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倉石瑞稀と100の高校生活でやりたいこと  作者: Masa(文章力あげたい)
愛の檻編

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神子様による地方史

 時は戻り、新学期の集会のことです。


 「生徒代表 川端ことね!」

 「ええ⋯⋯」

 

 司会者に呼ばれ、川端ことねは前に立つ。 この場で生徒代表として学校に従順であるのが常です。 しかし、彼女は違いました。 緊張しているのでしょうかーーいいえ、まるで彼女はこの学校という、世界に対して反抗しようとしているのです。


 「一年生の皆さん初めまして、私の名前は川端ことねです。 今日は皆さんに挨拶と、お伝えしたいことがあります。 私は次にある生徒会選挙に参戦し、生徒会長になります! そして、私が生徒会長になったあかつきには、この学校の規則を変更します!」

 

 川端ことねの突然の発言にどよめく会場。 ある者は顔を見合わせたり、また別の者は彼女を馬鹿にする始末。 会場は混沌の場へと変化したのです。

 

 「生徒諸君、落ち着いて下さい⋯⋯川端さんは席にお戻り下さい」


 司会者がそう周りを宥めたり、川端ことねを退場させようとします。 



 しかし、彼女は聞く耳を持たず、続けてこう言ったのでした。


 「生徒会長の私による支配。 逆らう者は全員退学! もちろん先生方も対象です。 ⋯⋯そう貴方達は、みんな私の駒になってもらいます!」


 川端ことねの発言に冗談だと言うことは出来たはずだーーしかし、会場から笑いの声が消え、代わりに漂う雰囲気は恐怖でした。

 

 これが後に伝わる悪夢の日々の始まりでしたーー


 ◇◇◇


 「体育大会のメンバーを決めるわよ」


 私が転校? してきた次の日の朝。 本来なら授業を始める時間のはずなのに、ことねが前で仕切り始める。 どうやら、ことねはクラス委員長らしい。


 「この体育大会は重要なの。 絶対に私のクラスに敗北は許されないわ⋯⋯」

 「はい、ことね!」

 「なに? あら、見ない顔ね? 噂の転校生かしら⋯⋯」


 ことねはどうやら、私のことは覚えていないらしい。 一抹の寂しさを私は覚える。


 「⋯⋯その、私は戦力外だから欠席でいいですよね?」

 「そうね。 その足じゃあ仕方ないわね。 ⋯⋯ゴホン。 転校生もいるし、私がこの体育大会の歴史について話すわ⋯⋯」


 ことねはそういうと、長々と語り始めたーー


 「まず、この時期に開催する意味は、一年生たちに団結して、行事をこなすことで学校やクラスメイトたちと、仲良くなって欲しいという理由ね。 理想学園の創立からどんなことがあっても、中止したことがないわよ。 その始まりは遥か昔に遡るわ。 ⋯⋯むかしむかし。 理想が世界を光で覆う日常の中、エターナルパーフェクト様を慕う、田中平八郎がいました。 妻のお菊と息子の小太郎と仲良く暮らしていました。 しかしその日々は、エターナルパーフェクト様が邪教扱いされたことで、終わりを迎えました。 田中平八郎は邪教狩りに最後まで抗いましたが、最終的に討ち取られてしまいました。 しかし、肉体が消えても心は消えませんでした。 平八郎は理想の使徒となり、エターナルパーフェクト様をこの世界へ現界させようと、計画を企てたのです。 そんな悪霊がターゲットにしたのは、川端家です。 当時の川端家は、この地の山頂で剣術を教える師範の、川端十三郎と娘の二人暮らしでした。 悪霊は、娘の力を喰らおうとしましたが、山頂の祠に封印されてしまいました。 

それにより、川端はこの地を救った英雄になったのです。 そして、悪霊を封印した娘の名前は、川端ことね⋯⋯もう、わかるでしょ? この地では、私は救世主の生まれ変わりであることが。 私のご先祖様が建設したこの学園と、行事の内容すべては、私あってのものだということがね。 転校生さん? 理解できたかしら?」


 「サイン、コサイン、タン塩牛タン食べたい⋯⋯」

 「⋯⋯ふう。 やれやれ、転校生はこれだから⋯⋯貴方には体育大会の実況でこれを言わないといけないのに⋯⋯」


 私は、たぬき寝入りをしながら思ったーー 絶対に嫌だとね。



 

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