episode11.ここはどこ?そして断崖絶壁へ
ようこそ!えけて。と申します!
初めての小説なので、温かい心で楽しんでいってください!
地図もなしに適当な方向へと歩いてはいるものの山道は慣れており、獣道や人が歩く道など区別はつくため、ケットは直感を頼りに進んでいく。
人が通る道を歩けば誰かに会えると思ったが全然出会えないため、ただひたすら進むしかなかった。
「ふぇー、せめて地図だけでも買えばよかった」
王都で買い忘れてしまったことを後悔しながら
森を進んでいると、ガザっと音がした。
「ん?」
耳をピンと立て、音が聞こえた方へ顔を向け観察をした。
「あれは…魔獣か…?」
そこには耳はうさぎだがツノが生えており、尻尾は長く先だけに毛が生えている。
大きさはだいたいうさぎくらいの大きさだが、多分魔獣の類だろうと思い
そちらへ向かわなかった自分を褒めた。
「じゃ、俺先行くね〜」
ケットは手を振り去ろうとした時
ぴょーんと魔獣がケットの足元まで寄ってきてはツノで足をツンツンとし始めた
「ちょっ!ちょいちょい!地味にね?地味に痛いんよ!!」
あまり刺激しても良くないと思いそっと離れようとするも足を突くのをやめない
「うぇ、どーしたの?お腹空いてるの?」
刺すなど食べようとしてくる感じはないのでとりあえず自分が持っていたパンを分け与えることにした。
「ここのパンは絶品だぞ〜」
「っっって!手まで食べてる!食べてるってば!!」
中腰でパンを差し出した手ごと噛みつかれ少し痛かった。
びっくりしたのと痛みで袋ごと落としてしまい、魔獣は落ちたパンを自分のところへ寄せ、全部食べられてしまった。
「そんなお腹すいてたんだね、お腹空くの辛いよね、」
「なぁ?お前なんて名前なんだ?1人なの?仲間は?群れ行動じゃない感じ?」
魔獣はケットの言葉がわからないのか首を傾げている。
「今度お前の名前調べるな!」
ケットは昨日行った図書館を思い出しあそこなら調べられそうだ、
むしろユーストマに手伝ってもらおうと考えた。
「今度お前の自慢してくるわ」
魔獣は満足そうにした後、
自身の角を折り、ケットへと鼻でぐいっと差し出した。
「えっ!?えぇぇぇ??
お前角折って平気なの?痛くないの??大丈夫なの??」
ケットは困惑のあまり尻餅をつき
撫でていいかもわからないので手も宙でわちゃわちゃしていた。
もう一度ぐいっと差し出された
「…ありがとうな」
角を拾い上げケットがお礼を言うと
魔獣はまた森へと跳ねながら戻っていった。
「…絵……描けばよかった…」
ふと、描けなかったことを思い、
記憶の新しいうちにスケッチをすることにした。
「忘れないうちに描かないと」
先ほどの魔獣のスケッチをし蝋で作られた手軽画材で簡単に色を塗り終え、
案外早くかけたのでそのままカバンにしまい道を進むことにした。
「あ、この木覚えてる!お前根っこがすごいんだよな〜」
良く転けそうになる、と言いながら他の木とは違い、一本だけくねくねと曲がっており、根っこも地面へと飛び出ている変わった木であった。
(なら、後少しで川があったはず)
見知った道を記憶を頼りに一旦川へ目指すことにした。
「…あ、川だ!」
少し進むと川が見えてきた。
今いる森から川は下にあり、迷わずジャンプなどをしながら勢いよく走り抜けた。
「水浴びー!!!!!!」
荷物などマントなどを脱ぎ捨て川はダイブした。
ケットの魔力は水と相性が良く、まるで受け入れてくれるかのように、冷たいなど感じるよりも気持ちいいと感じる。
「案外深くていいな!魚もいっぱいいる」
そういい、小魚などを魔法で周りの流れを止め捕まえやすいようにした。
水の中で手を広げると、流れがふわりと緩やかになった。
逃げ場を失った小魚たちが、くるくるとその場で泳ぐ。
「ごめんな〜、いただきます」
素早く数匹を掴み上げると、逃げないようにしっかり持ち水面へと上がり何処か平らになっている場所がないか探し、近くの石場へと移動した。
落ちてる枝を探しに周りを探索しながら、火起こしの準備をした。
「えっと、火…」
火打石を鞄から取り出し集めてきた枝へ火をつけた。
串代わりの枝を綺麗に洗い、魚を刺して焼き始めた。
パチパチっと音がして
香ばしい匂いが広がる。
「うわ、絶対うまいやつじゃん」
「いただきます」
しっかりと手を合わせ、自然に感謝しながらいただく
味付けなどはないためそのまま豪快にかぶりついた。
「んんんっま!!」
外はパリッと、中はふわっとしていて
川の恵みをそのまま味わうようだった。
「火加減バッチリだったな!」
買ってあったパンと一緒に魚を食べた。
数匹食べ終え、満足そうに息をつく。
「ふぃ〜…美味しかった…」
少しづつ日も落ちはじめ、進むには暗くなってくるため寝る場所を探す。
「さすがに、ここでは寝られないか」
川辺は見晴らしが良すぎるため
進む先に森へと戻れそうな道があるため少し進む。
「おっ、ここから戻れそう」
森と川は段差になっており、森に戻るためには自分の2倍くらいほどの高さはあった。
下は簡単だが上りは暗いこともあり斜面になっているところから戻った。
そのまま進み、少し開けた場所に着いた。
魔獣など、他の人間の足跡などがないからチェックをしカバンから大きめの布を取り出した。
「場所借りるな」
立派な太い木に触れながら
話しかけるように言葉をもらした。
「お前を信頼してるぜ〜」
ケットは木に登りながら
太い枝に布を縛り付けハンモックを作った。
魔獣など人が通るような場所では高いところで寝るようにしており、
そのままハンモックに身を包まれ目を閉じた。
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「ふぁー……よく寝た…」
顔に朝日が当たり目が覚めたケットは
寝ぼけて入るものの慣れた手つきで布などを片付けた。
「ありがとうな!」
木にお礼を伝えその場を後に足を進めた。
残りのパンを齧りながら森を進む。
時間に縛られていないのんびりな旅
村や街に行き人と関わるのも好きだが、何もない時間や自然をただ歩くのも好きだった。
「空気が気持ちいいな〜」
「………ん〜」
けど、緑を見ていると少しモヤモヤした気持ちになっていた。
雨を見る時と同じ気持ちだった。
「確かに気持ちいいのにな…」
道に落ちてた木の棒を拾い
線を描きながら進むんで見たり、振り回したり気分を紛らわした
「…わからん!わからんことは気にしない!」
「…………ん?」
その時
ふわりと、風が変わった。
川の流れとは違う方向から、
ほんのりと“暖かい空気”が流れてくる。
「なんだ?」
ケットは立ち上がり、耳をピンと立てた。
(あっちか…?)
暖かさを感じる方へと歩き出す。
進めば進むほど、空気が変わっていく。
湿り気を帯びた、柔らかな熱。
だいぶ歩いただろうか、森の中にある小さな小川がありそれに沿って進むと
そこには
白い湯気をあげながら流れ落ちる、“滝”。
だがそれは水ではなく湯だった。
「……は?」
近づけば、ほんのりと硫黄の香りがする。
滝壺からは温かな湯気が立ち上り、
周囲の空気ごと包み込んでいた。
「温泉の……滝?」
ケットはしばらくぽかんと眺めたあと
にやり、と笑った。
「ってことは、この上にあるかな?」
誰に言うでもなくその場で呟く。
腕をぐるぐると回し準備運動を始めた。
「いいねぇ!そういうの嫌いじゃない!」
岩場に手をかけ、一気に飛びつく。
「熱っ!?いや、ちょうどいい?どっち?」
湯しぶきを浴びながら、
滑りやすい岩を蹴り、手を伸ばし進む。
途中から霧で手元が全く見えなくなるも、感覚を頼りに登っていく。
そして何度か足を滑らせながらも
「っしゃああああ!!」
ついに滝の上へとよじ登った。
その先に広がっていたのは
湯気に包まれた、大地。
あちこちから立ち上る白い煙。
木造の建物と、石畳の道。
そして、穏やかな熱に満ちた空気。
「ここが…」
ケットは目を細めた。
「ユノアリスか…!」
その頬に、ふわりと温かな風が触れた。
お読み頂きありがとうございます!
更新も頑張っていきますので、よければ次も読んでいただけると嬉しいです




