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倉石瑞稀と100の高校生活でやりたいこと  作者: Masa(文章力あげたい)
VSことね編

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計画が上手くいかないのも計画の内? ーーことね視点

 数日後の夜。 ひとみは、美羽の元へと向かっていったわ。


 美羽の表情は、以前の絶望した様子から一変して、笑顔になったわね。


 瑞稀との仲良し作戦が上手くいっている証拠なのでしょうね。


「あ、ひとみんですわ。聞いてくださいませ! 瑞稀ってば大胆ですのよ。 私、困ってしまいますわ〜」


 口では困ったと言いながら、微笑む美羽。 ひとみは、希望が実っていく様を楽しんでいるようね。 


 「この前なんて、大好きって言ったら『私もだよ美羽……』と言ってくれたんですの!私たちは大親友ですわ!」

 「そうかよ……」


 ――ひとみは、なぜか苛立っているわね。 


 瑞稀と美羽。 二人の友情は、ひとみが作りあげた幻なのだからーー


 不思議よね? あの娘たちを焚き付けた癖に、どうしてなのかしら? 


 心の中で嫉妬心を覚えていたようね。 自分だって、神子様と仲良くしたかった、幻でもいいから、と。 


 帰り道で、そんなことを考えながら、ひとみは帰っていったわ。


 後日の夕方。 ひとみの家には、舞香が来ていたわ。 


 「はわわ。 舞香さん、今日はなんの用ですか?」

 

 舞香には、まだひとみの猫被りはバレていないようね。 ひとみは、何が一番面白い展開になるか? そんなくだらないことを考えているわね。


 「櫻井さんが、最近悩んでいるんです……」

 「あららぁ。 瑞稀さん絡みですかね?」

 「ううん。 吉澤さん。貴方のことでだよ」

 「へぇ……理由をお聞かせくださいー」


 美羽は、今は幸せのはずだわ。 この現状に、何のケチがあるというのかしらね。


 ひとみも、そう訝しんでいたようね。


 「……あんまり、美羽を怒らないであげてね?」

 「は〜い。 わかりまぁ〜した!」

 「『ひとみがおかしいですわ』って呟いてました」

 「……」


 ひとみは、内心で憤っていたようね。


 夜。 ひとみは、いつものベンチへと向かったわ。


 美羽はいたわね。 今日もメイド服姿で、膝に手を置いて、ちょこんと座っていたわ。


 ひとみの足音に気づいたのでしょうね。 美羽が顔を上げたわ。 その瞬間、あからさまにバツの悪そうな表情をしたわね。 目を逸らし肩を縮こめて、まるで反省している犬みたいだったわね。


 「……ひとみさん」

 「よぉ、美羽。ごきげんよう、ってか?」


 ひとみは、わざとらしく笑ってみせたわ。 美羽の肩が、跳ねたわね。


 「舞香から聞いたぜ。 アタイがおかしい、ってお前が呟いてたってなぁ? ……なに様のつもりだ?」

 「っ、それは……私は、ひとみが心配で……」

 「……ハア? アタイが心配?」


 ひとみは美羽の隣に腰を下ろしたわ。 木のベンチが、ギシッと軋んだわね。


 美羽はますます縮こまって、視線を膝の上で泳がせていたわ。


 「……だって。 ひとみ、変ですもの」

 「……変、ねぇ」

 「……何か、無理しているような、偽っているような……」


 言いかけて、美羽は口をつぐんだわ。 美羽は、ひとみの本性を知っていると思い込んでいるようね。


 ――けれど、それは違うのよ。 ひとみは、自らの理想を叶えるために、あの娘たちを犠牲にするつもりだったわ。


 「……美羽。 アタイにはな、やりてぇことがあるんだ」

 「やりたいことですの?」

 「瑞稀の計画。 あれに、お前の力が要るんだよ……」


 ――そう。 美羽のありったけの絶望が、必要だったのね。


 美羽が、ようやくこちらを見たわ。 月明かりに、その瞳が揺れていたわね。


 「……アタイのためだ。手を貸してくれねぇか?」

 「ひとみのため……」


 こうして、美羽を納得させたひとみ。 彼女の計画は進んでいくわ。

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