その30 ゲームをクリアしよう!
「「「おめでとうございます!!」」」
「……え、なに?」
ミウミウが消えた途端に、パーンと破裂音がしたと思ったら、櫻井村の住民たち全員が現れて、口を揃えて私に称賛を送ってきた。
全員が、同じ角度で、同じ笑顔で、こちらを向いていた。 ホラーかよ!
全員を見渡した。 私の頭の奥で、何かがぷつりと切れるのがわかった。
「ふざけるな! エタナ!」
私は、天に向かって叫んだ。
「出てきなさいよ! これ、あんたの演出でしょ!? クリア演出でしょ!? 人を使ってやってんじゃないよ!」
ーー突然、天井が、見えた。 いつもの景色、私の家だった。
私は、ベッドの上にいた。 仰向けで、布団をかぶって、パジャマを着ていた。
「ハア? ……夢オチかよ」
「瑞稀! 近所迷惑でしょ!」
ノックもなく扉が開いた。 ーーお母さんだった。
「瑞稀。 貴方、またなの……」
「……」
お母さんは部屋の中を見渡して、机の上に置いてあった宝くじを見て、眉を寄せた。
「瑞稀。 また宝くじなんて買って、お小遣い無駄にして……」
お母さんは、ぶつぶつと何かを言いながら、扉を閉めて去っていった。
私はベッドに座ったまま、手のひらを見ていた。 夢の内容は全部、覚えていた。
ーーまるで、さっきまで体験していたように。
スマホを手に取った。 画面を点けた。 電話をかけるーー美羽へ。
「……もしもし」
「瑞稀? こんな時間にどうしましたの?」
「迷惑だった?」
「いいえ! 瑞稀からの電話なら、いつでもウエルカムですわ! ……でも」
ーーどうして、突然電話を下さったのかしら?
美羽が問いかけた、言葉に私は応えた。
「……別に、ただの気まぐれだよ」




