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底辺フィギュア作家の俺が不遇職の人形遣いになって異世界無双  作者: 国米


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深淵の迷宮 選択

俺は決意を新たに重い腰を上げて、ある人物に近づいた。


「ライマンさん、隣いいですか?」

「は?」


選んだのはライマンだった。


俺に女性に話しかけるなどハードルが高すぎた。

嫌われていても・・・いや嫌われているからこそ、何を言われても傷つかないライマンを選択してしまったのである。

もし、恋愛ゲームでこの選択肢を選んだ場合、誰とも仲良くなれないバッドエンドルートである。


(とりあえず話しかけたからには、仲良くする努力をするか・・・)


彼は元貴族でプライドが高い。

機嫌を損なわないように、丁寧語で出来るだけ下手に出た話し方をする事にした。


「僕に何か用か?」

「えー・・・少し聞きたい事がありまして・・・」

「聞きたい事?」


(話すといっても俺の話題になると面倒な事になる。相手への質問から話題を広げるか・・・)


「俺はパーティに入ったばかりなので、色々聞きたいのですが・・・ライマンさんはこのパーティに入って長いのですか?」

「・・・まだ半年ぐらいだ。」

「半年・・・思ったより短いですね。その前は他のパーティに?」

「まあ、それなりに色々なパーティに入ったが、生まれが卑しい冒険者は粗野で下品だからどうしようもない。それに・・・」


その後も文句は続いたが、要約すると・・・・・・色々なパーティを転々としたらしい。

その原因は、彼自身のプライドの高さとその物言いに問題がありそうだが、肯定しておく方がいいだろう。


「なるほど、それは仕方ないですね。」

「そうだ・・・仕方ない。だから、僕に相応しいパーティがないか冒険者ギルドに頼むと、このパーティを紹介されたのさ・・・魔術師が必要だったらしいからな。」

「つまりパーティに誘われたというわけですか?」

「本当は女性の魔術師を望んでいたらしいが、女性の冒険者自体が少ない上に魔術師はさらに少ない。冒険者は一攫千金があるとはいえ危険すぎる。英雄願望がある男ならともかく、女性はよほどの事情がないと誰もなろうとは思わないだろう。」


(たしかに・・・ゲームとかなら女性の冒険者が多く存在していたりするが、実際は対格差や気性など考えると女性は向いてない。)


「となると・・・クリスタニア達は何か事情があって冒険者に?」

「クリス嬢は貴族の出自で、何か事情があるようだが・・本当のところは僕にもわからないな。パーティリーダーとしては礼儀正しく冷静で今までの冒険者とは違う。ただ、あのガーネットという大女は僕の事をいつも睨んでくるから好きになれない。」


(なるほど、クリスタニアは立ち振る舞いに品がある感じがしたが、貴族だったからか。そして、ガーネットは昔からの護衛役といった感じか?冒険者になった目的は没落した、家の再興のため?)


なんとなくだが、このパーティの事がわかった。


「色々教えてくれてありがとうございます。」

「・・・いや、何かお前は他の冒険者と違うな・・・だからといって貴族とも違う。」

「そうですか?よくわかりませんが。」


(彼は俺に違和感を感じているようだ。まさか転生者だとはわからないと思うが・・・)


「そういえば・・・さっきは助けてもらってすまなかった。」

「え!ああ・・・いいですよ。同じパーティ同士助け合いですよ。」

「僕も貴族としての礼儀を忘れていたようだ。ありがとう、助かった。」


そう言うと彼は深々とお辞儀をした。


(そんな人間とは思わなかった。ちゃんと話さないとわからないものだな。)

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