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倉石瑞稀と100の高校生活でやりたいこと  作者: Masa(文章力あげたい)
最終章

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301/347

恋愛ってなに?

 夜、消灯時間はとっくに過ぎている。 でも、温泉旅行の夜はこうでなくちゃいけないよね。


 「というわけで! 第三回、女子会を開催しまーす!」

 「……」

 「ちょっと瑞稀。 声が大きいわよ」

 「ごめん、ごめん」

 「まったくもう……」


 彩乃に叱られながら、私は座布団の上で正座した。 目の前にはお菓子の山とジュース。 うん、我ながら完璧な布陣だね。


 「おい瑞稀! 枕投げしようぜ!」


 ひとみは、私にそう提案してきたけど断ろ。 だって、私の顔面に枕を叩き込まれそうだったからーー 怖いねぇ?


 「⋯⋯でも旅館の枕って、けっこう高そうだからやめとこうよ」

 「チッ」

 「……」

 「本当にそれが理由かしら?」

 「違うわね……」

 「うん」


 全員が黙った。 なんでさ。


 最初に始まったのは、恋バナだった。 やっぱり定番だよ!


 「じゃあ、まずは舞香から! 好きな人は!」

 「⋯⋯私から?」

 「う〜ん。 まだ、いないかな?」

 「へぇ? じゃあ、凛は?」


 私が凛に問いかけると、こう答えた。


 「⋯⋯私は、守りたい人がいます」

 「おお! どんな人?」

 「⋯⋯無茶苦茶な人です。 人を振り回して、平気で無理をして、⋯⋯そのくせ、自分が誰かを傷つけたことに気づかない人」

 「⋯⋯うわぁ、それ最低な人じゃない? 誰、誰?」


 私が言うと、部屋が静かになった。


 ーーあれ? 私、変なこと言った?


 「……」

 「⋯⋯そうね。 そんな奴は最低ね」

 「お姉ちゃん……」

 「⋯⋯でも、そういう人ほど、放っておけないのよ。 ⋯⋯厄介なことに」

 「同感だな」


 彩乃はお茶をすすった。 なんだか大人っぽいなぁ?


 「じゃあ次、彩乃! ……は柳田庶務だからパス!」

 「ええー! 私と健太の惚気話を聞きなさいよ!」

 「⋯⋯また今度ね」

 「なによそれ!」


 彩乃はそっぽを向いた。 ごめん、冗談だって!


 彩乃の惚気話が終わった後、私はひとみに話をふる。


 「じゃあ、ひとみ!」

 「アタイか。 ⋯⋯そうだな」


 ひとみは畳に寝転がったまま、天井を見ていた。


 「⋯⋯神子様だな」

 「知ってるよ! 好きなんでしょ? 尊敬してるって……」

 「いんや、愛してるんだ……」

 「……」

 「⋯⋯えっと、それは。 崇拝の意味だよね?」

 「いや。 付き合って、結婚したいって意味だ」

 「はぁ? ……あり得ないよ」


 私がそう言うと、ひとみは首を傾げた。


 「⋯⋯なぜだ。」

 「え? 恋愛って普通は……」

 「⋯⋯普通ってなんだよ?」

 「え? それは常識的に考えて……」

 「⋯⋯常識ってなんだよ! なぁ、瑞稀!」

 「……ちょっと、近いよ……」


 変なひとみ。 ーーまあ、ひとみはいつも変だけど。


 夜が更けるにつれて、話題はどんどんくだらなくなっていった。


 舞香さんが持ってきたトランプで大富豪をやって、私が四連続で大貧民になったあたりで、話がまた元に戻った。


 「ねえ、みずちゃん」

 「……なあに、舞香さん」

 「……と喧嘩したの?」

 「……」


 ーー舞香のふとした発言に、全員の視線が集中するのがわかった。

 

 「なんのことかな」

 「……」

 「……は黙ってて、私は今みずちゃんに聞いているの」


 場の雰囲気が重くなる。 こんな展開は求めていたものと違う。


 ーーあ〜あ。 どうして、私がプレゼンする旅行は、毎回こうなるのかなぁ?


 「舞香? さっきから、なにを言っているかわからないよ? あ……ちょっと用事を思い出したから出るね!」

 「……」

 「ちょっと! みずちゃん!」


 私は逃げたーー もう、何度目かわからない。


 ◇◇◇


 「舞香……」


 彩乃が、静かに妹の名前を呼んだ。 その声に舞香が反応する。


 「⋯⋯ごめんなさい、お姉ちゃん。 もしかして、余計なことをした?」

 「⋯⋯いいのよ。 ごめんなさいね。 私が説明しなかったから……」

 「もう! 瑞稀ってば、また逃げたのですわ! 私、とっちめてやりますの!」

 「美羽、落ち着いてよ」


 ーーチッ。 どいつもしけてやがるぜ。 その中で美羽は、できるだけ明るいフリをしてやがる。


 「落ち着いていられませんわ! ……私だけなら、悔しいけど、とっても悔しいけど我慢できますの! でも……」

 「美羽! その台詞……」


 凛がショッピングモールの時を思い出すように呟いた。


 「私! 瑞稀を叱りに行きますわ!」


 そう言って美羽は飛び出しって行った。


 ーーアイツ。 瑞稀がどこに行ったかわかるのかよ?

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