学校登壇会
「みなさん、おはようございます。 倉石瑞稀と申します。 今回は登壇会の貴重なお時間をいただき、ありがとうございます。 ⋯⋯さてこの度、理想学園副生徒会長櫻井美羽さんが、大食い世界選手権で優勝しました」
「はあ? なにそれ~」
「そんな大会、やってたっけ?」
「大したことない大会なんじゃない?」
「そんな、どうでもいいことでイキられてもね」
「おいおい、聞こえてるぞ。 ぷぷ」
「それだけのために、わざわざ時間を割いていんのかよ!」
「⋯⋯⋯⋯⋯⋯」
「今日は実演と言うことで、実際に食べている所をお見せしたいと⋯⋯」
「なんでそんなもん、見ないといけないですか~」
「身内自慢したいなら、自分の所でやれば?」
「アタシさっさと帰りたいんだけど~」
「⋯⋯⋯⋯⋯」
「それでは、櫻井美羽さん。 お願いします。 ⋯⋯まず、最初はこちら! おにぎりです!」
「いただきます! モグモグ⋯⋯⋯⋯⋯ゴクン。 モグモグ⋯⋯」
「⋯⋯なに? みんな盛り上がっちゃって⋯⋯」
「こんなのの、なにが面白いん? ただ、食べてるだけじゃん!」
「ウゼー なんだよ⋯⋯」
「⋯⋯完食しました⋯⋯」
「はい! 続きましては⋯⋯」
「はあ? ⋯⋯もういいって!」
「無駄な時間なんだよな~」
「さっさと終われよ!」
「わあ! 巨大なハンバーグ! 提供ありがとうございます!」
「ありがとうございますですわ! いただきますわね、モグモグ⋯⋯美味しいですわ!」
「うわ。 お嬢様かよ、気持ち悪い」
「お嬢様口調って今時、いる?」
「キャラ付けに必死かよ~ ウザ⋯⋯」
「美味しいですわね。 瑞稀! おかわりですのよ!」
「ごめんね、ミウミウ。 ハンバーグはそれだけなんだ~ 代わりに次があるからね⋯⋯」
「ところでさぁ、ミウミウってなに? ニックネーム?」
「そんなものつけて、アピールとか、ウケる!」
「まだやんのかよ⋯⋯とんだ茶番だな、うざ⋯⋯」
「続きましては、ホットケーキです!」
「わあ! いただきます! う~ん、美味しいですわ~」
「⋯⋯イライラすんなぁ 金髪頭」
「⋯⋯なんでみんな盛り上がってんの?」
「てか、私たちだけじゃない? 歓迎してないの⋯⋯」
「最後は、アイスパフェだ!」
「すごいですの! みなさんも、そう思いますわよね。 ⋯⋯うんうん、ですわ! う~ん。 甘くてひんやりして、うまうまですわ!」
「チッ。 ⋯⋯おい、出ようぜ」
「邪魔だ退け! ⋯⋯まったく聞こえてないな⋯⋯」
「⋯⋯もしかして、ワタシら閉じこめられてね?」
「う~ん。 幸せ! 最高の気分ですわ」
「ミウミウ、お疲れ様。 ⋯⋯いかがでしたでしょうか? これが櫻井美羽です。 以上で終わります。 ありがとうございました」
「ありがとうですわ!」
会場は拍手で包まれ、登壇会が終わった後は、ファンサービスで大忙しだった。
「ちっ。 邪魔だ、退け!」
「まったく、近づけねぇ〜」
「今すぐ、アイツらの顔をボコリたいぜ!」
ーーけれど、人生はそう簡単じゃない。 あの三人組はまったく反省してなかった。 こちらを苛立ちの表情で見つめる三人組ーー
「まったく! 一時はどうなるかと思いましたわ。 瑞稀? 浮かない顔をして、どうしましたの?」
「⋯⋯はは、力が抜けて来た。 怖かったよ⋯⋯ミウミウ⋯⋯」
「もう! 瑞稀ってば⋯⋯おんぶしてあげますわ!」
「ごめん。 結局、無駄だったみたいだね。 あいつら全然懲りてないよ」
「もう! そんな奴ら、ほっとくのですわ! ⋯⋯そんなことよりも、いい思い出をありがとう! また、瑞稀からいただきましてよ。 まったく、瑞稀は私にどれだけの恩をくださいますの? ⋯⋯私、貴方への愛で押しつぶされそうですわ」
真っ直ぐに私を見つめるミウミウ。 それはこっちのセリフだよ。
「⋯⋯ムカつくな、あいつら⋯⋯」
「なにイチャイチャしてるんだよ」
「今から楽しい残虐タイムのお時間で〜す」
「へえ。 面白い考えダナ? アタイも混ぜろや!」
「残虐タイムね。 ⋯⋯私も参加しようかしら?」
「お、おまえらはこの前の⋯⋯」
「⋯⋯川端ことね!」
「別になんでもないから⋯⋯待て、やめろ⋯⋯」




