↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
倉石瑞稀と100の高校生活でやりたいこと  作者: Masa(文章力あげたい)
最終章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

273/317

ひとみの極秘任務 その3

 『それでは、本題に入るよ!』


 ことねが怒って、トラを遠くに追い出してから、ことねはそう言った。


 「ねこちゃん……」

 『もう! いいよ、後にして!』

 「しゅん……」


 対して、姫様はまだ名残り惜しそうにしていた。 廊下の方に消えたトラを目で追ってやがる。 おいおい、どっちが本題を進める気なんだよ。


 『ひとみちゃんに頼みたいのはね! 瑞稀ちゃんの観察なの!』

 「? 倉石瑞稀生徒会長のことか?」


 倉石瑞稀ーー入学式で堂々と、100のやりたいこととか言ってたよなぁ。


 その後、体育大会で櫻井美羽と一緒に司会を担当してたな。


 そして、アタイの前にいることねの推薦によって一年生で生徒会になりやがった。 

 この前の終業式ではやりたい放題してたなぁ?


 ーーそれにしても倉石瑞稀か。


 アイツは臭う。 いや、臭いって意味じゃないぞ! 怪しいって意味だぜ!


 一見すると、鈍臭い女なんだ。 ちょっと、小狡いだけの。


 しかし、アイツはそれだけじゃネェ。 アタイの勘がずっと言ってた。 


 彼女の存在そのものが、作り物だってな。


 でもな、そんなの誰しも少しはあるだろ? アイツが多すぎるぐらいでさ?


 「……なんで、アタイなんだ」


 アタイはなんとか言葉を絞り出した。


 だってそうだろ? 観察なんて、ことねの周りにはもっと適任がいるはずだ。 それこそ、いつも倉石瑞稀の隣にいる櫻井美羽とかよ。


 『私と、美羽ちゃんはもう駄目なの!』

 「駄目ってなんだ?」

 「倉石瑞稀を客観視できないってことよ。 私はできるけど、この通り、相方は陶酔しているし……」

 『うん。 彼女の態度が全て嘘だってわかっているのにね……』


 ことねは、うっとりした顔でそう言った。 わかってて、なんでその顔ができるんだよ。


 「全て嘘? そんなになのか、アイツは?」


 もし、それが本当なら、とんでもない詐欺師だなぁ。


 アタイの勘は正しかったって訳だが、正しすぎて逆に引くぜ。 全て、だと? あの笑顔も、あの小狡い様子も全部か?


 「ええ。 あの女の笑顔、視線、声色、仕草。 観察した限り、素で出したものは一つもないわ。 全部『そう見せるため』に計算されたものよ」

 『でもね! それがすごいの! だって一度もボロを出さないんだよ? もう職人だよ! 推せるよ!』

 「……相方がこの調子なの。 わかったでしょう?」


 わかった。 わかりすぎるほどわかった。 片方は冷静に分析してるのに、もう片方が嘘つきっぷりに惚れ込んでるんじゃ、観察もクソもねぇ。


 「櫻井の方は?」

 「美羽は論外よ。 あの子は瑞稀の一番近くにいて、一番見えていて、それごと愛しているのよ!」


 姫様はぴしゃりと言い切った。 うわ、なんだそれ?


 「その点、ひとみ。 貴方は適任よ。 瑞稀と接点が薄くて、観察力があって、なにより、私たちの秘密を知っている」

 『ひとみちゃんなら安心して頼めるの!』


 ーー秘密を知っている、ね。


 確かに、ことねが二人いることを知ってる人間なんて、そういねぇだろう。 信頼されてるってことか? それなら、悪い気はしねぇ。 いや、正直に言うぜ。 最高の気分だ。


 「だがよ、アイツの嘘がなんの問題があるんだ? 正直、人間ってのはそういう生き物だぜ?」


 アタイがそう言うと、ことねは神妙な顔でこう言った。


 「今から語るのは、パラレルストーリーと考えていいわ。 でも、確実に起こる未来なのよ……」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。