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倉石瑞稀と100の高校生活でやりたいこと  作者: Masa(文章力あげたい)
愛の檻編

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瑞稀のミリしらクッキング!

 お母さんが消えた。 家の中が静かになったような感覚を覚えた。


 「瑞稀! 無視ですの? 私の方を見るのですわ!」

 「……なに、櫻井さん」


 振り向いた、その瞬間。 私は、思わず直視した。

 

 ーー寝巻き、姿だった。 それも薄い。 生地が肌に、貼りついている。 胸の、ふくらみの、輪郭が。 腰の細い線が。 太ももの白さが。 全部見えている。

 

 「な……なんで、その格好なの……」

 「あら? 夜中ですもの。 寝巻きで何が悪いんですの?」

 「……っ」

 「……瑞稀?」

 

 櫻井さんの、声が、近くなった。私は、慌てて、後ずさった。

 

 「ち、近寄らないで! 偽物!」

 「……まあ! なぜですの?」

 「なんで、って……」

 「ふふ。 瑞稀ったら、可愛らしいのだわ」

 「……っ」

 

 別に、偽物なんかに驚いてないんだから! 


 ーーところで貴方の体の仕組みは、どうなっているの?


 私は、櫻井さんに近づき、お腹を揉んだ。 筋肉質でスマートだった。

 

 この、偽物が! まったく、うらやま…けしからん! 


 「瑞稀? 落ち着いて下さいまし……もう、仕方ない子ですわね?」


 結局、その夜、櫻井さんは、私の家に、泊まった。

 

 「瑞稀を一人にはできませんわ!」

 

 などと、勝手なことを言って、私のベッドで寝始めた。

 

 私はその隣で、天井を見ていた。 当然、眠れなかったーー


 カーテンの隙間から、光が差し込んでくる前に。 私は、ベッドから起き上がった。

 

 台所に立つ。 冷蔵庫を開けた。 お母さんが、買い置きしていた、卵があった。


 豆腐も、あった。 葱も、あった。 ーー普通に、お味噌汁を、作ろう。


 ーー料理を作れるのかって? 味噌汁ぐらい簡単だよ!

 

 えっと、沸騰したお湯に味噌を入れればいいんでしょ?


 そこにカットしたネギと豆腐を入れて完成! 味噌汁一丁上がり!


 ご飯も用意したから、完璧だね! 私って料理の才能あるかも?


 「おはようございますわ、瑞稀!」

 「あ、おはよう!」

 「くんくん。 ご飯の香りですわ!」


 ダイニングに、降りてきた櫻井さんは、まだ、寝巻き姿だった。


 そんな彼女は、スレンディな体をさすって、空腹アピールをしていた。


 ーー自分の美しい体を、アピールしている訳じゃないよね?


 「お腹すきましたわ! 瑞稀のお料理、楽しみですのよ!」

 「ふふ。 はい、どうぞ!」

 

 お椀を、差し出した。櫻井さんは、嬉しそうに、ニコニコしながら、椅子に、座った。

 

 「いただきますわ!」

 

 お味噌汁を、一口。 ーー櫻井さんの、表情が、固まった。

 

 眉が、ぴくり、と、動いた。 口の中で、何かを、転がすように、しばらく、黙った。 それから、ごくり、と、飲み込んだ。

 

 「……瑞稀」

 「なに?」

 「これ、味見しまして?」

 「ううん。 だってこんなの、美味しいに決まってるじゃん!」

 「……」

 

 櫻井さんが、ずいっと私に顔を近づけた。 私は、目を逸らす。

 

 櫻井さんは、不審そうな顔で、お椀を置いた。 それから、ご飯茶碗に、手を、伸ばした。


 ーー口直し、するつもりだ。

 

 私は、こっそり息を止めた。

 

 櫻井さんが、お箸でご飯をすくって、口に運んだ。

 

 彼女の頬が、ぴくっと、痙攣した。 なんで?

 

 「……瑞稀?」

 「はい」

 「このお米、研いでらっしゃいまして?」

 「……研ぐ? なにそれ?」

 「瑞稀? 嘘でしょ?」

 

  櫻井さんが、お箸を置いた。 私を、じとっとした目で見た。


 どうしたんだろ? これじゃ、まるで私の料理が、不味いみたいだね?


 「ぬか臭いですわ! 全然、研いでらっしゃらないでしょう!」

 「何を言ってるの? ……米を研ぐってなに?」


 私が、そう言うと櫻井さんが、鼻息荒く、私の手を握ってこう言った。


 「……瑞稀。 今日から、一緒に生活するのだわ! 私が美味しいご飯を作ってあげますわ!」


 ーーちなみに、作ったご飯は、二人で頂きました。 お残しダメ! 絶対!


 食べながら思った。 私って、料理の才能ないのかな?

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