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底辺フィギュア作家の俺が不遇職の人形遣いになって異世界無双  作者: 国米


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戦士アルダン

「よう!ダロスじゃねえか!待ってたぜ!」


声をかけてきたのは、ダロスを見捨てたパーティのリーダー【アルダン】である。

大柄な体で俺を通せんぼするように待ち構えていた。


今一番関わりたくない相手である。

ただ、相手も俺には関わりたくないはず・・・それなのに話しかけてくるのは、何か意図があるとしか思えない。


(とりあえず意図を確認するために、話すしかないか。無視すると粘着されそうだ。)


「アルダン、何か用か。人を捨て駒にしておいてよくも話しかけてきたな。」

「・・・すまん・・・」

「何だって?」


すると、奴は頭を深く下げて、


「その件についてはすまなかった。俺も生き残りたくて酷い事をした。」


と謝罪してきた。


俺はその行動に動揺した。

なぜなら記憶に残るアルダンは我が強く、素直に謝るような人間に見えなかったからだ。


(何か企んでいるのか?)


「とにかく、こんな所では邪魔になる。椅子に座って話そう。」

「わかった。」


奴は俺の提案を素直に聞き、空いている長椅子に座った。


(ここなら、何を企んでいても周りに人がいるから下手な事はできないだろう。)


俺は奴が話し始めるのを、とりあえず待ってみた。

奴は足を小刻みに動かしたり、腕をしきりにこすったりしながらこちらをチラチラ見たりするだけで、何も話さない。

仕方なく、こちらから話しかける事にした。


「何の用で、話しかけてきたんだ?謝罪したいだけか?」

「ああ・・・いや、もちろん謝罪をしに来たんだが、お願いしたい事もあってな・・・」

「お願い?」

「実はここには新しく発見した遺跡の報告に来たんだが・・・その報奨金として金貨30枚を手に入れてな。」


新しい遺跡の発見はかなりの偉業であり、報奨金として大金が払われるシステムになっている。

金貨30枚=300万なのでなかなかの大金である。


(まさかそれを独り占めしたいとか言うつもりだろうか?正直いって、こいつとは関わりたくないから、それで縁をきれるならいいかもしれない。ただ、奴がただ得をするのもシャクにさわるな。)


「まさか、俺に分け前なしとか言うんじゃないだろうな?人を捨て駒にしておいて・・・」

「いやいや、それはない。実は報酬の半分の金貨15枚を渡そうと思って話しかけた。」


(報酬の半分をくれる・・・意味が分からんぞ?何を企んでいる?)


「半分か・・・たしかに捨て駒にされた報酬としてはそれぐらいは貰わないとな。ただ、そちらは、お前も含めて3人だ。他の連中が黙っていないだろう?」

「いや・・・他の2人は死んじまった・・・」

「死んだ?」


「ああ、あの遺跡から逃げのびた後、都市に帰る途中でキャンプをしていたらワーウルフ2匹に襲われてな。俺はたまたま、その・・・小便のために仲間と離れていてな。なんとか隠れてやり過ごしたが、他の連中は殺されちまった。」


この展開は想像できなかった。

魔物の森は魔物が出没する場所ではあるが、遺跡探索以外に魔物を倒して魔石を回収して儲けている連中もいるので、実は遭遇率は高くない。

しかもワーウルフというのが気になった。


(もしかして、逃がした魔物遣いがワーウルフを使って始末したという事も考えられるか?)


想像でしかないが、なくはない。


(もしかして復讐のために、俺を狙ってきたりしないよなあ・・・)


「そういうわけで、これからはまた仲間を集めなきゃならない。そこで悪い評判が流れるとまずい事になる。」

「・・・口止め料というわけか?」


奴は黙ってうなずいた。


「それと遺跡発見者には優先的に遺跡の探索が認められ、回収した遺物もある程度好きな物を貰う事ができる。」

「その権利を独り占めしたいというわけか?」

「そうだ。勝手な願いだと思うが、了承してくれないか?」


あの遺跡には強力そうなゴーレムやその他有用そうな書物や魔石などがあった。

報奨金とは比べ物にならない富が手に入るだろう。

思ったより、なかなかしたたかな奴のようだ。


「ちなみに死んだ連中はどうする気だ?死体を回収して復活させるのか?」


本来は死んだ人間は生き返らない、当たり前の事だ。

ただ、この世界では教会の僧侶たちに頼めば、死体の状態や運が良ければ生き返る事が出来るらしい。


「死体の回収はもう頼んである。ただ、復活には最低でも金貨100枚は必要だ。そんな大金は用意できない。すまないが、死体は遺族に引き渡して終わりだ。」


彼の言う事はパーティの判断としては妥当である。


(思ったより理性的だな。乱暴に見えたのは、自分を大きく見せるための威嚇だったのかも知れない。)


「それで手を打とう。そのかわり、二度と俺には関わってくるな。」

「わかった、もう二度と話かけもしないし、関わりは持たない。」


俺は金を受け取り、そのまま振り返らずに出口へと向かった。


遺跡探索の権利を譲渡したのは惜しかったが、必要なものはだいたい手に入れた。

あそこから何かが無くなった事も、元の状態を知らない限りわからないはずである。


(これが正解のはず・・・とにかくこれからだ。)


俺は未来へと歩き出した。

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