表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
倉石瑞稀と100の高校生活でやりたいこと  作者: Masa(文章力あげたい)
冬編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

121/287

私はどうしてここにいるの?

 夕暮れの中、私は一人で黄昏れていた。 サッチーが言うように、私はちゃんと進めているだろうか?


 前を歩いているはずなのに、全然進んだ気がしないよーー


 そんな時、私はとある言葉を思い出していた。

 

 『貴方の存在は将来非常に不安定なの。 もしかすると貴方も、小説の倉石瑞稀と同じ道を辿るかも⋯⋯』


 消えたことねが最後に残した、伝言を思い出す。 もう一人の『私』も、今の私以上に苦悩や心配を抱えているのかな?

 

 そんなことをぼんやり考えていた時、聞き覚えのある人の声がした。


 「おや? 君は、美羽と一緒に出かけていたのではなかったかい?」

 「義明さん⋯⋯」

 「⋯⋯なにかあったようだね」


 義明さんが私の横に座る。


 「ここの景色いいだろう」

 「ええ。 ⋯⋯ここで考えごとをしていました」

 「そうだろう、私のお気に入りの場所なんだ。 ⋯⋯ところで、倉石瑞稀さん。 君に質問があるのだが、いいかい?」

 「質問ですか? ⋯⋯わかりました」

 「君はどうしてここにいるのかな?」

 「え?」


 義明さんから出た質問に、私は言葉を詰まらせる。


 私がここへ来た理由ーー 前提として、ミウミウに誘われて、私はやって来た。


 私は彼女の応援がしたい。 後、一度でいいから飛行機に乗って、海外旅行に行きたい! そう思ったからである。


 つまりは、自分で決めてここに来たのだ。


 「私は自分の意思で、ここに来ました」

 「⋯⋯そうか。 なら、己の目的を果たすんだ」

 「はい。 ありがとうございます」

 「おや? 立ち直るのが早いな⋯⋯とてもいいことだ」


 私たちは、沈む夕日を眺める。 夕日は暖かくて眩しいーー


 ふと、私は気になったことをこの機会に質問してみたくなった。


 「義明さん。 質問よろしいでしょうか?」

 「なんだい? 答えられる範囲で頼むよ」

 「義明さんはなぜ、海外へ来たのでしょうか?」

 「⋯⋯これを言うと無責任だと、思われるだろうね。 私の子供の頃からの夢だったのさ。 あの土地を飛び出して、飛行機に乗ってどこまでも飛んで行きたい。 そう思っていたのさ。 ⋯⋯あいにく、ウチの親が厳しくてね、やっとここ数年になって海外に行ける状況になったんだ」


 そう言うと義明さんは、空を見上げて、物思いに更けていた。 私には理解できない、色々なことがあったのだろうーー


 続けて、奥さんである雫さんのことについて尋ねる。


 「雫さんとは、どのように知り合ったんですか?」

 「お見合いさ。 お互いの親同士が勝手に決めたのさ⋯⋯」

 「そうだったんですね⋯⋯」

 「幻滅したかい? 君が私をどう思っていたのかは知らないが⋯⋯現実はただの薄情者さ」

 「薄情者?」


 私を真っ直ぐに見て、語る義明さん。 私はそれをやんわり否定した。


 「⋯⋯そんなことは、ないと思います。 まあたしかに、ことねは寂しがっていたらしいですが⋯⋯同時に貴方に誇りを持っていますよ。 ことねはよく、自慢するんです。 私のお父さんは凄いんだって」

 「⋯⋯ことねが。 そうなのか⋯⋯嬉しいな」


 二人してまた、空を見上げる。 ここは空が綺麗だーー


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ