戦闘中の会話ターンもいいよね ーー田中幸子視点
「見ろ! これがスーパーサイコガンだ! 悪霊が吹き飛んでいったぜ!」
「ことね! やったぞ! 俺の聖十文字斬りで敵は、爆裂四散したんだ」
「悪霊よ。 この世界のヒロインである、桐原彩乃の手で成仏されたことを誇りに思いなさい⋯⋯」
どうしましょう。 三人とも、謎の霧に覆われたと思ったら、妄言を言い出しましたよ。 なんですかこれ?
『⋯⋯これは、あの悪霊の能力ですね。 相手の理想の夢を見せて、その後現実を突きつける。 それにより、落胆した相手の絶望を、糧にする魂胆ですね。 このままでは、三人とも廃人になるでしょう⋯⋯』
「うわ。 酷いじゃん。 まさに、中ニ病の天敵じゃん」
このままでは、同志たちが危ない! 私は三人を守るように駆け寄った。
『ハハハ。 おいおい。 雑魚どもが! ⋯⋯そろそろ、余興にも飽きてきたぞ!
⋯⋯どれ。 まずはそこのピンク髪からつまむとするか⋯⋯』
「ククク、どうやらここは我の出番のようじゃ! 壊!」
『なんだ? まだ誰かいたのか。 ⋯⋯お前は?』
「我の名はワルザベスでも田中でもない! この世界に終焉を招くもの、邪神・エターナルパーフェクトであるぞ!」
『え? 私がエターナルパーフェクトなんですが。 サッチー?』
光の玉が動揺してブンブン飛び回る中、霧の塊に言い放つ。
『⋯⋯お主が エターナルパーフェクト様?』
「おい、サッチー! お前はおとなしく、さっさと逃げろよ!」
幻覚を自力で解いたのか、正気に戻った健太が、私を逃そうとする。
「ククク、我の力をみくびるなよ、柳田健太。 今、我は己れの封印を解く。 そして仮初の姿から、本当の姿、理想の神・エターナルパーフェクトになるのだ!」
私はそう言うと、眼帯と包帯を丁寧に外した。 ふふ、こうやって丁重に扱うことで、私の変化がアピール出来るのだ。 ーー例えるなら、体につけてあるギブスを外した武闘家みたいな? 今までこれをつけて戦っていたのか! って奴。
『サッチーも幻覚にかかったのですか?』
「かかってないから。 後で、エタナにはマンガを読んでもらいます」
まったく。 少しはバトルのお約束を学んでくれないとーー
よし、ここからが私の真骨頂だ! 頑張るぞ!
「さあ、我こそが理想の神、エターナルパーフェクト⋯⋯」
『エターナルパーフェクト様!』
「えっ? ゴホン。⋯⋯はい、私がエターナルパーフェクトです」
『神よ! 復活を心待ちにしておりました! 既に現界されていたとは⋯⋯感激です! 私は貴方のファンだったんですよ!』
「⋯⋯そうなんだ。 えっと、君はなにかね? 私の復活のために頑張っていたのかな?」
『はい、そうです。 そのために、人間どもの憎悪を糧に貴方様を復活させようとしていましたが⋯⋯』
「ふむ、ご苦労様ですね。 褒めてあげましょう」
あれれ? 思ってたのと違う! 私もバトルしたかったのにーー
「やれやれ。 まったく、舐められたものですね。 この私が、憎悪が源で現界すると⋯⋯私は理想の神ですよ。 そんなの理想に決まっているでしょう」
『おっしゃる通りです。 拙者の考えが間違いだったでござる』
「ほう⋯⋯間違いだと。 では、どうしますか? この責任は?」
『はい! 拙者は責任を取り、消滅するでござる』
「よろしい! ⋯⋯今回は貴方の決意に表して、成仏させてあげましょう」
『なんと! エターナルパーフェクト様! ありがたき幸せ!』
仕方がない、せめてトドメの成仏パンチをーー しかし、周りが白い光に包まれて、悪霊の霊体が一人の青年になった。 そして、青年は泣き出します。 ええ! バトル展開無し? こんなのおかしいよ!
『なるほど⋯⋯これがサッチーの真骨頂なんですね』




