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倉石瑞稀と100の高校生活でやりたいこと  作者: Masa(文章力あげたい)
最終章

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倉石瑞稀の嘘だらけの物語 その20

 ことねが消えた後、瑞稀は世界の首謀者ーー美羽とエタナに向き合いました。


 「首謀者ではなく創設者」と訂正を求める美羽に、瑞稀は元の世界へ帰せと詰め寄りました。


 しかし美羽は逆に、「現実の世界でまたね」という言葉の重みを問い返したのでした。 


 それは、文化祭でのことねの消失という「確定事実」、ひとみの消失、そして瑞稀自身の運命にまで、真っ向から喧嘩を売るという意味なのだと。


 綺麗に泣いて物語を終えた気になっていた瑞稀は、何も終わっていないことを突きつけられたのでした。


 逆に世界を創った理由を問われた美羽は、「この世界は瑞稀だけを守る檻になるはずだった」と明かしました。


 しかしことねたちが勝手に紛れ込んで予定が狂ったのだと。 


 そう語る美羽の目は明らかに曇っており、エタナは「彼女は悪霊に心を乗っ取られている」と警告したのでした。 片言で「フタリデスゴソウ」とにじり寄る美羽を前に、エタナは隠していた真実を告げました。 


 現実世界で、瑞稀の肉体は今も生死の境を彷徨っていること。


 凍死体の話は瑞稀自身のことだったこと。 美羽は消えかけた瑞稀の魂をこの世界に匿い繋ぎ止めており、外に出れば魂が保たないからこそ「檻」だったこと。


 そして、瑞稀を守りたいという美羽の想いに悪霊が付け込んで生まれたのが、この世界だったのです。


 それでも瑞稀の答えは変わりませんでした。 「私の理想はここにはない」「死にかけてても、怖くても、帰る。


 お母さんやことねと約束したから。 拒絶された美羽の輪郭が黒く滲む中、瑞稀は影の奥にある美羽自身の恐怖「私の価値は何なのか」という存在意義の喪失を見抜きました。


 「檻なんかいらない、一緒に帰ろう、現実でも隣にいてあげる。 親友なんだから」と叫ぶ瑞稀に、美羽は思わぬ言葉を返したのでした「親友で終わりですの? それ以上を求めてはいけませんの?」と。


 悪霊祓いのクライマックスは、突如恋愛のクライマックスへと変貌しました。


 「愛してますの瑞稀!」美羽の理想は、瑞稀の「一番」になることだったのです。


 この世界に残れば永遠に一番でいられる、それとも現実で親友どまりの席に座らせるのか、ずるい二択を突きつけられた瑞稀は、嘘で誤魔化さない答えを選びました。


 「今の私には分かんない。 でも、作り物の世界で出した答えは嘘になる。 だから現実で、ちゃんと美羽を知って、それから答えさせて」その真っ直ぐな言葉とエタナの「奇跡」の約束を信じ、美羽が瑞稀の手を取った瞬間、心の隙間は塞がり、悪霊は美羽の体から引き剥がされたのでした。


 しかし霧散する寸前、悪霊は冷たい声を残しました「オボエタゾ、クライシミズキ。 ゲンジツデマッテイル。 オマエニモコノチカラヲアゲヨウ」。それは分け身に過ぎず、本体は現実側にいるという、不吉な報せでした。


 目覚めた先は、現実の病室でした。 医師も諦めかけていた瑞稀が無傷で起き上がる「エタナの奇跡」に、美羽は号泣して抱きつき、二人は「私なりに美羽と向き合う」という約束を確かめ合ったのでした。 駆けつけた両親との再会に、平和な日常の帰還を噛みしめる瑞稀。 しかし次の瞬間、その平和は崩れました。 母が「護も入ってきなさい」と呼び入れたのは、中学生の制服姿の少年。 数年前に死んだはずの、瑞稀の弟だったのです。


 そして場面は変わり、ひとみの家。 彼女が最近拾った猫のトラに餌をやっていると、「ゼツボウ、クラウ」という不気味な声が聞こえた気がしたのでした。 


 ひとみは空耳だと流しましたが、悪霊の本体は、既にすぐそばに潜んでいたのでした。物語は現実世界での新たな戦いへと続いていくのでした。

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