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倉石瑞稀と100の高校生活でやりたいこと  作者: Masa(文章力あげたい)
冬編

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148/312

パパ! ママ! 引きこもりをおやめくださいまし! ーー櫻井美羽視点

 彩乃のメイド騒動が終わった後、私は実家に戻って来ましたの。


 ーーだって、せっかくママが近くにいるんですもの! 少しでも長くふれあいたいですわよ。 


 そう思って本宅に入ると、我が家の執事やメイドたちが困った表情をしていましたの。


 一体どうしたのかしら?


 「ああ! 美羽お嬢様⋯⋯ お帰りなさいませ」

 「ごきげんようですわ。 ふふ。 みなさん困り顔ですわね? パパはママにこってり怒られましたの?」

 「それが⋯⋯」

 「二人とも地下に閉じこもってしまったんです⋯⋯」

 「⋯⋯なんですって?」


 みなさんの話を聞いた私は、すぐに地下室へ向かいましてよ! ママってば! パパを説得するんじゃなかったのかしら? これでは、ミイラ取りがミイラですわよ。


 私は地下室のドアを思いっきり叩きましたの。 すると、弱々しいパパの声が聞こえてきましたわ。


 「⋯⋯またか。 ⋯⋯もう、ほっといてくれ。 娘不孝の父親なんて、生きている価値ないんだ⋯⋯」

 「同じく母もです。 シクシク」


 唖然とする私を尻目に、パパは懺悔を続けますの。


 「あの時の俺はどうかしてた。 いつも美羽のことを思っていたはずなのに⋯⋯気付けば自分の保身のために行動していた。 ⋯⋯もし、過去に戻れるなら⋯⋯あの日の俺をぶん殴りたい」

 「⋯⋯私もよ。 義明さんをいつもなじっていたけど⋯⋯本当になじられるのは、私の方だったのよ⋯⋯ぴえん」


 ーーパパはともかく、ママはさっきからわざとらしいですわ! 絶対にカマトトぶってますわね!


 私はもう苛立ちましたの! 大声で二人にアピールするのよ!


 「Open up!」

 「⋯⋯なんだ? 荒っぽい女だな⋯⋯娘とえらい違いだ⋯⋯」

 「あらあら。 品性に欠けるわね⋯⋯教育が必要かしら?」

 

 私が声を上げてアピールしても、メイドと誤解されましたの。 どういう聴力をしていますの?


 こうなれば、直接対面ですわ! 私は同行していた執事に、鍵を要求しますの。


 ーーしかし、執事は頭を横に振りましたの。


 「⋯⋯お嬢様。 この部屋の鍵は奥様がもっておられます⋯⋯」

 「なんですって? 密室ですの!」


 ママ、どういう思考回路ですの! もしなにかあったら、どうするつもりなのかしら? 私には、ママの意図がつかめませんわ。


 私は、ドアの構造を調べます。 頑丈な鉄扉ーー でも、私の力なら蹴破ることは容易ですわね。


 「I’m gonna kick this door in! 知りませんわよ!」

 「ハハハ。 君馬鹿なのか! 鉄扉だぞ? 破れる訳ないだろう?」

 「本当にはしたないこと⋯⋯ 情操教育が必要ね」


 カチーンと来ましたわ! 私は右足に力を込めて、思いっきりドアを叩きましたの! 叩いた振動が地下を揺らしましたわ。 


 ドアはペシャンコですわね、脆い鉄扉だことーー


 その中から、さっきよりもクリアな声の悲鳴が、聴こえてきましたの。


 「⋯⋯なんだ? 地震か! 香織! 俺に捕まってろ!」

 「はい! 和馬さん! ⋯⋯ああ、暖かいですわ。 和馬さんの鼓動が私にも伝わります⋯⋯」

 「⋯⋯二人とも。 なにイチャイチャしてますの」


 私が苛立っていると、二人が幽霊を見たかのような表情で私を見ていますの。


 「⋯⋯ああ。 ついに私も耄碌したな。 美羽が見えるぞ」

 「ええ。 私にも、はっきり見えますわ⋯⋯まるで本人みたい」

 「みたいじゃなくて、本人ですわよ! 引きこもりたち!」

 『出た!』


 地下室から漏れた絶叫は、上階のメイドたちにも響いたそうですわーー


 

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