↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
倉石瑞稀と100の高校生活でやりたいこと  作者: Masa(文章力あげたい)
愛の檻編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

158/314

校長室にて

 理想学園の校長室で、校長用の椅子に堂々と腰掛ける女子生徒がいました。 そしてその横には、ヘコヘコと彼女の様子を窺う中年男性がいます。 

 

 「この度は、ご進級おめでとうございます! 川端ことね様」

 「まあ。 そんなにかしこまらないでいいわよ、校長先生?」

 「いえ! こうして私どもやこの理想学園があるのは、貴方の力があってこそですから⋯⋯」

 「ふふ。 正確には私の親が、だけどね。 まあ、悪い気はしないわね」


 そう言いながら川端ことねは足を組み返します。 校長は彼女の機嫌を窺いながらも、話を続けます。


 「ところで、先日の全校集会でお話されていた件ですが⋯⋯」

 「ああ、あれね。 素晴らしいでしょう? ⋯⋯もうすぐこの学園のすべてが変わるわ」

 

 声とは裏腹に、その目は冷酷に真っ直ぐ校長を見ています。 


 ーー逆らえばどうなるかわかっているわよね?


 校長は冷や汗が止まりませんでした。 彼女の目は本気だったのです。 


 その時、ドアをノックする音が聞こえました。 川端ことねは、顎で校長に出るよう促します。 その指示に駆け出すことで意識を示す校長。


 ーーこの世界の彼にも、校長としての威厳はまったくありませんね。


 「⋯⋯校長先生、お話があります」

 「今川先生! ⋯⋯どうされましたか?」

 「どうしたもこうしたもありません! 川端のことです! ⋯⋯このままではこの学校は彼女に⋯⋯」

 「おい! あまり大きな声を出すな⋯⋯」

 「ふふ、面白いわね。 ⋯⋯おや? 誰かと思えば今川先生ですか、ごきげんよう⋯⋯ふふふ」


 部屋の中から聞こえてきた声に、校長と今川先生は意識を向けました。 


 校長は顔面蒼白。 一方今川先生は彼女の方に向かいます。

 

 「⋯⋯川端ことね! 貴方はなにをしているの? ここは、校長室よ! 貴方が腰掛けているのは校長の椅子です。 今すぐ立ちなさい!」

 「まあ。 おっかない、おばさんだこと⋯⋯」

 「誰がおばさんですって! 私はまだ三十も超えてないわよ!」

 「今川先生、落ち着いてください!」

 「校長は黙っていてください!」

 「え? すみませんでした?」


 校長が今川先生を落ち着かせようとする中、川端ことねは、スマートフォンを弄り始めました。


 その様子を見て、怒り心頭の今川先生。


 「ことね! 今は私が説教している最中でしょう!」

 「はいはい、待ってくださいね⋯⋯ありました。 すみません、お待たせしました。 ⋯⋯幸子さん」

 「なんですか、ことね?」

 「今川幸子。 三人暮らしで、小学生の息子さんがいらっしゃるようですね?」

 「なによそんなの! ⋯⋯今は関係ないでしょう!」

 「校長先生、先程は二人で面白い話をしていましたね。 たしか⋯⋯校長が誰かを処分すると」

 「ええ? そんなこと言って⋯⋯」

 「⋯⋯」

 「言ってましたよ。 大声でね〜」


 動揺する今川先生を無視して、川端ことねは校長先生に問いかけました。


 校長先生の体は先程から震えていました。 


 今、彼は判断を迫られているのです。 


 しかも答えは彼にとって一択しか無い答えを、あえて自らの口で言えとーー


 「⋯⋯私が、今川先生を処分いたします」

 「な! ⋯⋯校長先生! どういうことですか!」

 「黙りたまえ! 君には学校を退職して貰います! クビだクビ!」

 「そんな! 嘘でしょう! 校長⋯⋯」

 

 校長室には、今川の悲痛な叫びが響きます。  突然のクビを言い渡された今川先生は、ことねを睨みます。


 「ことね! 駄目でしょ、親の権力を盾にしたら! 私が今から、貴方のお姉さんとして説教しますからね!」

 「ふふ⋯⋯説教? この私を⋯⋯」

 「まずはその椅子から降りて、床に土下座! ⋯⋯誠心誠意を込めて、私に謝りなさい! 文言はこれね。 『おばさんって言ってごめんなさい、幸子お姉さん』はい復唱!」

 「おばさんって言ってごめんなさい、幸子ババア」

 「ギャー! ことね! 悪化しているわね、貴方のそういうところ、雫さんにそっくりなんだから!」

 「お母さんを出すのは、反則だと思うわよ?」

 「おだまりなさい! 貴方はね⋯⋯」


 二人が喧嘩ーーというよりも、コントをしている中、ポツンと置かれていた校長は思う。 他所でやってくれとーー


 その後、今川幸子という人物は、この学園から消えました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。