「スペシャルソースブレンド野菜ましましバーガーでお願いします!」
手をビシッとあげながらメニューを伝えた。
お代をわたし、すぐ作るからねと伝えられ、席で待っていていいとのことで受付から近い席についた。
少しお昼を過ぎていた事もあり、お客はケットと少しの人だけだった。
外は晴れており、屋根があるおかげで日陰にはなっているが壁はない為風が通り抜け気持ちよかった。
のんびりしながら、村を少し観察していた。
ここには自分と同じように卵を買いにきたもの、ストーンラバドの研究をしてる学者や、通り道として使う冒険者や旅人。
それと、卵を買い占め裏でもっと高くための闇商人、鳥自体を狙っている密猟者、保護区に入ろうとしている盗賊。
たくさんの人がいるのに、半数は悪い人だった。
(本当にいい村なのに…ちょっと危ないんだよね…)
それもあり、なかなか頻繁にくるのは少し怖かった。
卵も大金貨5枚と高額なため、たくさん買えるものでもないため、あまりくる事はなかったが、
今回はせっかくならおいしくて、見た目もいい
珍しいものを渡したかったのだ。
「はいよ、お待たせ」
「うわぁ!!すごい!でかい!!美味しそーーーー!ありがとう」
考えているうちに、出来上がり席まで持ってきてくれお礼を言い受け取り、いただきまーすと口いっぱいに頬張った。
「めちゃくちゃ美味い…!!!」
ケットは大きな声で感想をいい、店主に再度旨い、ありがとうと言い食事を続けた。
それを聞いていた店主もゆっくり食べな、と注意をしつつ嬉しそうにしていた。
ケットはあっという間に食べ終わり、結構なもりもり加減だったため、手が汚れてしまい手洗いを貸してもらってから店を後にした。
(止まって明日挑戦するか、卵は諦めて別のにするか…どっちにしようかなぁー)
悩みながら、もう一度エッグポーンへ行くことにした。
隣な為すぐ着くと、お店には人がいた。
ケットと同じように卵を売ってくれと話をしていたため、申し訳ないが聞く耳を立てながら店にある羽根の飾りを見ていた。
(やっぱりなさそうか…お土産だけ買って別の場所に行こうかな)
ケットはストーンラバドの羽で作られたヘアピンと、羽ペンを見ていた。
「これ、割れちゃったんだよな…けど、ユーストマなら使いこなせそう…」
羽ペンを絵に使えるからと買ったことがあるが、無造作にいろんなものが入っているカバンの中で粉々に割れていたのがショックで、自分では使わないと決めていたが、せっかくなら何か買って行きたいのもあり、羽ペンを受付へと持っていった。
「おっちゃん!これちょうだい!」
「あいよ、小金2枚だ」
「あれ?かいてあったの小金貨3枚じゃなかった?」
「卵がないお詫びだ」
「まじで!!ならありがたく〜!」
お詫びとしてまけてくれ、お得に買えた。
割れないようにと、紙で何十にも巻いてくれたのを
大事にカバンへ仕舞った。
「ありがとう!」
「明日も来るんか?」
「卵、明日もわかんないんだよね?諦めて別の食材のとこ行こうかなって」
「そうか、すまねぇーな。最近治安も悪化してるから行くなら早く行け」
「うん!そうす…る………?」
その時何かがケットの頭に乗る。
さっきまで騒がしかった街が
しん、と静まる。
「ペェェェェアァ!」
保護区からよく聞こえてくる独特な声が静かな街によく響いた。
ケットは頭の上の手を伸ばした。
「……はへ?」
指先にはひんやりとした少し柔らかく、
手触りのいい動くもの。
そっと目だけ動かし上を見ると
クリスタルのような美しい翼を持つ一羽の鳥が、
当たり前のように頭の上で胸を張っていた。
街中の視線が、
一斉にケットへ集まる。
「……嘘だろ」
誰かが、小さく呟いた。
お読み頂きありがとうございます!
更新も頑張っていきますので、よければ次も読んでいただけると嬉しいです




