過剰な態度を怪しまれるのも計画の内? ーーことね視点
放課後の校舎。 生徒会室の前で、瑞稀と凛が睨みあっていたわ。
瑞稀は、水色のブレザーをやめて、生徒会用の服を着ていたわね。
「まあ。 ……倉石瑞稀。 今更現れて、なんのつもりかしら。 貴方の場所は、ここにはもうないわよ」
「えっと。 ……聞いたんです。 黒田凛さん、貴方は代理だって。 ありがとうございました。 もう大丈夫です」
「……っ!」
瑞稀の上から目線の発言に、凛は不意を突かれたようね。
「そういうことだから、会議するよ……」
「……待ちなさい。 今更だって、言ったでしょう? 残念だったわね。 既に、文化祭の内容の変更はできないのよ、私にも忠実な部下がいてね。 貴方達の行為は、筒抜けなのよ。 さあ、どうするのかしら? 無力な生徒会長さん」
「なんだって? ……まさか?」
凛との会話の後、ひとみと瑞稀は空き教室にいたわ。
「……なんだよ、瑞稀。 こんな所にアタイを呼び出して!」
「そんなの、ひとみが一番わかっているんじゃない?」
瑞稀が、ひとみににじり寄っていったわね。 彼女は、血走った目でひとみを見ていたわ。
――ひとみは、自分の企みがバレたことに気づいたようね。 けれど、悪びれた様子もなく、つまらなそうにしていたわ。
「……なにがしたいの、ひとみ? 貴方と私は運命共同体のはずだよね? それなのに……意味がわからない……」
ひとみは何も答えなかったわ。 ただ、弱そうな表情をして、オドオドしているだけ。
なぜかって? 誤解させるためなのよ。 自分が、ただただ弱い人間だと思わせるためにね。
――誰に、だって? それはねぇ?
そんなひとみの様子が気に入らない瑞稀は、狂気の目で睨みつけたわ。
「ねえ、ひとみが何を考えているか知らないけどさ……私はもう引けないんだ。 ……全ては美羽のためなんだから……」
ああ、これは友情かしらね。 瑞稀は、ひとみの嘘を愚直に信用しているのね。
――その時だったわ。 教室に、第三者が来たの。
「倉石生徒会長! ひとみさんに何をしているんですか!」
「……舞香。 君には関係ないことだよ……」
「ひとみさんが怖がっているじゃないですか!」
「……なるほどね……」
ひとみは、内心で舌打ちをしていたでしょうね。 ようやく来たか、と。
桐原舞香――その娘こそ、ひとみが誤解させたかった相手なのよ。
「倉石生徒会長! やめてください!」
「ふふふ……実に哀れだね。 私も、そして君も……」
瑞稀はそれだけ言うと、ふらふらと教室を後にしたわ。
「……吉澤さん大丈夫ですか?」
「は、はい。 ありがとうございます!」
ひとみは、下級生の舞香に頭を下げているわね?
そのまま、ぺこぺこお辞儀をして去っていったわ。
ーーでも、へりくだり過ぎるのは悪手よ?




