倉石瑞稀の嘘だらけの物語 その10
三人組の一件はまだ終わっていません。 次の日瑞稀は川端家に詰め寄って、ことねに詰め寄りました。
「あの三人が通っていた、学校の校長先生から連絡があったんだ。 置き手紙だけを残して、行方不明なんだって。 その置き手紙には『櫻井美羽さんへの罪を生涯背負って生きていきます』とだけ書いてあったらしい。 ことねが書かせたの? 気持ちはわかるけど、やりすぎだよ⋯⋯」
ーー彼女は内心思っていました。 『ハヤク、ワタセ』と。
「残念だけど、貴方には渡せないわよ?」
「ッチ……無駄なことを」
一方美羽は、ことねに「あれは犯罪」と詰め寄りました。 ことねとひとみが、暴行を企てていた三人組を拘束し、櫻井家の別荘に軟禁していたのです。
しかし当のことねは「私は捕まらないわよ、神子である限りはね」と平然としていました。 実は神子であることねの行動は、湊と秀五郎という後見人の監視と承認のもと、条件付きで黙認されているのでした。 この川端家の闇を、帰国子女の美羽は初めて知り、絶句したのでした。
ーー湊や秀五郎が三人組の監禁を許可したのは『保護』だったからです。
別荘のモニター室には、三人組の両親や秀五郎まで揃い、和馬は「美羽に会わせる顔がない」と自室で自主軟禁していました。
美羽がマイク越しに三人へ語りかけると、彼女たちは殊勝な謝罪を口にしましたが、実はマイクから離れた場所での「反省してない」「出たらぶん殴ってやる」という嘲笑まで、全員に丸聞こえだったのです。
それを見届けた美羽の答えは、仲直りの乾杯と称してペイントジュースを送り込むことでした。 乾杯と共に三人はカラフルなジュース塗れとなり、忠告を聞かずに開けたことねまで、趣味の制服姿を汚して「年明けデビュー」を飾ってしまったのでした。
その後、三人組は釈放という名の厳重保護状態になりました。
しかし、その状況になっても、瑞稀の心は満たされませんでした。
アイツらを屈服させるには、『力』がいる。 そう思った瑞稀は考えていた矢先。
とある一報が、瑞稀の耳に飛んだのです。 悪霊が山の山頂にいると。
計画が失敗した瑞稀は祠のある場所まで来ていました。 この力は瑞稀にとって忌々しい力でした。 なぜなら、弟の仇でもあるのだから。
そう、瑞稀も彩乃や舞香と同じように、マーキングされていたのです。
ーーと、言っても。 彩乃と舞香とは違う理由のようですが。
しかし、現場に着いた瑞稀は驚愕しました。 悪霊が、成仏されたのです。
「あの悪霊には勝てないはずなのに、どうしてみんな無事なんだろう」
ーー瑞稀は心底、不思議がっていましたが、精神はその悪霊による、精神攻撃でダメージを負っていました。
私は瑞稀のことを案じながら、疲れ切った彼女を連れて帰るのでした。




