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倉石瑞稀と100の高校生活でやりたいこと  作者: Masa(文章力あげたい)
VSことね編

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201/236

みんなの思いで、凛の違和感

 リビングに沈黙が降りた。 私は理解してしまった。


 ミウミウは、私のために、深い絶望と引き換えに、あの力を授かったのだね。 


 ーーそっか、絶望が必要なんだ。 胸が締め付けられて、何も言えないよ。


 そんな中、ひとみが、首を傾げながら口を開いた。


 「……あれ? うぅん。 おかしなこと言うな? ……それじゃまるで、アタイたちと瑞稀は以前から知り合いだったみたいじゃないか?」


 ひとみの素朴な疑問に、ミウミウは小さく頷いた。


 「ええ。 その通りですわよ」

 「は?」

 「貴方達と瑞稀は、以前は友達でしたの。 ……忘れて、しまっただけで」

 「⋯⋯」


 ひとみが、目を見開いた。 ことねも、眉をひそめている。


 「⋯⋯思い出? アタイらと、瑞稀の?」

 「ええ。 話しても、よろしいですわよね? 瑞稀」

 「⋯⋯うん。 お願い、ミウミウ」


 ミウミウは、ゆっくりと語り始めたのだった。


 ◇◇◇ 黒田凛視点


 休日の午後。 私は自分の部屋で今日も、考えごとをしていた。


 ーーずっと心がモヤモヤしている。 なんでだろう?


 そんな私が思い出すのは、瑞稀と舞香だった。 彼女たちは、空虚だった私の気持ちを埋める何かを持っていた。


 その衝撃で私は、思わず痙攣してしまったわ。 変なことも言った気がするんだけど、覚えてないわね。


 まあ、最後は、仲良くもなれたし、変なこと言ってないよね?


 誰かの存在を忘れたような、記憶にぽっかりと穴が開いた気分。 ーーそんな感覚は、以前よりは薄れた。 その代わりに浮かんできたのは、違和感だった。


 胸の奥が、なぜかちくりと痛む。 ぼんやりと天井を見上げてしまう。


 何だろう、この感覚。 懐かしいような。 切ないような。 うまく、言葉にならないなーー


 家の中は、静まり返っている。 時計の秒針の音だけが、やけに大きく響く。


 ーー静かすぎる。 ふと、そう思った。


 私は、家族と暮らしている。 お母さん、お父さん、お兄ちゃん、お姉ちゃん。 賑やかな、五人家族のはずだ。


 なのに、今、家には自分しかいない。


 「⋯⋯あれ?」


 私は、身を起こした。 部屋の扉を、そっと開ける。 リビングからも、台所からも、物音一つしない。


 「⋯⋯お母さん? お父さん?」


 返事は、なかった。


 ーー今日だけじゃない。 いつから、私は一人だった?


 私の中で、何かが、ざわりと揺れた。 昨日も、一昨日も⋯⋯その前も。 家には、自分しかいなかった気がする。


 思い出そうとすると、頭の奥がぼんやりと霞んだ。 お母さんの顔。 お父さんの声。 お兄ちゃんの笑い方。 お姉ちゃんの背中。


 ーー思い出せるのに、なんでいないの?


 「⋯⋯おかしい」


 私は、自分の頬を、強く抓った。 痛い。 夢じゃない。


 でも、それなら、なぜ? 家族のことを今まで疑問に思わなかったの?


 ーー寂しい。 一人は嫌だよ。


 私は、湧き出る感情のまま、家を飛び出した。



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