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倉石瑞稀と100の高校生活でやりたいこと  作者: Masa(文章力あげたい)
最終章

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その19 試練に挑もう!

 まずは練習だ。 私は縁側に腰を下ろして、足元に置いた鍬を見つめた。


(銀の鍬  土を耕す。 銀製のため、硬い土でも刃が通る)


 視界の端に、文字が浮かんだ。 これが注視かーー 見ているだけで、頭の中に意味が流れ込んでくる感じだ。 


 便利だけどさ、なんか気持ち悪いんだけど。 ーー次に、カブを見た。


(瑞稀印のカブ  プラチナ品質。 第三十七回品評会 作物部門優勝)


 アイテムにも、そして作物にも使える さて、次が本題だ。


 最初の標的は、雑貨屋だった。


「あら〜 瑞稀ちゃん。 いらっしゃい〜」

「こんにちは」


 私は、挨拶を返しながら、望美さんの顔をじっと見た。


(小川望美  雑貨屋の店主 好物:鵠沼灯磨 嫌物:恋敵 好感度:低)


「……」

「なあに〜? 私の顔に、なんか付いてる〜?」

「……いえ。 なんでも。 失礼しました……」

「変な子……」


 出たけど。 なにこれ? 好物も嫌物もおかしくない?


 後、好感度も低いらしい。 知っていた。 この人は私に本性を見せていない。


 次は診療所。 中川さんが手を振って、私を歓迎してくれた。


(中川恵 村の医者。 好物:甘い食べ物 嫌物:ピーマン 好感度:高)


「あの、中川さん。 下のお名前、恵さんっておっしゃるんですね」

「あれ、申し上げていませんでしたか? これからは、恵って呼んでください!」

「は、はあ」


 のほほんとしている。 好感度は高いけど、彼女は攻略に関係なさそう。


 だって、好感度が高すぎるーー これでは簡単だ。


 次の候補の莉央さんは、こうだった。


(七瀬莉央 料理店の店主。 好物:ゴシップ 嫌物:ワサビ 好感度:低)


「……ワサビ、嫌いなんですか?」

「あれ〜 ……どうしてわかったし?」

「ただの勘です」

「へぇ。 大当たり、ばれない様に演出してたのに、すごいじゃん?」


 ーー本当にワサビ、嫌いだったんだ。 だから、仕入れてなかったんだね。


 この人、癖者だ。 ーーひとみとかと同じタイプ。


 最後に、鍛冶屋へやって来た。 ーー私の目的は彼だ。


(鵠沼灯磨 鍛冶屋の義理息子。 好物:小川望美 嫌物:他人 好感度 低)


ーーやっぱり、他人が嫌いね? 他のは見なかったことにしようっと。


「あの、灯磨さん。 この村の秘密……知ってますよね」

「……」


 返事はない。 いつも通りだ。 だけど、彼なら知っている。


ーー正直言うと、小川さんも七瀬さんも知ってると思う。 だけど、好感度を上げるのは嫌だった。 


 私は学んだんだ! 女に絡むと、碌なことが起きないとーー


 私と灯磨さんは、しばらく睨み合った。 すると、彼はため息を吐いた。 折れてくれたようだ。


 その時、明らかに灯磨さんの様子が変わった。 目が座っていて、私をじっと見ている。 ーーまるで、NPCみたいだね? 操られてそう。


「わかった。 ただし条件がある。 最近、この村に熊が出没していてな」


ーー来た。 おそらく、他の二人に聞いても同じことを言われそう。


「お前には、その熊を討伐してもらう」

「わかりました!」

「そうか。 期待している」


 熊討伐。 いよいよ、このゲームも終盤だよね? そうに決まってるよ!


「……? 俺は今、なにを?」



 家に帰ると、縁側に美羽が座っていた。 相変わらず、優雅だね?


「瑞稀。 遅いですわよ。 夜の外出は禁止ですのに……」

「歩いてたの。 村の人と仲良くするために」

「まあ! やっと素直になりまして?」


 嬉しそうに立ち上がる美羽の顔から、私は視線を外した。 美羽の好感度なんて見たくない。



「……瑞稀? 貴方、……私に言わないといけないことがありますわよね?」

「……」

「……あの。 一言いえば、いいのですわ! どうぞ!」

「……」


 美羽が、耳に手を当てて聞いてくる。 


 私は、そんな美羽を無視して、部屋に入って準備を始めた。


 絶対に美羽なんかに、屈したりしないからーー


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