表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
倉石瑞稀と100の高校生活でやりたいこと  作者: Masa(文章力あげたい)
愛の檻編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

192/254

パラレルワールド 突撃! 朝の倉石さん! ーー吉澤ひとみ視点

 翌日、アタイはラフな服装で瑞稀の家にやってきた。


 なぜなら、これから掃除をするからだ。 なら、動きやすい格好じゃないと、話にならないぜ。

 

 Tシャツにジーンズ、髪は後ろで一つに結んで。 手には、家から持ってきた掃除道具一式。 ゴム手袋、雑巾、洗剤、ゴミ袋。

 

 ーー万全の装備だ。 さあ、行くぜ!

 

 アタイは張り切って、玄関のチャイムを鳴らした。

 

 ピンポーン。


 反応がない。 なにやってんだ、アイツーー


 ピンポーン。 ピンポーン。

 

 まだ、反応がない。


 「⋯⋯ったく。 なにやってんだ、瑞稀の奴」

 

 アタイは、舌打ちしながら、スマホを取り出した。 瑞稀の番号を呼び出し、通話ボタンを押す。

 

 数コール後、ようやく繋がった。

 

 『⋯⋯ふぁ⋯⋯い⋯⋯』

 「⋯⋯倉石さん? 吉澤です。 今、お家の前に来てるんですけど⋯⋯」

 『⋯⋯ぁ⋯』


 ーー寝ぼけてやがる。 完全に寝起きだ、コイツ。


 「倉石さん、約束⋯⋯覚えてます?」

 『⋯⋯あぁ⋯⋯』

 「あの〜 玄関、開けてください〜」

 『⋯⋯んー⋯⋯めんどくさいなぁ⋯⋯吉澤さん、また今度でいい? 私、まだ眠いから⋯⋯』

 「⋯⋯はぁ?」


 ーーは? 今、なんつった、コイツ。


 『じゃ⋯⋯おやすみぃ⋯⋯』

 「ちょっ、倉石さんっ⋯⋯!」

 

 プツン。 通話が切れた。 それとも切れたのは、アタイの堪忍袋か?

 

 ーーおいおいおい。 マジかよ。 約束をすっぽかすどころか、二度寝するって? このアタイをこの玄関先で立ち往生させたまま?

 

 「ざっけっんじゃねぞ!」

 

 アタイは、思わず素の声で呻いた。 

 

 ーー危ない、危ない。 近所の人にでも聞かれたら、終わりだ。 アタイは『吉澤ひとみ』。 おどおどとした、気弱な女子高生だ。

 

 しかし、瑞稀は本気で、扉を開ける気がないらしい。


 アタイは、玄関の扉を見つめた。 ガチャ、と取手を回してみる。

 

 ーー鍵がかかっている。 当然だ。 しかし、よく観察してみると、この扉、随分とくたびれている。 

 

 ガチャリ。 ドアの鍵を解除する。 


 ーーお邪魔するぜ!

 

 アタイは、靴を脱いで、家に上がった。 昨日と変わらない、散らかったリビング。 本人はどこだ? 階段を上がる。 


 二階の一番奥の部屋。 扉が、半開きになっていた。 覗き込めば奴はいた。

 

 ベッドの上で、制服姿のまま、シーツに包まって眠っている瑞稀。


 ーー制服のまま? 昨日、寝間着に着替えもせず、そのまま寝たのか、コイツ!


 しかも、髪も結んだまま。 メガネは枕元に放り出されている。 顔の横にはよだれの跡。

 

 アタイは、その寝顔を見つめていた。 奴はうなされていた。

 

 ーー知るかよ。

 

 アタイは、頭を振った。 感傷的になってる場合じゃない。

 

 「はわわ。 倉石さん〜」

 

 猫被りの声で、優しく呼びかける。

 

 「う、うん⋯⋯ん⋯⋯」

 「起きてくださーい」

 「⋯⋯んん⋯⋯」

 

 ガバッ! アタイは、シーツを引き剥がした。


 「な、なに!? 吉澤さん、なんで家の中にいるのっ?」

 

 瑞稀が、ようやく飛び起きた。 目をパチパチさせて、メガネを慌ててかける。


 ーーおい、それ伊達メガネだろ? わざわざかけんなや!


 「⋯⋯倉石さんが、開けてくれないからですよぉ。 はわわ、勝手に入っちゃってごめんなさい〜」

 「い、いつの間に⋯⋯」


 瑞稀は、ぽけ、とした顔で、頭を掻いた。 


 「⋯⋯さ、起きてください。 今日は、お掃除する日ですよ?」

 「⋯⋯えー⋯⋯面倒くさいよ!」

 「えー、じゃありません! 昨日、約束したじゃないですか!」

 「⋯⋯うー⋯⋯おやすみ」

 

 ぐずぐずと、まだ布団に戻ろうとする瑞稀。 アタイは、その腕を掴んで、引きずり起こした。


  ーー今日のアタイは、容赦しないぜ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ