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倉石瑞稀と100の高校生活でやりたいこと  作者: Masa(文章力あげたい)
VSことね編

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214/236

桐原家での攻防戦

 舞香の話を聞いた私たちは、飛び出すように、桐原家に向かった。

 

 「……瑞稀」

 「……」


 隣に立つミウミウは、いつもの彼女らしくない硬い声をしていた。


 チャイムを鳴らした私たちを出迎えたのは、彩乃だった。


 「瑞稀と美羽。 ……来てくれたのね」

 「舞香は?」

 「自分の部屋よ。 話は……」

 「……凛から聞いた」


 彩乃の問いに私は答えると、舞香が床に座り込んでのんびりしていた。


 「あれ? みずちゃんにミウミウ! こんにちは!」


 舞香は、幸せそうだった。 笑顔で私たちを迎えている。


 「舞香……」

 「マイマイ! 正気になるのですわ!」

 「……ど、どうしたの! ミウミウ?」


 ミウミウが、舞香に向けて大声をあげる。 その感情が、舞香にも伝わったのか、彼女は一瞬動揺した。


 ーー私は、そんなミウミウを宥める。


 「……ミウミウ。 落ち着いて! ……とりあえず、話そうか……」

 「ええ。 ……ごめんあそばせ」


 私としても、悪霊の話()()()、無視できない問題だから。


 「……えっと。 ミウミウは、突然どうしたのかな?」

 「……落ち着いて聞いて欲しいんだ。 舞香に悪霊がかかっている可能性がある」

 「あ、悪霊?! ……なんで、そんなことに?」


 ーー動揺する舞香。 私は、言葉を続ける。


 「彩乃が言うには、舞香には悪霊が取り憑いているらしい。 ……その症状や、やり方はわからないけど……」

 「瑞稀?」

 「……そうなんだ。 悪霊か。 ……お母さんが詳しいかな?」


 ミウミウが、私の発言に疑問を持ったようだ。 しかし、作戦だと勘違いして、大人しくしている。


 「ちょっと、お母さんに話してくるね!」


 舞香は、リビングに向かった。 そこには、彩乃がいた。


 「舞香……」

 「お姉ちゃんもいたんだね。 ……ねえ! お母さん! ちょっと、聞きたいことがあるの!」


 舞香が声を上げる。 彩乃は悲しそうな表情をした。 そして、ミウミウは。


 「マイマイ! やめてくださいまし! ……そこには誰もいませんわよ!」

 「……なに言っているのかな?」


 ミウミウは、舞香に飛びついていた。


 「……みずちゃん。 お母さんがわからないって」

 「……そっか、すみませんお母様」


 私から出た発言に、美羽と彩乃は固まった。


 「……瑞稀?」

 「何を言ってますの、瑞稀! 今は、ボケている場合ではありませんわよ!」

 「え? 二人ともどうしたの? ……なんで、そんなに動揺しているの?」


 ーー彩乃のお母様は、そこにいるじゃん!


 「……! まさか?! 瑞稀、貴方……」


 どうしたのかな? ミウミウ。 そんなに、深刻そうな表情をして?


 「瑞稀……目を覚ますのですわ! 舞香の両親はいない! そして、貴方の弟さんもいないのですわ!」

 「……」


 私は、言葉に詰まった。 ミウミウに図星を突かれ、違うと言い切れない自分がいたからだ。


 ーーそっか。 気づいたんだね、ミウミウ。 私がみんなの見えない、舞香の両親が見えるって言ったことに。


 彩乃が、おろおろと私たちを見比べている。


 「舞香もですわ! 貴方も、本当は分かってるはずですの! ……分かってて、目を逸らしてるだけですわ! それじゃ、いつまで経っても前に……」

 「やめてよ……ミウミウ」

 「いいえ、やめませんの!」

 「やめてって言ってるの! お母さんとお父さんはここにいるの!」

 「だから! それは……瑞稀?」

 「……やめて、ミウミウ」


 気づけば、私は美羽の腕を掴んでいた。


 「ミウミウに何が分かるの? 大切な人がいなくなる気持ちなんて……」

 「瑞稀こそ、優しいふりして舞香ちゃんを甘やかしてるだけですわ! それって、本当にマイマイのためですの? どうせ自分のためではなくて?」

 「……っ」


 私と美羽の話している発言の意味は、彩乃と舞香には理解できないのだろう。


 ーーごめんね、舞香。 勝手に利用して。 


 「……みずちゃんも、私と同じなの?」


 舞香が、言い争う私たちを交互に見ていた。




 

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