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倉石瑞稀と100の高校生活でやりたいこと  作者: Masa(文章力あげたい)
冬編

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一人で雪像作り

 75、雪フェスを開催する


 朝のグランドを眺めるーー 目の前には白銀の世界が広がっていた。 今日は休日なのだが、この景色を眺めるために、わざわざやって来たのだ。 私は思わず、世界に向けてダイブする。


 起き上がってダイブした場所を見て見ると、見事に完成したアートが出来ていた。 その様子に、一人でニコニコする私だった。


 私は雪が大好きだ。 小さい頃は雪だるまを作ったり、雪合戦をしたりーー 運動は嫌いなのにも関わらずだ。


 雪景色の世界を見ていると、自分のいた現実を忘れることが出来た。 それが、雪が好きな一番の理由だ。 辛い日常や嫌な世界はここじゃないってーー


 でも今年は、まったく違う。 今の日常がとっても好きなのだ。 理想学園に来てよかったと、心から思っている。


 中学時代は引きこもりだった私には、この高校生活は暖かくて、愛しいーー


 雪に手を伸ばす。 掴んだ雪はずっしり固くて、簡単には溶けなさそう。 それを、両手で固めた。 綺麗な真白の塊に、思わずうっとりしてしまう。


 それを片手で投げると、世界の中に消えていった。


 今度は座り込み、雪を集める。 ある程度大きくなった塊を、今度は転がしていく。 段々と大きくなる雪の塊。 ついには、私の力では動かせなくなった。


 その作業を何回か繰り返していく。 大きな塊がたくさん集まって来た。


 塊たちを一箇所に集めてスコップで砕いた。 そう、私はスコップまで持参して来たのだ。 しかも持って来たのはそれだけではない。


 目的はただ一つ、自分の雪像を作るためだ。 こうして一日中かけて、雪像を作り上げたのだった。


 夢中になって装飾も作っていると、私の背中に誰かの手の感触を感じた。


 振り返ってみると、お母さんだった。 急いで来たのか、表情は少しだけ焦っているように見えた。


 「瑞稀⋯⋯もう夕方よ。 こんな長時間作業してたら、倒れてしまうわ」

 「えっ? 夕方! ごめん、まったく気づかなかったよ⋯⋯」

 「瑞稀は集中すると、いつもこうなんだから⋯⋯今度からは、誰か同行させないと駄目よ」

 「ごめんなさい。 ⋯⋯どうして、ここにいるってわかったの?」

 「神のお告げかしら? 貴方を探すために家を出たら、突然聞こえて来てね」


 どうやら、エタナの声が聞こえたらしい。 最近は田中書記の側にいるはずなのに、時々様子を見に現れるのだ。 けど、今回はなぜお母さんをここに導いたのかな? そう思いながら、お母さんを見ると納得した。


 お母さんは、私が作った雪像を見て涙を流していた。 そして、一人言のように独白を始めるーー


 「こんなに笑顔の雪像初めて見たわ。 ⋯⋯瑞稀が作る作品はいつも暗かったから⋯⋯ 私はなんて愚かだったんでしょう。 あの頃、貴方がずっと苦しんでいたのに、私は仕事にかまけて貴方を蔑ろにしてた」

 「⋯⋯⋯お母さん」

 「気づいた時には既に手遅れで、貴方は壊れちゃった。 今になって後悔しても遅いだろうけど⋯⋯ごめんなさい、瑞稀」

 「⋯⋯⋯⋯帰ろっか、お腹空いてきちゃた! 今日の晩御飯はなにかな?」

 「ふふ。 今日はお鍋よ、みんなで暖まりましょう」


 私とお母さんは、笑顔で帰宅するのであった。


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