表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
7/45

福利厚生

ノエルはマスターに呼ばれた

なぜか応接室で依頼書を受け取る


内容はシンプル

不審人物をおびき出すため囮になってほしい

依頼料は福利厚生の一環とだけかかれている


「護衛から妙な報告を受けてね 君の目で迷惑か確かめてから対処したい」

私が得する依頼を私が受けるという奇妙な状況だ

「あ~はいお願いします」

何も分かって無いのに返事する


――


ノエルは「ブヒブヒ」と鼻を鳴らしながら喜ぶストーカーと歩いていた

男はホワイトギルド(前の職場)の頃から、しつこく付きまとっていた

ギルドを辞めた原因だ

「ノ、ノエルちゃん!一緒に食事楽しみだっねっ!ブヒ」

顔を赤らめたストーカーが奇妙な笑い声を漏らす

ノエルはニコニコと愛想笑いを浮かべながら答えた

「ウン ソウダネ~ あっ コッチの角曲がった所ダヨ~」

薄暗い路地裏に案内する


ノエルが右手を上げる

──次の瞬間

背後から現れたギルドの職員たちが、音もなく男を連れ去って行く

ノエルはその様子につい覗き込んだが、護衛さん達が「大丈夫ですよ」と手を振ってきた


「職場だけじゃなくプライベートの安全も守ってくれるなんて!良いギルドだな~」

ノエルは福利厚生に感激する

「ちゃんと叱ってもらって、もう付きまとって来ないと嬉しいな」


ギルドの記録係が失踪者リストに新しいページを追加する

【路地裏 ゴミ収集+1】


――


翌日

闇ギルド内は妙な緊張感に包まれていた

情報が回っていたのだ──「ノエルが護衛班にクッキーを焼いてきたらしい」


「護衛じゃなくて処理なんです、すみません」

「そういうの受け取る価値無い人間なんです」

それぞれイメージトレーニングしながら、マスターに言われた部屋で待つ


「こんにちはーっ!」

ノエルがニコニコ現れた

手にはかわいくラッピングされた袋

「護衛さんたち毎日ありがとう!私からの感謝の気持ちだよ!」

「みんなにも配ってね!」

ノエルは楽しそうに言い残しぴょんぴょんと去っていった


「何も言い返して無いのに嵐のように去って行った」

だが──胃は痛かった

いやっ、クッキーのせいでは無い、これは罪悪感だ

無邪気に感謝してくれる少女

その笑顔の裏で俺達がしている事


「辞めようかな」

と言う奴も居たが、マスターの殺気が部屋まで届き静かになった


クッキーを食べる

甘いのにちょっと焦げてほろ苦い

「俺、もうちょっとこのギルドで頑張ってみよう」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ