episode15.少しの昔話とユノアリス
ようこそ!えけて。と申します!
初めての小説なので、温かい心で楽しんでいってください!
「えへへ、仲良いんだね」
「仲良くなんてないよ」
お世話になった人の友達と会えるなんて思ってなかった
あの人のところにいた頃、大きな屋敷にあの人と自分と、とお手伝いさんがたまに。
11歳から18歳まで住ませてもらっていたがその間、誰も訪ねてくることはなかった。
たまに不思議な匂いがあの人の部屋からしていたから、こっそり入ってきていたかもしれないが、
あの人が“俺は友達100人いるもんね”と自慢してきたことがあったがあまり信じていなかった。
(嘘だって思っててごめんね、
今度手紙で、ここで会ったこと教えてあげよう)
「なんだその顔は!あいつとは友達ではないからな!」
「はいはい」
まだ文句を言っているのを無視してケットは
この地を再び見渡した。
長く話していたが景色が変わらない。
あの精霊樹の空間と同じでじかんが止まっているのかもしれないなと考えながら、
無意識に絵を描くための画角を考えていた。
(やっぱ描くなら…)
意識は座ったままぷんすかとまだ文句を言っている動作がうるさいのを見た。
「ねぇ、ミストリア」
「ミスト様とでも呼べ」
「ミスト〜」
また文句を言い出しそうなミストを見ながら
「ミストの絵を描かせてくれ!」
と目を輝かせながら笑顔で頼むケット。
ミストは驚いた後呆れていた
「あのねぇ、私たちの姿を軽々しく残そうなんて考えるんじゃないよ」
ケットは目を丸くして昔を思い出した。
それがおかしくなり笑った。
「あはは!それ、あの人も同じこと言ってた!!
けど描きたい!」
「だめだよ!かかせないよ」
紙とペンを取り出したケット
だけど、紙が温泉の湯気でシワシワになっており、絵が描ける状態ではなかった。
「ほら、紙が描けないと言っているぞ」
ケットは手元のシワシワの紙を見ながら少し悲しい気持ちになっていた。
「あ、そっか…ここは同じなんだ…」
ケットは自分の年中雨しか降らない故郷を思い出しながら耳と尻尾を下げた
「……そんな顔をしても描かせないぞ」
(うっ……なんでこんな心が痛むんだ、
まるで赤子ではないか…いや私らからしたら赤子同然だが、そうではなく、
あぁぁぁぁもう!!!)
「………はぁぁぁぁぁぁ」
盛大なため息をつき、決心したかのように
ミストは魔法で紙を元に戻した。
「保護魔法、これで湿気でやられないはずだよ!!
投げやりに言い放った
「絶対あいつも描かせてやがったな…」
小声で何やらぶつぶつと言っていたが、ケットは感動でずっと紙を見ていた
「えっ、えっー!!すごい!!」
「ありがとう!!!!これで最高な一枚描くな!!!!」
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「動くなよ〜」
「注文が多い絵描きだねぇ」
そう言いながらも、
ミストリアは大人しく岩に腰掛けた。
湯気がゆらゆらと揺れ、
長い髪が白く霞む。
ケットは夢中で筆を走らせていた。
「……」
ミストリアはその横顔を見つめる。
不思議だった。
筆は世界樹に近いもの、あれは精霊樹の中でも上位が使われており、絵の具にも同じ力を感じる。
作った奴は精霊族の長かなにかか、と考えていた。
あの子自体、故郷の森の加護持ち…
考えるだけでも頭が痛くなるような存在だ。
(あんな経験をしているのに、自分が持ってる力を絵に使うなんてな、人を恨んでもおかしくないのに)
(元々の個が強いのはあるが…
よくそんな子を拾ってここまで腐らず、いい子に育てたもんだ)
私ら神族を見ても、
手帳の名を聞いても、
怯えず、欲を向けず、
ただ“綺麗だ”と言って描こうとする。
「……ほんとに親子みたいだな」
「ん?なにが?」
「独り言だよ」
ケットは首を傾げながらも、
また絵へと視線を戻した。
その無防備さに、
ミストリアは小さく笑う。
「ほんと、
厄介なのに好かれる子だねぇ」
ぽつりと零したあと、
ミストリアは頬杖をついた。
湯気の向こう、
真剣な顔で筆を走らせる狐を見る。
世界の厄介ごとへ、
自分から飛び込んでいる自覚もなく。
巻き込まれてる事も知らずに。
「こんな狐になんの魅力があるんだか…」
けれど、
その言葉とは裏腹に口元は笑っていた。
「ケットか…
今度あいつに自慢してやろ」
「ん?なんか言ったー?」
「別に〜?」
ミストリアが肩を揺らした瞬間、
長い髪がふわりと流れる。
「あーーーーー!!!
動かないでって言ったじゃーーーーん!!」
「細かいなぁ君!?!?」
お読み頂きありがとうございます!
更新も頑張っていきますので、よければ次も読んでいただけると嬉しいです




