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神ゲーのヒロインになりました  作者: 若狭巴


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13/18

太陽と嵐を司る神


ヴィオレットと護衛の四神との関係が変わり始めたのは、七回目の護衛からだった。


まるで示し合わせたかのように彼らは自分に対して積極的にかかわり始めた。




「なぁ、食事をしないか」


太陽と嵐を司る神は突然そう言った。


花のお世話をしていたヴァイオレットは聞き間違えかと思い「今なんと言いましたか」と尋ねた。


太陽と嵐を司る神はにこやかに同じ言葉をもう一度言った。


「食事をしないかと言った」


「髪に食事は必要ないはずです。したいのでしたら、おひとりでしてください」


ヴァイオレットは言いたいこと言うと太陽と嵐を司る神に背を向けて仕事を再開した。


「俺は君としたいのだが」


太陽と嵐を司る神は諦めることなく遠回しに「食事をしよう」と誘ってくる。


「生憎、仕事がありますので」


ヴァイオレットは太陽と嵐を司る神に顔を近づけられても動じることなく淡々と言う。


「では、終わったら……」


「おひとりでしてください」


ヴァイオレットは言葉を被せ、太陽と嵐を司る神が最後まで言葉を言えないようにした。


いったいそんな心境の変化があったのか、その日から太陽と嵐を司る神は毎日食事を共にしようと誘ってきた。


最初の頃は軽くあしらうことができたが、最後の方は顔には出さなかったが迷惑だと感じるほど鬱陶しく思っていた。


なぜあの神は自分に構うのだろうか。


最初の時のように遠くから眺めていればいいのに、と思った。


お互いに自分の仕事を全うすることにだけ集中するべきだ。


本来なら関わることはなかったのだから、今が例外だとしてもわざわざかかわる必要はないとヴァイオレットは考えていた。


だが、太陽と嵐を司る神はそう思っていないのだろう。


明日からは海と風を司る神と交代になるためいいが、次のときまでこんな風に付きまとわれるのは御免だと思わずにはいられなかった。






「何が気に入らないのだろうな」


太陽と嵐を司る神はヴァイオレットが一度も食事を一緒にしてくれないことに不満を持っていた。


今までの女神は微笑んだだけで目を輝かせ、悲鳴を上げた。


自分に誘われたら喜んでついてきた。


運命の女神はいつも表情が変わらないが、今回の護衛の期間中の最後の方はほんの少しだが、眉間に皺をよせ嫌がっていた。


まるで迷惑だと言わんばかりの顔をした。


「何が気に入らないんだ」


太陽と嵐を司る神はもう一度同じ言葉を呟いた。


そもそも、なぜ自分が運命の女神のことをこんなに気にしているのかわからなかった。


最初は特に興味もなかったはずだ。


初めて運命の女神を見たときは美しい女神だと思ったが、神は美形が多い。


それでも運命の女神に対してそう思ったのは、他の女神とは纏う空気感が違ったのもある。


それもあって美しい、いや、綺麗だと感じたのかもしれない。


最初は護衛をするつもりなんてなかった。


ただ、女神でありながら強い力を持ち、天界の中で唯一隔離された場所のためそこを見てみたいという好奇心だけだった。


まぁ、下心がなかったと言えばうそになるが。


運命の女神は生まれた時から隔離されている。


あの美しい女神の純潔を自分が最初に奪えたら、他の神々の悔しがる顔を見ることができると思った。


だが、運命の女神は一度も自分に興味を示すことなく空気のように扱った。


花以外に興味はないと言わんばかりに運命の女神は花しか見ていなかった。


プライドが傷つけられた腹いせに彼女の気をひこうとしたのか、太陽と嵐を司る神には判断ができなかった。


こんな気持ちになるのは初めてで、神は何でも生まれた時から知っているのに、この感情の正体だけはわからなかった。


太陽と嵐を司る神は自身の神殿の寝室で大きなベッドの上で寝転がりながら、今は海と風を司る神と一緒にいるのかと想像するだけで心が締め付けられるように痛み出した。


「なんだ。これは?」


産まれて初めて感じる痛みに太陽と嵐を司る神は困惑した。


汚れた存在と戦った時ですら、こんな痛みを感じることはなかった。


その痛みはすぐに治まり気のせいかと思ったそのとき、ダリアが入ってきた。


「お疲れ様です。リベス様。お会いしたかったです」


ダリアはリベスの横に寝転がり、抱き着いた。


「たった一カ月なのに、とても寂しかったです」


ダリアは甘えるように囁くと、リベスに口づけしようと顔を近づける。


いつものリベスならそれに応えるように口づけをし、楽しい時間を過ごすが、今はそんな気分になれず、されるがままの状態だった。


ダリアは一瞬、そんなリベスに固まるも、すぐに口づけを何度もし、自ら積極的に動いた。


最後の方はリベスも快楽に抗えなくなったのか、自分から動き出した。


ダリアはいつもとは違う趣向も悪くはないと思いながら、リベスの逞しい腕の中でほほ笑んだ。


最初はリベスが運命の女神の護衛につくと言ったときには焦ったが、変わらず自分を愛してくれるので、結局最後は自分が選ばれると確信し、一時の気の迷いには目をつぶることにした。


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