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底辺フィギュア作家の俺が不遇職の人形遣いになって異世界無双  作者: 国米


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深淵の迷宮 ホムンクルス

「まさか・・・転移の罠(テレポーター)?」


少しの違和感の後、目の前の景色が突然変わった。

もし、罠の事を知らなければ今の状況を理解するのにもっと時間がかかっただろう。


自分の考えが正しいのか、ゆっくりと周りを見て確認する。


(ここは通路じゃない・・・それに周りにいた仲間達も消えている。)


私の考えに間違いないようだ。

それなら、これからどうすればいいかを冷静に判断しなければいけない。


(まずはその判断材料として周囲の探索が必要ね。)


まずは全体を確認してみる。

かなり広い部屋で、迷宮内と違い明るい。

そして、壁も床も白くてし綺麗で空気も澄んでいる。


(こんな事があるのね。古代人の文明の力というわけかしら。)


次は部屋内部の物について確認してみる。

机や椅子などが配置されており、近くの本棚には本がぎっしりと詰まっている。

不思議な事に劣化はまるでしていない。


そして、一番気になるのは部屋の真ん中に横たわっている、よくわからない大きな透明の筒である。

10個ほど円を描くように配置されており、周囲には謎の線や管など繋がっており、中央の柱のようなものへと収束している


(何かしら・・近くに寄らないとよくわからない。)


周りを警戒しながら、恐る恐る謎の筒に近づいて、中を覗き込む。


(えっ!これは・・・人?)


なんと透明な筒の中には人が入っていた。

驚きはあったが、何か違和感を感じてよく確認する。


身長170cmぐらいで、顔は中性的で細身で筋肉質。

男性の象徴はなく、胸のふくらみもない。


(これは人じゃない・・・ホムンクルスね。)


今回アーシャさんから頼まれていた遺物である。

初めて見たが、知識としては知っていたので間違いない。

他の筒も確認してみる。


(他は全て空だわ。なぜ1体しかいないのかしら。)


初めから空だったのか、それとも何かしらの理由でいなくなったのか・・・考えていてもわかるはずがない。


(一体しかいないのは残念だけど、依頼としては問題ないか・・・。ただ運ぶにはパーティとの合流は必要ね。とにかくこの部屋から出ないと・・・)


だが周りの壁を確認したが、扉らしきものはない。


(一体どうやって出入りするのかしら・・・。まさか罠でランダムにここに来るまで粘るとかじゃないでしょうね?)


どうしようかと悩んでいると、声をかけられた。


「〇・・・△×・・?」

「えっ!何?」


驚いて声の方向に振り向くと、小柄な女の子がいた。

いや・・・女の子ではないが男の子でもない・・・なぜか裸で白いボサボサ髪の何者かがいた。


(いつの間に?誰かいるような気配はなかったけど・・・)


「△・・・×△・・・〇」


言葉がわからない・・・古代語だろうか?

ただ、その正体はわかる・・・ホムンクルスだ。


(話しかけてくるという事は、敵対する意思はないという事かしら・・・。)


とりあえず対話を試みた。


「私はクリスタニアと言うの。あなたのお名前は?」


言葉を理解させるのは難しいので、自分と相手を指さしながら名前を聞いてみる。


「・・・クリスタニア?・・・なまえ?」

「そうそう、それが私の名前。あなたのお名前は?」

「なまえ・・・エル・・・」


名前らしい単語を引き出したが、通じたのだろうか?


「エル・・・それがあなたのお名前?」

「そう・・・それがエルの名前。」


(さっきよりもハキハキと話しているけど・・・もしかして理解している?)


「じゃあ、エル。聞きたい事があるのだけれど、この部屋から出る方法ってあるの?」

「でる・・・・ほうほう・・・・」

「外に私の仲間がいるの。会いたいのだけど、この部屋から出れないの。だからこの部屋からでたいの。」

「なかま・・・・あいたい・・・・」


身振り手振りを踏まえて、会話を試みるがやはり伝わっているようには見えない。

それからも色々問いかけてみるが、ずっと聞くだけで何も答えてはくれない。


「会話は無理みたいね。どうしようかな・・・」

「・・・なかま・・・」


するとエルはまた謎の言葉を話し始めた。


「〇・・・△・・×・・・〇」


また古代語だろうか?


「いや・・・もしかして呪文?」


気付いた時にはすでに遅く、エルの姿は一瞬で消えた。

透明になったわけではない・・・本当に消えたのだ。


「信じられない・・・まさか転移魔術なの?!」


古代人は転移装置を作っているのだから、当然転移魔術を使えてもおかしくはない。

特に元々魔術の才能を生まれ持って生み出された人造人間・・・ホムンクルスならなおの事だ。


「なるほど・・・ここに扉がない理由がわかったわ。転移魔術でしか入れない部屋だったのね。」

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