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底辺フィギュア作家の俺が不遇職の人形遣いになって異世界無双  作者: 国米


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深淵の迷宮 はじまり

深淵の迷宮に通じる地下の入口に、冒険者達が並んでいた。

2人の兵士が冒険者達の【冒険者資格証】を確認しているようだ。

1人は細身、もう一人は体格のいい男だった。


(この迷宮はランクD以上じゃないと挑戦できない。それを選別するためか。)


俺は持てるだけのパーティの荷物を持ち、クリスタニア達と一緒に列に並ぶ。

列は順調に進み、後少しの所で前の方で揉め始めた。


「おい!勝手に仲間のフリするなよ!」

「いいじゃん。仲間にいれてよ~。私の名前はリアナ!なんでもするからさ~。」

「迷宮は4人単位で入ると決まっているんだ!それにお前ランクFじゃないか!」

「ケチ!」


どうもランクD以下なのに他のパーティに便乗して入ろうとした奴がいたらしい。

どんな奴が気になって、覗き込むと小柄な女の子が不貞腐れた様子で列から追い出されていたところだった。


(あんな小さな子が冒険者?年齢制限は何歳からなんだろう?)


ランクFらしいから冒険者になったばかりとはいえ、少し気になった。


ついに俺達の番になり、細身の兵士が話しかけてきた。


「あー【冒険者資格証】見せて。」

「はい、お願いします。」

「ランクE?駄目だよ、ここはランクD以上で・・・」

「すみません、彼は荷物持ちで雇っているので問題ないです。」

「あーそういう事・・・ん、もう一人の男の子は?」

「それは俺の人形です。人形遣いなので。」

「たしか人形は大丈夫だったな・・・つまり彼を入れて4人だから転移装置も問題ないね。」


(転移装置?何の事だ?)


彼が合図をすると、入口を防ぐように立っていた大柄な兵士が道を開ける。


俺達は彼に睨まれながら地下に続く階段を降りると、大きな広間に出た。

そこでは、また冒険者が列を作っており、その先には魔方陣らしきものがあった。


「まさかあの魔方陣が転移装置なのか?」

「そんな事も知らないとは・・・この迷宮はあの3つの魔方陣から転移して各エリアを探索するんだ。そしてその先にも魔方陣があるから無限に道があり、それ故に100年経ってもすべてを攻略できないのさ。」


(地下に潜っていくわけではないのか・・・いまだに攻略出来ないから地下1000階ぐらいあるのかと思ったが、文明レベルが高い古代人とはいえそんな迷宮は作れないよな。いや・・・転移装置なんていう物を作る方がとんでもないか。)


「しかし、それだとどこに飛ばされるかわからない。迷い込んだら出られないのでは?」

「分かっている部分はちゃんと地図が配布されている。」


ライマンは俺に紙の地図を見せてきた。


(紙の地図って・・・ローカルすぎる。しかし頼るしかないか・・・昔のゲームだとダンジョン形状を方眼紙に手書きしてたなあ・・・)


懐かしい記憶が蘇った。

あの時はリアル迷宮に潜るなんて想像もしなかった。


「とにかく行きましょう。」


また俺達は列に並び、静かに順番を待つ。


(また順番待ちか。これから命のやり取りをしに行くのにテーマパークで待つ観光客の気分だ。)


どんどん緊張感が削がれているのを感じた。

大丈夫だろうか?


やがて出番が来て、魔方陣の近くで待機している兵士に話しかける。


「私達はランクCエリアでお願いします。」

「ランクC?ランクDの冒険者は通せないよ。」


するとクリスタニアはそっと手紙を渡す。


「なんだ・・・冒険者ギルドから・・・ランクC・・・承認。」

「どうでしょうか?」

「チッ・・・冒険者ギルドからの口利きか。ルールを守れと言いながら・・・」


(冒険者ギルド・・・いやアーシャが根回ししたのか?)


「魔方陣の中に入れ。一度に4人までしか転移出来ないから余計な奴は入るなよ。その場合どうなるかわからんぞ。」


(4人までしか転移出来ない・・・だから4人パーティが多いのか。もしそれ以上だとどうなるのか・・・もしかして体がグチャグチャになったりしたりして・・・)


想像すると寒気がした。


魔方陣に入ってしばらくすると、体の感覚が一瞬消えうせ別の景色が目の前に映った。

周りを見ると明らかにさっきまでいた場所とは別である。

体を動かしても異常はない。


(凄いな・・・これがあるだけで、あらゆる問題は解決しそうだ。)


「おい、早くいくぞ。荷物持ちが遅れるな。」


彼らは何もなかったように、歩き出す。

俺の驚きと感動も、彼らにとっては日常なのかもしれない。

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