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倉石瑞稀と100の高校生活でやりたいこと  作者: Masa(文章力あげたい)
最終章

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倉石瑞稀の嘘だらけの物語 その17

 瑞稀は美羽との二人暮らしを回避すべく、桐原家への宿泊を提案していました。


 しかしインターホン越しの彩乃は、いつもと違い「無理」「理由は言えない」と頑なに二人を拒んだのでした。


 その向こうから聞こえてきたのは、「お母さん、今日の朝ご飯はなに〜」という舞香の声ーー両親を亡くしているはずの桐原家に、父と母の存在を感じさせる会話でした。


 美羽は頭を抱え、瑞稀は「マイマイも私と同じだったんだね」と、どこかずれた受け止め方をしたのでした。


 深い事情があると察した二人は、後日改めて来ることにして、川端家へと向かったのでした。


 川端家で二人を出迎えたのは、なぜかネコの着ぐるみ姿のひとみでした。ことねが「家でネコを飼いたかった」ためだといいます。


 その後、リビングで二人きりになった瑞稀と美羽は、ようやく本心を語り合いました。 


 瑞稀は「様子の変わった櫻井さんが怖かった」「好意の理由がわからず、距離を保つために櫻井さんと呼んでいた」と告白しました。


 ーー彼女は内心思います。 本当は彼女をモブと思わなくなったからでした。


 対する美羽が語ったのは、あの雪の日の真実でした。 


 血と凍傷でぐちゃぐちゃの瑞稀を発見して叫び続けたこと。


 翌朝、教室から瑞稀の机が消え、誰一人として彼女を覚えていなかったこと。


 「瑞稀を覚えているのは私だけ」と気づいた瞬間、自分の中で何かが崩れたこと。


 そして「絶対に瑞稀を忘れない。私にとっては貴方が全てだから」と決めたこと——美羽の執着の正体は、すべて瑞稀への想いだったのです。


 瑞稀は勇気を出して「ミウミウ」と呼び、二人は和解したのでした。


 もっとも直後に「二人だけは嫌だった」「偽物みたいで怖かった」と口を滑らせて美羽を傷つけかけましたが、「私って駄目だね」という顔を見抜かれ、再び抱きしめ合ったのでした。


 そこへことねが、いつになく真剣な声で警告しました。


 あの三人組を跪かせた美羽の力を、実はことねとひとみも現場にいて目撃してたのです。


 その力は「命を削る力」であり、使うほど体か心か魂の何かが削れていくため、二度と使ってはならないと。


 しかし瑞稀の胸には、密かに危険な炎が灯っていました。


 「元の世界に戻ったら、あの力でアイツらを屈服させ、呪い殺す。 そのためなら命が削れたって構わない」と。 美羽は、その力が開花したのは瑞稀が病院送りになり、皆が瑞稀を忘れたあの日ーー「深い絶望とともに授かった」のだと明かしたのでした。


 リビングに沈黙が降りました。 瑞稀は、ミウミウが自分のために深い絶望と引き換えに力を得たことを理解し、胸を締め付けられたのでした。


 そんな中、ひとみが素朴な疑問を口にしましたーーそれではまるで、自分たちと瑞稀が以前から知り合いだったようではないかと。


 美羽は頷き、「貴方達と瑞稀は、以前は友達でしたの。 忘れてしまっただけで」と告げました。 驚くひとみとことねを前に、瑞稀の了承を得た美羽は、失われた思い出をーー元の世界での日々を、ゆっくりと語り始めたのでした。

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