進級して桜をみよう!
84、無事に進級する
三月末。 修了式の日がやってきた。 よかった!
「⋯⋯以上をもちまして、一年間の課程を修了とします」
私の言葉に、体育館が揺れる。 終わった。 私の一年生が、今日で終わった。
ーー校長先生? 彼は、そこで泣いているよ?
卒業式で喋ったから、出番がなくてもいいでしょ?
「続きまして、私より挨拶があります」
「はい!」
私は話を続ける。
「みなさん、一年間おつかれさまでした! ⋯⋯突然ですが、私が入学式で何を言ったか、覚えている人はいますか?」
客席から、笑い声が上がった。 どうやら忘れられてはいないらしい。 むしろ忘れてほしいんだけど。
「そうです。 私は強制クラブ加入制度に反対しました。 そして、一年経ちました。 ⋯⋯結果、来年度からは廃止になります!」
生徒から歓声が上がる。 私と同じ考えの人が多かったみたいだね。
「来年度も、みなさんを巻き込みます。 覚悟しておいてください!」
拍手が起きた。 一年前は半信半疑だっただろうに。
ーーうん。 ちょっとは、成長したのかな?
「それでは、みなさん。 ⋯⋯また、来年度に会いましょう」
◇◇◇
式のあとは、教室で通知表の配布だった。
「倉石、お前は⋯⋯舐めているのか?」
「なんのことですかー」
「生徒会長がここで落第したら学校の恥だぞ? ……それなのにお前は」
「ふふん。 私、やるときはやるんです」
「⋯⋯授業中に寝ていた回数も数えてあるが、聞くか?」
「聞きません」
私は通知表を鞄にしまい、ノートを開いてチェックを入れる。
84、無事に進級する
ふふ。 我ながら、控えめな目標だ。 でも、これが一番嬉しいかもしれない。
通知表に並ぶのは41点の文字ーー 揃ってるね!
ここの先生たちって意地悪だよね? 危うく落第だったよ!
さあ、春休みだね! 遊ぶぞ!
「……」
ーーさて、何をして遊ぼうかなぁ?
「……」
桜の季節だし、お花見でも行こうかなぁ? 私、いい場所知っているんだよね。 この時期は、去年を除いて、いつも通ってたなぁ。
ーーよし、決めた! 早速行こう。 私は目的地へ歩き出した。
「……」
ーーうん。 ここ、ここ。 綺麗だよね〜
「……」
私はもう既に咲いている桜を眺めていた。 場所は私の母校の中学校だ。
ーー大丈夫だよ。 許可は取ってあるからね!
「……」
「ふう、気持ちいい……」
「……」
私の様子を見ている人がいるなぁ。 まあ、それもそうか〜
だって、ここの場所は、私、一人の貸切りだもんね〜
「……」
ーーえ? なんでそんなことできるのかって? 秘密だよ!
◇◇◇
こうして、私は進級できたんだけど?
ここは理想学園の校長室。 校長たち上役が話してますね?
ーーちょっと、聞いて見ましょう!
「……許せん ……ただの名ばかり生徒会長の分際で……」
「あのクソマズイ物体に、今回の台詞横取り……」
「……潰しますか? 校長?」
「ああ。 ……しかし、どうやって? 下手なことをしたらバレかねませんぞ?」
「なに。 暗部を使えば良かろう……」
「黒幕ーー黒田幕斗か……」
ーーへぇ? 面白い話だなぁ?




