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底辺フィギュア作家の俺が不遇職の人形遣いになって異世界無双  作者: 国米


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商業区

「ここが商業区か。」


商業区・・・この都市のあらゆる物が集まる場所である。

そのため、どこに何があるのかが理解するのが大変である。

もちろん、探している服屋もなかなか見つからない。


『服などなくても問題ないぞ。』

『俺には問題あるんだよ。』


一応イフリートには全身を隠すローブを着用させているが、その下は素っ裸である。

人形とはいえ、変な趣味な奴と勘違いされてしまう。

いや・・・人形に服を着せる奴のほうが変な趣味なのか?・・・わからなくなってきた。


(とにかく人が多い。まいったなあ・・・これでは日が暮れてしまうぞ。)


自分が無計画なのを反省しつつ、人の波をかき分けて目的の店を探す。


(今日はとにかく店を探す事と品定めを中心にして、購入は明日にするか・・・。)


その時近くで誰かが騒ぎ始めた。


「ちょっと、あなた・・・謝まりなさい!」

「ああ!ちょっと当たっただけだろうが!」


そちらを見ると、男性と女性が揉めていた。

どうも肩がぶつかったとかの理由らしい。

男性の方は大柄で筋肉粒々、見た目だけでかなり強そうだ。

それに比べると女性はかなり小柄に見える。

もし喧嘩となれば、女性が危ない。


(これは止めないとマズイぞ。)


「喧嘩か?」

「あの女、大丈夫か?」

「誰か止めろよ!」


周囲の者達は口々を好きな事を言うが、誰も助けに行こうとしない。


(ここは俺が行くしかないか・・・一応レベル29だから、何とかなるはず・・・)


しかし、強い力を与えられても精神までは鍛えられないようで、足がすくんで動かない。

すると隣にいたはずのイフリートがスッと大男の前に現れた。


「ん・・なんだお前は!」


イフリートは何も言わずに右手を前にだし、指でクイクイと相手を挑発した。


「いい度胸だ!」


その挑発に怒りを爆発させて、大男の剛腕パンチがイフリートを襲う。

周囲の民衆は小柄な少年の体が吹き飛ぶ姿を想像し、顔をそむけた。


「な・・・なにぃ?!」


大男は驚愕していた。

なんと奴のパンチは人差し指一本で止められていた。

いや・・・正確には人差し指が拳に刺さっていた。

指の何本かは折れて、変な方に曲がっていた。


「いてぇええええええ!」


手を抑えて痛がっている。

さらに無防備な腹に素早く一撃を入れる。


「おげぇえええええ!」


大男はあまりの苦しさに地面を転がり、ゲロを吐き散らかしながらのたうち回った。

イフリートはその光景を見て、表情を曇らせた。


『頑丈そうだから、この体を試せると思ったが・・・思ったよりもろかったな。』


その光景に周りはあっけを取られたのか静まり返っている。

大男の叫び声だけ、響き渡っている異常な光景だ。


『イフリート、やりすぎじゃないか?』

『一発目で相手の肉体強度は把握した。二発目は手加減した、問題ないはずだ。』


一通り叫び終わって、肩で息をするぐらいには回復した大男だが、もう戦いどころではないようだ。


「おい・・・大丈夫か?」


遠巻きに見ていた民衆のなかに取り巻きがいたらしく、駆け寄って大男を連れて行った。

物珍しさで見ていた連中も蜘蛛の子を散らすように去って行った。


(結構な事があったと思うが、ここでは珍しくないのか?)


俺が駆け寄ろうとすると、助けられた?女性はイフリートの手を握って話しかけていた。


「凄い・・・あなたは何者なのですか?」

「・・・。」

「あの男を簡単に倒したのは、特殊な格闘技か何かなのですか?」

「・・・。」


(そういえば、イフリートは普通に話せなかったな。)


『この女をなんとかしてくれ。』

『わかった。』


「ああ、その・・・大丈夫だったかい?」

「・・・あなた誰ですか?話しかけないでください。」


さっきまではしゃいでたとは思えない程の冷めた態度で俺に冷たい言葉を放つ。

まさに別人である。


「ああ、その・・・その子は人形なんだ。だから話せないよ。」

「人形?」


そう言うと彼女はマジマジとイフリート見る。


「人形?何を言っているのですか?」


当然の反応である。

俺から見ても人間にしか見えない。


(わかってもらうにはどうするか・・・こうするしかないよな。)


彼の付けているローブをめくって下半身を露出させる。


「あ・・・ああ・・・何をするんですか!」


彼女は慌てて手で目を覆う。

ただ興味があるのか手の隙間からチラチラと見ていた。


「えっ・・・これは、男性器が・・・ない?」


さっきと違って彼の下半身を凝視する。


「まさか・・・女性?でも何か違う・・・」

「人形だから、不必要だと思ってつけなかったんですよ。疑うなら全身を見せましょうか?」

「あなたは一体?」

「俺は人形遣いです。彼を作ったのも俺です。」

「人形遣い・・・聞いてはいたけど、こんなに操る人形って精密なのね。」


「俺の名前はダロスといいます。この子はイフリ・・・いやイフといいます。」

「ああ、そうなのね・・・私の名前はクリスタニアです。」

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